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【放送を見て】 西村の密着という枠を飛び越えて七尾愛が芽生えてくれたんじゃないか

テレビ大阪にて毎月最終土曜日の午前11時から放送されている『ドキュメンタリー7』という番組。本日は僕に密着してくださった回でした。

※放送区域外の方はTVerでもご覧になれますので是非
https://tver.jp/episodes/epzvwggdx6 

もちろん僕も見させていただいたわけですが、感想と言ったらちょっと烏滸がましいですが放送を見た上で当事者として僕が改めて感じたことを今日は書いてみたいと思います。
(取材クルーの方もここを読んでくれていたりするので"この場を借りて"という意味合いも含めて)

と、書いているそばから速報なんですが「YouTubeにも上がりました!」という連絡をいただいたのでYouTubeのリンクも載せさせていただきます(早い!)。


月イチのレギュラー番組とは言え「僕という存在で番組をひとつ作ってくださった」という事に変わりはなくて、そんな事はさすがに初めての事で大変有難いやら恐縮やらでそれなりに感情がさわさわしています。

で、こうやって30分番組にまで持ち上げていただくまでにはそれなりに経緯があるんですが、そもそもテレビ大阪の方からここまで熱心に取材をしていただくきっかけになった話は前に詳しく書いたので、ぜひこちらを読んでいただければと思います。
(※実におもしろい幾多の"たまたま"が重なっています)


上記の内容あり気で話を進めさせてもらいますが、そういう縁もあったこともあって最初の熱量というかベクトルはあくまでも僕、西村広文に向いていたと思います(もちろん震災の事も念頭にありながらですが)。

一番最初にお会いしたのは避難所を退所して今年初めて大阪に戻った時。

番組内でも多少使っていただいていましたが、およそ半月ぶりにピアノを触りにスタジオに出向いた日でした。

その時点での取材の内容はやはり「被災地で避難所生活を送りながらも日々の発信だったり音楽室ライブなんかを行ったりして、震災に負けじと頑張っている一人のピアニスト」という存在にフォーカスを当てているもので、その流れから「次に戻られる時はよろしければぜひこちらも七尾に出向かせていただいて引き続き密着させていただきたい」という展開になります。

で、僕が束の間の大阪滞在を終えてまた七尾に戻った時にわざわざ大阪から来てくださったわけですが、その時にクルーの方々は初めて七尾の被災状況を肉眼で目の当たりにされたわけなんですが、いろいろ思うところはあったようです。

やはり離れたところに居るとどうしてもメディアを通して間接的に物事を見るわけで、どうしても特に悲惨な被害を受けてしまった奥能登(輪島や珠洲)の印象なんかが色濃くインプットされていた模様。

実際、奥能登に関しては七尾(中能登)に対して比にならない甚大な被害を被っていて、言い方はちょっとアレかもしれませんが捉え方によっては「あの地域に比べたら七尾は全然マシ」と言えると思います。

確かにそれはそうなのですが、じゃあだからって七尾が余裕かへっちゃらかと言う話でもなくて、相対的な考えを捨てた時に七尾も大変なことになっているのは事実。

共に市街地を歩いている中で「七尾もめちゃくちゃ大変じゃないですか」って部分を改めて取材クルーの方々も肌で感じ取ってくれたのがハッキリと伝わる時間でした。

その辺りから徐々にベクトルが変わってきた(というか多岐に渡ってきたという言い方が正しいかもしれない)感はあって、当初は西村というピアニストに焦点を当てる感じで始まった取材なのですが、徐々に「この七尾という場所の実情をもっと県外の人にも伝えるべきだ」というジャーナリズムが当初よりもどんどん芽生えてくれたように思います。

今回この番組を見させていただいて感じたのは、もちろんあくまでも視点の中心は僕の存在ではあるんですが、その僕を通じて芽生えた(のかもしれない)「七尾愛」みたいなものをとても感じる30分になっていた印象で、確かに僕の密着ではあるんですが本人としては、七尾という場所やそこの人々の事を大切に丁寧に扱っていただいてる事が何より嬉しかったという気持ちです。

おそらくなんですが、惨状を目の当たりにしたところから「もっとこの七尾という場所をしっかり伝えなきゃ」という気持ちになってくださって、そこから取材を機に地元住民の方々と接したり、いろんな場所に足を運んでいく時間を重ねているうちに、七尾を好きになってもらえたのかもしれません。
(実際に僕の取材以外の日も石川に泊まり込みで七尾を取材してくださっていた)

最後の5分くらいから僕の音楽室ライブの音に合わせて七尾の名所だったりお祭りの映像だったりがたくさん差し込まれているんですが、そこを見た時に震災報道とか一人のピアニストの密着という細かい枠は完全にただただ飛び込えて、純粋な七尾愛を感じたんですよね。
(別に僕が提供した絵ではないのでいろいろ尽力して集めてくださったんだと思います)

そもそも今回の放送だって、最初からその枠組みが決まってて「じゃあ素材を集めるために取材しましょう」みたいな順序ではなくて、一番最初の大阪のピアノスタジオでの取材を皮切りにどんどん熱量が上がって「なんとか30分枠で放送できるように頑張ります」という気概で多分偉い人たちにプレゼンしてくださったんだと思います。

今回の放送を見終わったあとに取材や編集を偏に担っていただいた山崎さん(という方です)にもお礼の連絡はさせていただいたんですが、その山崎さんから「復興した暁にはプライベートで行きたい」というお返事をいただいて「ほらやっぱり七尾好きになってくれてる!」と実感したりもして。
(こちらも業界そこそこ長いんで社交辞令か本心かっていうのはけっこう分かる)

あと、山崎さんはもちろんのこと、毎回一緒に来てくださったカメラマンの毛利さんも実に素敵な方でして「こういう人がカメラ回してくれてると安心する」っていう所作が多々ありまして、それはそれでまたもうちょっと掘り下げていつか書きたいと思います。
※むしろ明日書くかも


話をまとめると、当初は西村(のピアノ)の密着という本丸があったところからスタートしたものの、その取材を重ねていくうちに僕を通じてその先にある「七尾」という存在そのものに惹かれてくれたという部分。そしてそれが映像を通じてこちらに温かく伝わってきたことがとっても嬉しかったという話でして。

そしてそれは今回の取材の件に限らず、今まで僕を応援してくれてきた方でも最初は西村(家)の心配とか応援っていうところから始まったものの、気付けばその先にある七尾(能登)という場所そのものに温情を持ってくださっているなと実感することは本当に日々多くて、本当に嬉しいですありがとうございますってな感じでして。

誇れる地元が在ることにも感謝します。

だからこそ以前みたいに堂々と「来てください!」と言えない現状がとってもモヤモヤするので、またそんな日が来ることを楽しみに僕も頑張ります。

うっす。



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