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和倉温泉の総湯が再開するってニュースは本当に本当に大きな一歩なんです

昨日の記事で「ゴシップ・時事・SNSトレンド・大衆(飲食とか)」みたいなところからネタを引っ張ってきて書くってことでいいなら毎日"秒"で書けるけども、それが自分の中でアリになってしまうと絶対にそこへの逃げ癖がついてしまってインプットアンテナがどんどん錆びて、発信する身としてつまらん人間になるなぁみたいな事を書きました。

なのでそれなりに掘り下げポイントや「転じて〜」みたいなよほどの汎用性がない限りはそこに逃げないというのは自戒として常に持っているスタンスなんですが、今日はおもいっきり時事ネタです。

というのも能登(七尾)関連の話だったりするからで、震災・復興関連に関する時事に関しては「時事に逃げる」とかそんな話じゃないと思うので。

そういう意味では、そもそも元日からしばらくはずっと時事ネタが続いてたと言えるわけで(避難所からの)、そういう発信を続けていくうちに微力ながら何かしらの意義があるという自負が芽生えたからであります。

もうすぐ3ヶ月が経とうかという今日この頃(早いね)、当初よりも報道はやっぱり減りますし人々(地元民以外)の現状をキャッチしにいく頻度や熱量もある程度落ち着いてきているのはしょうがない部分があると思います。

なので一人でも多くの人に「おおそうなんだ」と改めて知ってもらって、頭の片隅にでも置いててもらえたらいいなという勝手な使命感みたいなところがあるので、今日は正面切ってひとつ時事ネタを。

というわけでピンと来てもらえるかどうか分かりませんが地元の人間からしたら実に大きな一歩をまた踏み出せたお話。


七尾市にある日本有数の温泉街『和倉温泉』は震災以降、とてつもないダメージを受けて当たり前ながらずっと全面休業が続いていたわけで。

断水もそうですしそもそも配管が壊れて源泉が止まったり、各旅館も壁や屋根が落ちたりっていう壊滅的な被害にあったりで、「このまま和倉温泉はどうなるんだ」っていう絶望的な状況にあったんですが、まず一番最初に飛び込んだ大きなニュースは「源泉の無事が確認された」というものでした。
(震災から半月くらい経った日のこと)

源泉そのものが終わってたらってことを考えるとゾッとしますが、とにかく源泉そのものは無事だったということであとは各温泉に送る配管の修理さえすればなんとかなるってことで、まだまだ大変ながらひとまず温泉そのものは死んでいないっていう安堵の一歩。

そこから実に2ヶ月を要したわけですが、この度『和倉温泉 総湯』まで源泉の湯を引く配管工事が完了したとのことで(さらには断水が解消したのもあって)、お客さんの受け入れが可能になったということで来週から営業が再開すると。

個人的に子供の頃から当たり前に身近に在って、大人になってからも帰省のたびにちょこちょこ入りに行くのがルーティンになってた総湯なんですが、そもそも『総湯』ってやつは北陸の温泉地ならではらしいです。
(知らんかった)

僕は和倉温泉の総湯しか行ったことがありませんが、いろんな旅館があちこちに立っているいるまさに温泉街のド真ん中に構えられている「銭湯」みたいな存在で、一応定義としては「共同温泉」ということになってるらしいです。

旅館に泊まられる方がふらっと寄る場合もありますが(でもだいたいは宿泊してる旅館の温泉に入ると思うけど)、通りすがりでその地の温泉に入れるので宿泊せずともカジュアルに楽しめるのも良いところ。

まあ要は温泉街の中にあるスーパー銭湯を「総湯」と名付けたみたいですね。

※せっかくなんで和倉温泉の総湯のHPなんぞ

僕のかすかな記憶ですが料金はワンコインレベルだったと思います。
(ちなみに足湯は無料)

和倉温泉の各旅館はまだまだ配管や建物そのものの損壊が酷いのもあって営業再開はまだまだ厳しいかと思うんですが、ひとまず総湯が再開するっていうニュースは本当に本当に大きな一歩で、また和倉温泉が和倉温泉として活気付く未来をハッキリと感じられるビッグニュースであります。

遠方の方にさすがに「総湯だけでも入りにきてください」というのはちょっと乱暴な話でそこまでは言いませんが(どうせなら旅館泊まりたいですもんね)、こうやって着々と一歩また一歩と進んでいるってことだけでも知ってもらえたらなと思いこうやって書かせてもらっています。

「総湯再開!」とだけ何かしらのニュースで見ても地元民以外の人は全然ピンと来ないと思うのですが、元日に源泉が止まって無事かどうかも分からないっていう、和倉温泉がこのまま終わるかもしれないみたいな悶々とした半月があって。

源泉の無事は確認されたけど配管が壊滅的でどうなるやら…というところからついに湯を引けるにまで復活したという線で考えると、とりあえず総湯(銭湯)は復活したゾ!っていうこんな大きな一歩はないのでありまして、和倉温泉の人たちはまだまだ「仕事ができない」という状態から「仕事ができる!」という悦びへの一歩を踏むことに全力なわけで、その1歩のために3ヶ月弱をも費やしたわけですから、本当に頭が下がる思いだし我が誇りの郷土でございます。

ちょっと話ついでにもうひとつだけ。

この和倉温泉って実は身近なところにライバルが居まして…

やはり石川の観光メッカといえば金沢かと思うんですが、金沢は加賀地方に分類されていて(七尾は能登地方)、加賀地方にはそれはそれは立派な温泉郷があるんですね。

山代温泉・山中温泉・片山津温泉ってな感じで。
(名前聞いたことある人もいるかと思います)

そういうなかなかの名湯がけっこう近い距離感で固まっていて、やっぱり能登まで足を伸ばすっていうのはなかなか大変で「金沢観光⇄加賀温泉」っていう楽しまれ方をされる方がけっこういらっしゃる。

たまに仕事現場とかで関西圏の人に「この前石川に温泉旅行に行ったよ〜すごく良かった」って同業の方に言ってもらえることがあるんですが、実に卑屈な僕は「どうせ山代か山中あたりでしょ?」といつも返します(かわいくねーな!)。

やっぱり加賀温泉止まりの人はどうしても多くて、なかなかそこから数十キロ北上して和倉温泉まで来てくれる人は僕の肌感覚では少ない印象。

最初から和倉温泉目当てならともかく「石川で温泉に入りたいね」となったらやっぱり交通の利便的に加賀温泉が強い。

そこにきて最近はさらなる危機が襲ってきて、北陸新幹線が敦賀(福井)まで延伸したことで、一日一本通っていた「大阪〜和倉温泉」の直通(サンダーバード)が廃止になってしまった。

北陸新幹線延伸のニュースはひとつポジティブなニュースとして取り上げてあったと思うんですが、七尾の人間のリアルな感想は「これでますます和倉温泉に人が来なくなるね」だったりします。
※立場が変わるとニュースの見え方がこうも変わる

なのでどうか、石川旅行の際に「せっかくなら温泉も」と思った際はちょっと足を伸ばして和倉温泉まで来ていただきたい…!

間違いなく加賀温泉のほうが利便性は高いんですが、どうかもうひと声北上していただきたい。

今日はその改めてのお願いに参りました。

書いてるうちに自分がどの立場の何目線なのかワケが分からなくなってきたので終わります。

とりあえず次帰ったら総湯入りにいこう。

そんな感じです。



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