バンドという概念の"破壊的イノベーション"になりうるかもしれない『バンドザウルス』に気をつけろ!

『バンドザウルス』というバンドをご存知でしょうか。

具体的な時期の記憶は定かではないんですが、確か今年に入ってほどなくして結成された「バンド」です。

僕は結成当初からこのバンドの活動を追い続けているので全て熟知しているんですが、このバンドのことを噛み砕くにあたってどこからどう説明に手をつけていいかが本当に難しい(かつ煩わしい)。

しかしタイトルにもありますように完全にバンド(バンドに限らずアーティストも含)の破壊的イノベーションになりうる可能性を大いに秘めているこのバンドザウルスに関してそろそろ書いておこうかと思い、重い重い腰を上げて筆を取っています。

ただ、1から100まで全部説明するには相当なボリュームが必要(かつNFT等の部類の受け手のリテラシーも必要)になってくるので、一気に詰め込んじゃうとワケが分からなくなると思うので、できるだけキャッチーな部分だけを抽出して最小限に止めれるようにしたいと思います(頑張って読んでください)。

普段あまり使いませんが小見出しなんかを挟みながらトピックごとに整理していきたいと思います。


・メンバーは全員恐竜である

「ザウルス」の名の通り、バンドザウルスのメンバーは全員恐竜です。
まずここは最低限抑えておいてください。

メンバーが多分既に数千頭居るんですが、バンドザウルスの公式インスタグラムから適当にメンバーのアー写をピックアップしてみます。




こんな感じで間違いなく恐竜です。

他にもたくさんアー写がありますし、毎日毎日メンバーが増えているんで興味がある方はバンドの公式インスタを覗いてみてください。


・ファンのことは「肉」と呼ぶ

この情報は全然どうでもいいっちゃいいんですが、一応説明しておきます。

特にアイドル界隈で多いと思うんですがそのグループのファンの呼称ってあるじゃないですか(関ジャニ∞で言うところのeighterみたいな)。

バンドザウルスのファンのことは「肉」と呼ばれてます。
で、確か特に熱心なファンのことは「ガチ肉」。

そしてバンドザウルスを応援することを「肉活」と呼んでた気がします。

恐竜が生きていくうえで「肉」は必要不可欠なので、お金を落としてくれる存在を「肉」と呼ぶのは至極真っ当だと思います。


ではここから常識もへったくれもない話に突入します。


・結成半年にしてまだ一曲もないのにファン(肉)を既に多数抱えている

バンドザウルスは「バンド」と名乗っておきながらまだオリジナル曲がありません(そもそも作る気もなさそう)。

それどころか楽器を練習したりしてる素振りもまったく見えてきません。

しかしながら先ほどのインスタアカウントに飛んでもらえば分かるんですが、既にフォロワー数は2万人弱いるのでファン(肉)をしっかり抱えています。

毎日のイイねの数もコメント数もしっかり盛り上がっているので、ただフォロワー数が多いだけという状態でもありません。


・一曲もなければ一度もライブしていないのにグッズが完売している

一曲もないということは一度もライブすらしていないということになります。

細かく言うと数ヶ月前に一回だけ何かのイベントに出てた記憶はありますが、確かひと様の曲をガンガン『DJザウルス』が流しながらザウルスが暴れてただけだった気がします。

しかしながらアーティストグッズは既に存在していて、しかも全て完売しています。


バンドのグッズの定番『タオル』が合計900枚全て完売。

5,000円のタオルが900枚売れているという事実は、諸経費をさっ引いてもアーティストにとってどれほどの活動資金が手元に入るかという部分はグッズを作った側からしたら容易に想像できると思います。

もう一度言いますが、一曲もオリジナル曲がなければライブ活動の実態も無いバンドのグッズです。

それが900枚完売しているというのは紛れもない事実です。


・アーティスト写真はガチ肉が全て作っている

バンド(アーティスト)にとって「アーティスト写真(以下アー写)」はマストです。

僕も多々経験ありますが、アー写というのはプロのカメラマンを雇ってスタジオを抑えて…といった感じでその道のプロの方や場所等にしっかり経費と時間をかけて撮影して、そこからレタッチ等していただいて…という工程を踏んでしかるべきものなのですが、バンドザウルスのアー写に関してはファン(特にガチ肉勢)が全て作っています。

AIで。

おそらく無償でしょう。
このアー写を作るというのもひとつの肉活なんだと思います。

なのでバンドがどこで何をしていようと日々新しいアー写が続々とアップされていて、ファン(肉)も次から次と出てくるアー写に日々心を躍らせています。

・個展とか企業案件とかNFTとか

その他にもそのファン(肉)が作ったアー写で個展をやったりとか、アー写のNFTをオークションで出したりとか、数々の企業案件(タイアップ)で企業様からスポンサードしてもらっていたりとか(この辺りを一個一個掘り下げていたらキリがないのでここは駆け足で)……とにかくそんな感じでたくさんの肉代(活動費)を稼ぎに稼ぎまくっています。

何度も言いますがオリジナル曲がなければライブ活動もしていないバンドの話です。


・そろそろ真面目に

「そろそろ真面目に」と書きましたが、別に今まで書いてきたことはふざけてるわけでもなんでもなく全て紛れもない事実ですが、改めてこのムーブメントをちょっと真面目に掘り下げてみたいという話。

未だかつてこんなバンドの活動の形なんかは当然なかったわけで、しかしながら確実に結果を出しています(ファンの獲得と活動資金の稼ぎっぷり)。

ここには僕もこのnoteで何度か話題に挙げてきた「AI」の存在がおもいっきり影響してて、クリエイターはクリエイター、受け手は受け手という完全に分断されていた時代は実はとっくに終わっていて、本当に誰でもクリエイターになれる時代はもう来ています。

その波にいち早く乗ったバンドザウルスは完全に「ファン参加型バンド」になっていて、バンドザウルスのファン(肉)が集まっているコミュニティでは日々ファン(肉)たちが新しいアー写をせっせと作成していますし、それによって公式インスタアカウントの運営も成り立っている。

さらには自分たちでまったく曲を作る気がないバンドザウルスのために、本気の音楽クリエイターが"勝手に"バンドザウルスのオリジナル曲を作っていたりもする。

絵のAIに比べて音楽のAIはまだまだ過渡期だとは思いますが、プロレベルのトラックをAIで誰でも作れるようになるのも時間の問題でしょう。

将棋の世界でいち早くAIの学習能力の尋常じゃない速さを思い知ってるので、本当にもうすぐそこだと思います。

なのでファンがアー写を作り、ファンが曲を作り、ファンがグッズを作り、その素材でタイアップも取れればライブもできちゃうというモデルケースになっているのがバンドザウルスなのであります。

そしてここで一番のポイントが、恐竜であるということ。

ま、言ってしまえば「マスク」なわけです。
(本物の恐竜なわけないじゃない)

すなわち「中身は誰でも成立する」という話。

バンドザウルスの場合、ファン(肉)はそのアイコンに熱狂しているんであって生身の人に熱狂しているということでもない。

この「恐竜(マスク)」というコンセプトがあるので、参加型のハードルが一気に下がって今まで記述してきた活動形態が可能になっているというお見事すぎる立て付け。

彼らが「バンド」と名乗ってる以上紛れもなくバンドですし、これは彼らなりの「バンド活動」です。

「これを"バンド"と言われてたまるか」というお堅い話は置いておいて、テクノロジーと多様性の掛け算が見事にハマっていると思います。

ネタとして捉えておくのはとっても勿体無くて、このバンドザウルスの活動形態をロールモデルにして二番煎じ、三番煎じみたいなグループがもし出てきてさらには一定の結果を残し続け「俺たちはバンドだ!」と言い張られてくると、それは完全に破壊的イノベーションになりうる可能性は大いに秘めています。

しかしながらこのバンドザウルスのプロモーションのやり口は、その気になったら生身の人たちでもあやかれる要素は多分にあるので「なんそれ」みたいに終わらせちゃうととってもとっても勿体無い。

個人的には日々バンドザウルスが次から次へと起こしてくるイノベーションをめちゃくちゃ面白がりながら、オイシイ部分のノウハウはいただいてやろうという感じです(毒肉と呼んでください)。


そんな人が居るかどうか分かりませんがもし居た場合のために最後にひとつ。

「こんなバンドに活躍され続けてたまるか!」みたいなミュージシャンの方が一人でもいらっしゃいましたら朗報です。

彼らは最後のライブを武道館と決めています。
(武道館には絶対に行くと思う)

で、そこで隕石が降ってきて絶滅して終わるそうです。
(解散ではなく絶滅)

なので、早いうちに潰しておきたければ「彼ら目掛けて隕石を降らせれば」問題ありません。

バンドザウルスに生身のバンドマンが対抗する唯一の手段は隕石です。

頑張りましょう。

最後にバンドザウルスが結成して間もなくどこぞの音楽雑誌から受けたインタビュー記事を掲載しておきます。

実にふざけた奴らです。


ではまた。


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