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ピアノ1本で演るということについて

昨日の記事でも触れたんですが改めて今日は「BEST OF LAZWARD PIANO -青い箱-」という32曲入り(2枚組)のアルバムの発売日です。

シンガーソングライターの植田真梨恵さんとLAZWARD PIANO(ラズワルドピアノ)というコンセプトライブを10年間重ねてきたんですが、10周年の区切りのベストアルバムです。

編成としては歌とアコギ+ピアノのみ。

なんでも便利になってるこのご時世に泥臭くほぼ全曲を完全一発録りでレコーディングしました。
(ほんの少しだけ歌とピアノを別で録音した曲がありますがほぼ全て「せーの!」です)

それはそれはレコーディングは壮絶なものでしたが、その辺りもし興味があればこちらを読んでください。
(めちゃくちゃ丁寧にドキュメントされてます)

で、今回少しだけ掘り下げたい部分はピアノで何を表現している(させられている)かという部分。

ラズワルドをずっと追ってきてくれた方からしたら今さら感のある話かもしれませんが、今回ジャケットも2ショットだしクレジットも連名だしで完全にユニットとしてリリースされてる雰囲気が満載ですが、基盤はあくまで「植田真梨恵」というソロアーティストの作品です。

というのは収録されている曲たちは元を辿ればすべて「原曲」が存在する曲たちです(今回1曲だけ新曲がありますが)。

要は彼女のシンガーソングライターの活動の中でしっかりバンドアレンジだったりトラックメイキングされて世に出てる曲たちなわけです。

それを、アコギとピアノだけでセルフカバーしていると言えば一番分かりやすいかもしれません。

なんとなくの肌感ですがドラム、ベース、エレキギターあたりが爆音でバッキバキに鳴ってる曲を、アコギとピアノ(もしくはピアノ1本)で演ると聞いたら「しっとりする」「バラードっぽくなる」というイメージを持たれる方も一定数いらっしゃるんじゃないでしょうか。

いわゆるアコースティックVer.として。

僕が初めて彼女のサポートをするにあたって(もう12年前の話です)、当然CDとしてリリースされてる原曲の音源が資料として送られてきたわけですが、ドラムがバッキバキ鳴っててギターが何本もギャンギャン弾き倒されてる曲が山ほどある。

この曲をアコギとピアノだけでやる。

一体どうやって…?

というところから始まったんです。

で、バンド編成のアレンジをこの音数でやるのなんて無理だからバラードアレンジにしましょう…という流れになると思いきやまったくそうはならなくて。

バンドアレンジの基本形はしっかり踏襲しながらよりパワーアップさせてやろうっていう謎の気合いとアンチテーゼが当時の僕(ら)に沸き起こったのをよく覚えています。

バッキバキのバンドサウンドの曲をアコギとピアノだけで演奏することでショボくなったとも思われたくないし、かといってバラードアレンジに逃げたくもない。

そういう若さ故のちょっとした尖りがラズワルドピアノというものを形成していったように思います。

なのでラズワルドピアノをずっと追ってこられた方は「え?あの曲がこんな風になるの?すげえ!」っていう刺激を何度も味わったことがあると思います。

そこに対しての自負はめちゃくちゃ持ってます。

で、ここまで書いて思ったんですがよく考えたら僕は他の場所でも同じようなことをいつも求められ続けてきた気がします。

ゴリッゴリのバンドサウンドの曲をピアノ1本でやるという無茶振りを幾多のシンガーさんから振られ続けてきました。

「いやいやこんな曲ピアノ1本でどうやって雰囲気出すのよ」って曲も「むぅならいけるかなと思って(ニコッ)」のひと言で丸投げされた記憶も多々。

ちょっと前に書きましたがギターロック全盛期の時代に敢えて歌なしギターなしバンドを組んでみた時もそうですが、「だいたいみんなこうだから」とか「こういうもんだから」的なことにとことん歯向かってきた鍵盤人生だと思います(ギターアンプにキーボード突っ込んだりね)。

年齢やキャリアを重ねたり「仕事」としてクリエイターとして折れる比重もそこそこ増えてきてしまっている中で、このラズワルドピアノってのはその自分の「こういうもんとかそんなん知らんし」っていうギラっとした部分がまだまだしっかり残っているとちゃんと再確認できるコンテンツだと思っています。

そしてそのポテンシャルはとにかくライブで発揮できると思っています。

なので…

その目に焼き付けてもらえればと思います。
(とか言いながらチケット一般発売がまだでリンクが載ってないという始末)

以上、完全なるライブ告知でした。

ではまた。


[P.S.]
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