日記・外で本を読むのにベストな場所
下北沢で用事を済ませ、ついでに読みかけの本を読んでしまいたかったので新宿と逆方向の電車に乗った。電車の中ではなぜか一番読書が捗る。喫茶店やファミレスでもいいけど周りの音に気を取られるのでやはり大体において乗客が黙りこくっている電車がいい。図書館は静かすぎて緊張して私が挙動不審になるのでやはり電車がちょうどいい。
本厚木行き各駅停車に乗る。本厚木まで行ってもよかったけれど思いのほか下りの電車は混んでいて祖師ヶ谷大蔵にいい喫茶店があったなと思い出し祖師ヶ谷大蔵の駅で降りる。が、喫茶店は閉店間際だった。再び小田急線に乗りグーグルで調べると狛江に良さげなカフェがある。狛江で下車し良さげなカフェとチェーン系カフェと迷って結局チェーン系カフェに入る。
読んでいる小説では中学生くらいの女の子が初潮に関する欺瞞のような洗脳のような薄気味悪さ(祝福・赤飯・子供が産めるよ!産めるからには絶対に産もうぜ!)に嫌悪を隠せずにいる描写があり自分は中高生でここまで生理、そしてその先にある生殖について考えたかなと思い出してみる。思い出す限りなんも考えてない。無。アホの無。というか今も考えてない。毎月内壁はがれるの効率悪くないか?血も出るし人体の負担すごいだろ。バグか?くらいの認識しかない。まわりの「産める身体だから産めよ」というプレッシャーに気味悪さと怒りを感じる小説の中の中学生はかなり大人だなと思いながら読み進める。人体のバグと言えば便秘もバグであろう。詰まったら死ぬんだから勝手に出なさいよ、便。
などと考えていたら、隣に座った初老の男性が独り言が多く大変気が散る。ずっとしんどいしんどいと言い回りをきょろきょろ見る男性は徐々に読書のノイズになってきた。さりげなく耳にイヤフォンを差すとこちらを睨みつけて何かつぶやいている。駄目でしたか、イヤフォン。大阪の昔ながらの喫茶店でやはり横に座った中年男性がなんやかんや独り言をつぶやいていたけどあれは完全に空気に溶けてた。他のお客さんも独り言多かったし。突然こっち向いて「なあ!そうやろ?」って言われて「そうですねえ↑(エセ関西弁)」で返してなんとなく和やかに場が収まる。エセ関西弁に激昂されなくてよかった。
東京弁の独り言ってなんか危険をはらんでそうなのはなんで?偏見?
関西の知人は「東京弁はドラマのセリフみたいで冷たくわざとらしく感じる」と言っていた。
しばらくすると隣のしんどいおじさんの反対側の女性は席を立って行ってしまった。ああターゲットが私一人になってしまう。私の外見がいかつかったら。シティーハンターの海坊主みたいだったらこんなことにならないのに。外を歩く時はいつもシティーハンターの海坊主をまとえたらいいのに。私はシティーハンターの海坊主になりたい。
読書に集中できず急いで珈琲を流しこんで店を出る。良さげなカフェに行っとけばよかった。でもチェーン店のふところは広い。私のようにおしゃれな店にひるむ者もしんどいおじさんもあらゆる者たちをひとところに飲み込むのでカオスな事態もやむなし。
狛江の駅構内に広い待合スペースがあったのでそこでしばらく本を読み新宿行きの電車内で一冊読み切った。
アタリの喫茶店で読書してふと本を読むのをやめて考えをまとめたり、特になにも考えなかったりしてぼーっと壁を見つめていたい。家で読めよ、という意見もある。でも外のほどよい緊張感と、家の雑事やらなんやらがなく読書に集中できる幸せってもんがいいんでさあ。
次はアタリの喫茶店でかならずや読書の合間にぼーっとする至福を手に入れる。
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