西繭香

フリーライターやってます。自己PRが一生苦手です。このnoteでは、書きたいことを書き…

西繭香

フリーライターやってます。自己PRが一生苦手です。このnoteでは、書きたいことを書きたいように書いています。コラム形式だったり、短編小説だったり。どうなっていくかは分かりませんが、生まれるものをそのままに表現したいです。足掻いています。よければTwitterも来てください。

最近の記事

【短編小説】ピンク ②-カレシ-

「ピンク」全5本予定短編集の2本目です。前作はこちら→①「-宝石-」 ーーーーーーーーーー “もずく”とか“たらこ”とかと同じイントネーションの、「カレシ」って言葉が嫌いだった。友達はみんな二次成長期のホルモンバランスに振り回されて、男子をまるで付属品みたいに扱う。「カレシ」がほしい、「カレシ」ができた、「カレシ」がいて羨ましいな。 彼氏と「カレシ」は違う言葉だ。人として扱っているか、そうでないかの差がある。「カレシ」はステータスであり記号で、私たちの小さなコミュニティ

    • 【短編小説】ピンク ①-宝石-

      エスカレーターを登り切ると、ピンクや薄紫、パステルブルーにレモンイエロー、カラフルな色が視界一杯に広がった。ショッピングセンター2階の一番目立つところの棚一面に、新品のランドセルが陳列されている。羽根のような繊細な模様が目にとまり、蛍光灯の強い光に反射する宝石の光から目が離せない。 「どれがいい?」 「へー、たくさんあるんだな。好きなものを選びなさい。」 両親の言葉にうなずき、宝石に近づいていく。ハート型の金具の真ん中で輝く宝石は、ピンクがかっていて近くで見てもきれいだっ

      • 【短編小説】「正解」

        幼いころ、世の中には「正解」があふれていた。テレビや広告に書いてあること、先生や大人のいうことは完成形であって、正しい。同級生も、みんななにかの「正解」を持っていて、それが目ではっきり見えているのだと思っていた。 わたしにはその「正解」が見えなかった。他人には見えているはずだから、みんなが持っている共通の「正解」を回答しないと、のけ者にされてしまう。回答権が回ってくる。わたしは答えられない。すると、どこからか誰かが「正解」を回答する。それは「正解」が見えているすべての人たち

        • 【一週間連続投稿企画感想】7日間でわたしができた

          よーし!7日連続投稿企画、終了です。ライターがこぞってやってるnote、ずーっと「いいなあ」「やりたいなあ」と思いつつ謎のハードルの高さを感じ二の足を踏んでおりましたが、これで私もやっとnoteをやってるライターになれました。なれましたか?なれてますか?なんかnoteってキラキラしてるイメージあって一生自信もてない。 1.書くはなし 2.ラメのはなし 3.セクシャリティのはなし 4.『攻×受』で決まるカプ名ってもうダサくない?あとエゴサこわいってはなし 5.それはそれとして

        【短編小説】ピンク ②-カレシ-

          やさしいことばのはなし

          「いいひと」だから幸せになれる訳ではないことを、私はよく知っている。 やさしさ や 純粋さ は時にその人の足を引っ張る。正確には、やさしさ や 純粋さ を持った人間は、それらを持たない人間の中で有利に立てないのだ。それらを持たない人間が悪い訳ではない。それも、私は知っている。 幸不幸は個人の感じ方によって決まり、個人の感じ方は自分や他人に強制されない。たったひとつ「自分」という存在だけが、自分を幸せにも不幸にもできる。 それでも人の痛みに想像力を広げて、より多くの人の幸

          やさしいことばのはなし

          HSPのかなしみのはなし

          人間は、それほど物事を深く多角的に考えないという、どれだけ経っても上手に信じられない事実を、わたしたちは定期的に思い出さなけなればならない。 人間は、簡単に他人の大切な物を否定する。それを大切だと思っている人の存在に思い至らず、自分の直感的な好き嫌いで、無邪気に刃物を振り下ろす。傷つけられた人の主張を聞いたとしても、罪悪感を持つことはない。 人は人の悪口をいうし、それはいつの時代も事実だ。言う人も、言われる人も、それを聞いている人も、それほどこころが動いておらず、傷ついて

          HSPのかなしみのはなし

          それはそれとして、推しカプ結婚しますように

          西繭香28歳、某男性声優、推して生きてます。巨大感情が重すぎて絶対に推しの名前は出せません。正直、なんで推しを推し始めたのか、推しの陽の気でホワイトアウトして記憶にない。 いや私もね、腐女子として十うん年生きてきて、よもや3次元で生きている推しができるとは、思ってもみなかった。3次元の人間なんて新陳代謝してる時点で2次元には勝てないと思ってたし、3次元には推しなんて一生できないと思ってたんだよね。 ところが人生の妙。出会っちゃったんだわ、ある日突然。しかも、推しカプもでき

          それはそれとして、推しカプ結婚しますように

          『攻×受』で決まるカプ名ってもうダサくない?あとエゴサこわいってはなし

          『カップリング名=推しの2人を指す言葉』以外の何物でもなくて、カップリング名によってセックスを連想するっていうこと自体、もう古いんじゃないか?っていう話なんだけどね。 カップリングの左右、そんなもんはどーーっちでもいいんです。そもそも我々部外者にセックスの攻受を決定する権利は微塵もないし、我々の得意技『妄想』の中で例え推しカプの同棲部屋のカーテンとしてその生を受けたとしても、その記憶という名の邪推を脳内に留め置けない者は1からやり直しです。中村明日美子先生の本を並べて義務教

          『攻×受』で決まるカプ名ってもうダサくない?あとエゴサこわいってはなし

          セクシャリティのはなし

          なんなら男だけしか出来ない格好も、女だけしか出来ない格好もないんでは?と思ってる。男と女で格好を分けるなんてそんなくだらないこと気にしないで、好きな格好すれば?って気持ち。でも、「女装」とか「男装」って言葉があるのも知ってるし、自分の体と違う性別の服装が珍しく思われることがあるのも知っている。 『自分の体が女であることに違和感はない。でも他人に女扱いされることや、自分を「女」と言うことには微妙な違和感がある。でも男の格好をしたい訳でもないし、男になりたい訳でもない。だから「

          セクシャリティのはなし

          ラメのはなし

          ラメは私を強くする。大粒でキラキラしたラメ、細かくてよく光るラメ、どちらも捨てがたいけれど、私はより派手で目で見て分かりやすいラメが好きだ。キラキラしていればしているほど、それは私の中でイコールして「強さ」の度合いになる。 ぴかぴかのハイライト、大粒ラメのアイシャドウ、まつげにつける銀色のラメ、ディオールのピンクのグロスに入った青っぽく輝く細かいラメなんかは、私の中の四天王だ。これは強い、なにせ四天王だ。 ただ他人がつけているラメは「素敵」なだけで強さではない。「今日のメ

          ラメのはなし

          書くはなし

          なぜ文章を書くのかって?そんなん「趣味だから」だ。とくに大それた理由はない。今もこうして、気持ちよく風呂に浸かっていたかと思いきやふと降りてきたこのような主義出張を一言一句忘れる前に書き出しておきたいと、リビングで裸にバスタオルひかっけて書いている。今は季節が夏頃だから良いものの、冬場にやるとたまらない。でもこの年がら年中やってくる「趣味」の発作に、季節はかまっちゃくれないのだ。 さっきは風呂場でなにかとてつもなく素晴らしく面白い話を、2本思いついたはずだ。その1本がこれ。

          書くはなし