柔道大会(3)

1回目の試合は同じクラスの子と。私は平均くらいの身長しかないけど、その子は170cmと高身長。その分力も強くて、振り回されるのを耐えては振り回されの繰り返し。技かけないと指導がくるので必死にかけようと押したり引いたりするけど全く動じず。私から技をかけるのは難しいと考え、相手に技をかけられたときに少し力を弱めることに。何度か技をかけられ、その度に途中まで弱く耐えて、途中から避けるのを繰り返し、かけ返すタイミングをずっと伺っていました。残り1分をきった頃、ここだ!今だ!相手がかけてきたのを、かけられるふりをしながら、左に大きく引っ張り大外刈で返しました。1本勝ち。
体力がない私はヘトヘトでした。2試合挟んですぐに試合。試合前は他の子の試合を見たいと考えていたけれど、そんな暇全くなかったです。椅子2つに寝転びお茶を飲みながら深呼吸を繰り返していました。試合の進行が速く3分後にはもう私の試合でした。
2回戦は4組の子。私より10cmほど高く運動神経抜群の子です。その子も全く動きませんでした。相手のバランスを崩すことをあまりせず、結構力業で行く感じの子でした。さっきと同じ作戦でいこうと思いタイミングを伺っていました。今だと思った時、力一杯大外刈をかけたけど、1本はとれず技ありでした。そこから相手がどんどん力業になっていきました。畳の外にとばされるのではと思うくらい振り回されました。そして遠心力を使って膝車を幾度となくかけられました。でも振り回す力が強すぎたのか倒れながらも回転したので、毎回背中をつくことなくお腹から畳に落ちました。背中からついて受身とった方が痛くなかったと思うけど、それだと負けるので私も意地でお腹からつきました。相手は凄かったです。すぐに絞め技の体勢に入り何度も絞められました。ただ、幸い絞め技を授業で2回しかしてなかったので、あまりかかってませんでした。私もなんとなく避ける方法を理解していたので大丈夫でした。私はかけられてる振りして動くことなく休憩してました。まぁすぐに止めって言われましたが。そんなこんなしてるうちに試合が終わりました。技ありでなんとか勝てました。この時点で他の子の試合の関係でブロックの中で1位は確定しました。ただ、疲れすぎて、良かったとか考える暇なく椅子に倒れ込みました。10分ほどたちましたが全然私の体力は回復しませんでした。
準決勝は相手のブロック2位の子と。7組の子で、練習では勝てていたので心に余裕がありました。ただ試合が始まってすぐ、その余裕は崩れました。相手の体勢が普段より低く足が後ろにありすぎて届きませんでした。何度か技をかけようとしたけど全然届かなかったので体力消耗をさけ、あまり攻めないようにしました。相手も全然技をかけてきませんでしたが、何もしなくては判定で勝てる保証はありません。考えた結果、相手の指導をとりにいくことにしました。相手の逃げ腰の体勢を利用したのです。体力のことも考えて手はほとんど力をかけず、ひたすら足を伸ばして、技をかけにいきました。もし足が届いても相手のバランスを崩してないので技がかかることはないと思いますが。私の予想通りでした。相手はずっと逃げ腰で、どんどん後ろに下がっていきました。そして審判はすぐに指導を相手に与えました。こっからは、ひたすら相手の技に耐えました。そして、試合が終わり指導の差で勝ちました。本当は指導の差とかダサいのではなく1本で綺麗に華麗に勝ちたかったけど、決勝に体力を残すことも考えると仕方のない判断だったと思います。すぐに椅子に倒れ込むと、5分後に決勝するしねと先生に言われました。この時ほどスケジュールが鬼畜だと思ったことはありません。あっという間でした。すぐに先生に呼ばれ、ゆっくり柔道着を直しながら畳まで行きました。今まで男子に見られてなかったけど、男子は丁度決勝前の休憩に入ったとこだったので私のクラスの全員、相手の子のクラス(7組)の全員、私のクラスの男子と決勝で戦ったクラスの計3クラスの子が女子の決勝を見ていました。でも不思議と緊張はなかったです。多分疲れすぎて、そんなこと考える暇なかったんだと思います。私の最後の勝負が始まりました。
1度も勝ったことのない子との対戦。何度も対戦し毎回シミュレーションしても勝てなかった相手。正直怯んでいました。けど、絶対に勝つ。応援してくれてる子のためにも、こんな私に出ようと声をかけてくれた子のためにも負けるわけにはいかない。強い気持ちが心の中に、優勝する光景が頭の中にくっきりと刻まれていました。前の試合が終わったあと、私は疲れながらも作戦を考えていました。体力は底をついていました。時間がたてば疲れて絶対に負ける確率が高くなる。だから、さっさと終わらせる。試合が始まり、自分から攻めていく強い気持ちで技をかけにいこうとしましたが、体は全くついてきてくれませんでした。この段階で攻めていくのは諦めました笑。結局相手がかけてくるのを返すことに。でも、タイミングを見計らうのはやめよう。相手がかけてきたら1発でかけ返し1本とる。そう考えたとき、相手がかけてきました。頭は全く動いてなかったです。ただ体はしっかり動いていました。気が付けば相手は受身をとっていました。私の技術が勝ったのではないと思います。私の絶対勝つという強い意識が勝ったのです。
勝って畳からおりた時、本当はめっちゃ嬉しかったです。でも結局疲れすぎてすぐ椅子に倒れ混みました笑

柔道大会に誘ってくれた子、一緒に参加してくれた友達、応援してくれたクラスの子、熱心に教えて下さった先生方、みんなに本当に感謝です。
みんながいてくれたからこその優勝です!
本当にありがとうございました。