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雑食している好きな本

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影響を受けたり、実生活で役に立った本からのエッセイです。
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記事一覧

村上春樹さん「街とその不確かな壁」- 現実とあちらの世界の壁を抜けて

村上春樹さんの待望の新刊を読みました。 第一印象は、「世界の終わりとハードボイルドワンダ…

シャーロットのおくりもの

子供の頃読んだ物語というのは、記憶の中のだいじな引き出しにしまわれている気がします。 こ…

「私の名前はルーシー•バートン」を読んで

「私」が長期の入院をした時に、母親が訪ねてきた思い出から始まる物語。 「私」のあいまいな…

カズオ イシグロ 「クララとお日さま」

ノーベル賞作家のこの小説、やっと読みました! 同作家の「わたしを離さないで」は、クローン…

エリザベス ギルバート「食べて、祈って、恋をして」

気になっていたこの小説をついに読みました。 離婚後 抑うつに悩まされ、ボロボロになった作…

梨木香歩「裏庭」の傷と癒し

こちらは、古い屋敷にある、秘密の裏庭に迷い込んだ少女の冒険の物語。 私は美味しい水をごく…

松谷みよ子「モモちゃんとプー」

子供の時に読んだ児童書を、今読み返すと懐かしいと共に当時の感覚が戻ってくるようです。 この本はモモちゃんシリーズの2作目。 久しぶりに読みたくなり、図書館で借りてきました。 小さいモモちゃんの3歳から小学校へ上がる直前までのお話しです。 モモちゃんと黒猫のプーの可愛さったら!!読んでいてニコニコしてしまいます。 子供の頃の私には、ママの暖かくて甘い匂いを感じる本でした。 自分の母親と比べて、ちょっぴり羨ましかったのかも。 今、改めて読み直してみると、モモちゃんやプーが現

梨木香歩「不思議な羅針盤」

書店でふと目に止まったこの本。 買って読み進めていくうちに、以前読んだことのあるエッセイ…

朽木祥「引き出しの中の家」

この本を読んで、以前記事に書いたこちらの物語を思い出しました。 主人公の女の子(この物語…

ルーマー•ゴッテン作「人形の家」を読んで

70年ほど前に書かれたイギリスの児童小説「人形の家」を読みました。 こちらは、イプセンの小…

エジプトのミイラ
アリキ 文と絵 

図書館で借りてきた絵本。

私達は死を通して、スピリチュアルや宇宙に目覚めるのかもしれない。
エジプトでミイラを作る時に生まれた沢山の絵や文章やアクセサリーは美しくて魅力的。

アクセサリーやアートは死への畏怖から生まれているのかもしれない。

川上弘美「水声」

川上さんの小説は、平凡そうな生活の中の非凡が描かれていて、その対照に味わいがある。
普通にみえる人々の人生の中にも、色々な秘密があって、それは外の世界に出てきていないだけなんだろうなー、と思う。
道ゆく人々の中にも、普通、に当てはまる人生はないのかもしれない。

ルシア•ベルリン
「掃除婦のための手引き書」

ロックな自分が求める文体。ヤク中、アル中、ドロップアウトした人々をまっすぐ描けるのは、作者もそうだったからなのか?
諦めの人生の中にも、キラッと光る何かがある。
表紙の写真は作者自身らしい。美人!

梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」を読んで

本屋さんに行くと、ふと目に留まる本があります。この本の存在は知っていたけど、先日初めて読んでみようと思いました。 主人公は中学生になってから、学校へ行くのが嫌になってしまった女の子、"まい"。学校にいけなくなったまいは、母親の計らいで、イギリス人で日本に移住したおばあちゃんのところに預けられます。(つまり、まいはクォーターのようです) おばあちゃんは自然と共存して生きているような人で、庭にはハーブが植えられていてそれを料理に使ったり、ノイチゴを摘んでジャムを作ったりして暮