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『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』@Bunkamura Le Cinéma(渋谷駅前移転中)

クリスマス休暇の寄宿舎に取り残された、頭は良いがネグレクト気味でひねくれ者の少年、偏屈で変わり者な古典教師、息子が戦死したものの気丈に振る舞う食堂のおばちゃん。世代もバックグラウンドも異なる3人が、それぞれの心の傷が故に時にぶつかり、時に寄り添いながらも紡ぎ上げてゆく物語は、観ている者の心にじわじわと沁みてゆく。まるでメローなワインを味わっているかのように…(あたし自身はお酒に強くはないですが)

ボンネットで作る大人のデザートなど印象的なシーンは数あるけれど(Mr. Motoと呼びかけるアジア系少年との絡みも良い)、部屋を抜け出した少年が奏でるジムノペディが、なかなか繊細で美しい。2週間の「置いてけぼりホリディ」の間に、少年が他人の痛みを理解する(しようとする)青年へと成長してゆく様が眩しい。

人生の中で何処で誰と出会い、お互いがどう向き合うか…全ては運とタイミング。同じアレクサンダー・ペイン監督の『サイドウェイ』でも、不器用な変わり者を演じたポール・ジアマッティの安定感。揺れ動く少年の心を等身大で表現した、ドミニク・セッサのウルフ千代の富士(又はデビュー時の柳楽優弥)のような眼差し。豪快だが目で全てを語るおばちゃん役のダヴァイン・ジョイ・ランドルフは、今年のアカデミー賞助演女優賞を受賞した。ノスタルジックで普遍的なテーマを持つ、新たな良作👍👍

【追記】冒頭でこの少年が、荷物を傍に「セントキッツでナンパするぜ〜!」的にイキッているシーンがありました。(実際は母親の所に帰省する予定だったのだけど、直前になって母親には再婚相手とバカンスに出かけるから寄宿舎に居てね、とつれなくされてしまう。)

セントキッツ?もしや、、??
私ごとですが父の遺品整理のさなか、コレクションしていた切手もどうにかせねばならず、しかもアルバムに収めていないバラ切手が大量にあり、あまりにもグチャグチャ(この辺り遺伝しているので尚更恥ずかしい😅)。買取業者の福ちゃんに来て貰う前に、せめて国別にでも整理しておこう、とやり始めた所、、📱片手に三日三晩、沼にハマって抜け出せなくなったのでした、、世界には国が多すぎる💦
その中にエリザベス女王シリーズもかなりあり、これは当然イギリス🇬🇧やねと手に取ると、いやイギリスだけでは無い!要は植民地各地でもエリザベス柄が使われているんですね。だからアフリカあり、カリブあり、オセアニアあり、そこには数えきれない程の島国がある、、
モーリシャス?ソマリランド?マラヤ?何処それ🌀⁉️(地理音痴)

その中に、セントクリストファー・ネイビス連邦(セントキッツ島&ネイビス島、Federation of Saint Christopher/Kitts and Nevis)というのがあって、もちろんこれも何処やねーん!状態。カリブにあるイギリス連邦加盟国らしい。映画のそのシーンを観ながら、ああきっと、新島(バブル時代の)みたいに若者が盛り上がるリゾート地なんだろうなー、と思ったのでした😅

(それにしてもエリザベスもかなり罪深いんやな…あと同様の理由でナポレオン柄の切手も多かった…)

ついでに渋谷… 左上から時計回りに…元 東急百貨店東横店(渋谷駅前)、ハチ公交差点から駅方向、元 東急百貨店本店(暫く見ないうちに解体済)、そして都知事選投票を呼びかけるハチ公🐕

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