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写真展「日々の気配」を終えて

2020年10月21日〜11月4日の期間に開催した「本屋と活版印刷所の屋根裏」での錦戸俊康 写真展「日々の気配」について振り返る。

今回の展示は天草に住む陶芸家・木ユウコ(しげゆうこ)さんからの撮影依頼が始まりだった。依頼内容は岡山にて開催する木さんの個展に合わせて写真冊子を作りたいとのことで、何日かにかけて上天草市大矢野にある木さんの工房へ通い制作風景を撮影させてもらう。元々、お互いの家族同士の仲も良く、木さん家族の節目の写真撮影の依頼も受けていたりもしているので、緊張した距離感は初日だけで、残りの日程は穏やかに進行し冊子を制作。無事に岡山の個展での冊子販売に漕ぎ着けることができた。その写真達を天草でも展示したいと思い、連続展の第4回に「日々の気配」を開催することにした。

展示の前日に搬入開始。今回は壁面に2×4材で棚の様に段をつけて木製のフレームを立て掛ける展示にした。屋根裏オーナー・ダイスケさんが今回も展示搬入の諸々に尽力してくださった。いつもありがとうございます。

期間はいつもより長めの二週間。最初の土曜日に恒例の寝るまで在廊。

終わり際、中々に愉快な旅人が登場し不思議な展開となった。お湯割りをガブガブ飲んで一番先に寝つぶれ、本当に寝るまでの在廊だった自分がいる。

展示期間中の10月31日より天草市民センターでは毎年開催されているイベント「アマクサローネ」と「天草大陶磁器展」もスタート。このイベントの実行委員でもあり出展もしているので会場設営や記録撮影ととにかく忙しい日々だった。こちらの展示では昨年出版した写真集『LOVE THY NEIGHBORS』より「天草」と「陶芸家」の作品を選び組んだ写真群を展示。多くの方々に写真を見てもらうことができてとても嬉しい。この展示の最中に、また新たな構想がじんわりと浮かんできた。来年のアマクサローネで発表できる様に努めよう。

アマクサローネの会場から「本屋と活版印刷所の屋根裏」へ立ち寄る日々。こんなに慌ただしくなるとは想像以上だった。天草大陶磁器展が開催されているので陶芸関連の方々やアマクサローネでお知らせをした方々が沢山いらしてくれた。今回の被写体である木ユウコさんご本人もご来場くださり嬉しい限りである。

段々と天草も寒くなってきた。本屋と活版印刷所の屋根裏には何とも素敵なストーブが登場。屋根裏猫達の憩いの場となるのだろう。点火式に立ち会えなかったのが無念である。

写真展「日々の気配」はアマクサローネと同じ日に最終日を迎える。アマクサローネ会場を片付けた後に少しでも在廊しようと屋根裏へ。

有難いことにお客さんも続々。午前10時より夜0時まで開いているので毎回来てくださる方も多くとても嬉しい。

今は自身の周囲をなんでも作品として撮影したいと日々臨んでいる私だが、木さんもその被写体のひとりである。今回は被写体からとはいえ、撮影を依頼された側であり、自身の為だけの写真ではない。少し前までの私なら「作品」と「仕事」の間には大きな溝のようなものがあり、全く別の考え方をするようにしていた。作品展示として発表するとは思いもしなかっただろう。最近では、全てがそうだとは言えないが作品と仕事の隔たりが薄くなってきた様に感じる。
冊子のタイトルは木さんの言葉で「日々の気配」となった。この言葉を聞いたときに、私が日々撮影をする中で感じているものを表す言葉のひとつでもあるとやけに腑に落ちた。

遠方よりの注文もあり、写真冊子「日々の気配」の私の手持ち分は残り3冊となった。展示開始の頃は買ってもらえるだろうかと不安だったが、冊数が少なくなるにつれて少し寂しく感じてもいる。毎回色々な出来事が起きるけれど、また本を作りたいと改めて思う。

「日々の気配」展にお越しくださいました皆さま、ご来場ありがとうございます!また今月も本屋と活版印刷所の屋根裏にて写真展を開催いたします。

【次回写真展のお知らせ】

錦戸俊康 写真展
「ご近所論」

本屋と活版印刷所の屋根裏にて開催する、錦戸俊康 写真展、第5弾となります。どうぞご高覧ください。錦戸の住む天草郡苓北町都呂々を撮影した写真作品を展示します。

会期:2020.11.18水~11.25水  入場無料
開場:午前10時~寝るまで
会場:本屋と活版印刷所の屋根裏
住所:863-0023
熊本県天草市中央新町19-1  本屋と活版印刷所 2F ※建物裏に駐車場あり

在廊日は錦戸のSNSでお知らせいたします。こちらの古書店さんではホット・アイスコーヒーが注文できます。

@noyaneura
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