ポール・ゴダードさんのこと

日本語にしたら「ナニワ打楽団」という感じになるんでしょうか。
「アトランタ・リズム・セクション」というアメリカ南部のバンドがあります。
その元ベーシストのポール・ゴダードさんは、丸々太った肥満体で、伸ばしっぱなしのロン毛に瓶底眼鏡という風体でして、まあ典型的なアキバのカメコそのもの。




しかし、この人はとんでもないロックを感じる音を奏でるのであります。
雷鳴みたいなゴロゴロとした硬質の音を基本に、お腹にずしりと来る重低音も出すという、素晴らしいベーシストなのです
ローリング・ストーン誌のライブパフォーマンスランキングで、ポールゴダードさんのベースプレイがランクインした音源です。
中盤のベースソロが「ふざけんなよ!」っていう気持ちをガンガンだしていています。

https://www.youtube.com/watch?v=2HLI3ttX_v8&list=OLAK5uy_ncfjnogOwKrgXM7OF2XEbGA3HrgvxzIfg&index=10

バンドはその名前からして、アメリカ南部の泥臭いイメージむんむんの曲をやるかと思いきや(やるけど)、「ソーイントゥユー」や「スプーキー」など、映画やCMで使われた情緒あふれる名曲を遺しています。
メンバーは皆、スタジオミュージシャンで、腕は一流なので、時代的な音楽の流行には当然のように乗れるのですが、そこは置いといてサザンロックで行くぜ!という気概溢れた方々だというのも、グッとくるのです。

https://www.youtube.com/watch?v=QyIZ3pYKOQM


彼らを知ったのは、ボクが高校生の頃、地元の江ノ島で「ジャパンジャム」というフェスが開かれた際に、当時人気絶頂のチープトリックと共に、ステージに立った時でした。
なんで日本では全く無名だったアトランタ・リズム・セクションを招いたのかと考えると、日本側のメインアクトだったサザンオールスターズの桑田さんが、おねだりしたんじゃないかな?と想像してしまいます。
アメリカでは単体で何万人も集めるアトランタ・リズム・セクションなんですけど、日本では、このくっさいおっさん外国人バンドはなんですか?という観客全員ぽか~ん状態でした。

今は、デジタルの打ち込み全盛時代です。ボクは80年代後半からのハウスやテクノの黎明期から知っているので嫌いではないのですが、キース・リチャーズが言うように「全部同じじゃん」っていうのもわかります。
音楽の本質的な「盛り上がり感」って、楽器を奏でる人間同士のエネルギーだと思います。

ポール・ゴダードさんは、色々あってバンドを辞めた後、ストリートで演奏をしていたそうで、それが大好きだったと語ってたそうです。カッコいいなあ。

2014年 逝去 ありがとう御座いました。
今でも聴いてますよ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?