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スタジオ台本の書き方 その1


ナンシー関さんは
「バラエティとは大勢の出演者が四方八方やたら動いているものである」
と至言を遺されています。

また、あの萩本欽一さんは
「座ってるだけの番組は絶対15%は取れない」と仰っている。

つまり、スタジオ収録の台本のキモは如何に出演者を動かす事でなのです。

その昔、予算が潤沢にあった頃には、2時間の生放送で司会2人にタレントさん10人くらいでワチャワチャやるという番組が沢山ございました。

芸人さん5人に自転車漕がせて発電しながらその明かりで、石塚さんと大食いタレントが
爆盛りラーメンを食べて、誰が一番早いか?
とか、
後ろ歩きで腰痛が治るかどうか?脇にボールを挟むと汗をかかない?
顔のむくみは寝そべって手足をやたら動かすと取れる?というスタジオ実験を同時にやったりとか、
今考えても、頭がおかしい台本を書いておりました。

そんなものでも、事前にセリフと動きは想定で台本上作っておいて、
それに合わせてディレクターがカメラで撮る順番、画角を割り振って、カメラマン、スイッチャー、音声、照明さん等と、技術的にきちんと映像が撮れるように打ち合わせをします。
大人が20人ほどで、ああだこうだと火の出るような打ち合わせをする基礎となるのが、スタジオ台本です。
つまり、技術さんがやりやすい台本を書かなくちゃなのです。

こんなので撮れると思う?素人が書いたの?

で、どう書くかと言うと、
司会はメインとアシスタントの2人でMC席からは動かない。
コーナーの内容説明と進行はアシスタント、メインはタレントいじり、を基本に書き始めます。
それぞれのタレントさんのリアクションの強弱により、上手から下手まで並ぶ順番を考えます。

大西ライオンは「心配ないさ―!」しか使わないと。。。

15分の尺でやるなら、均等かつ進行がわかりやすいように、司会のフリを作ります。
メインMCの煽りで、こう動くだろうという想定で、タレントさんごとにフリを割り振って行きます。
そこで考えなくちゃが、1カメさんがタレントさんを撮った直後は、
3カメさんが撮りやすい位置にいるタレントさんにフリを作らなくちゃいけない、
2カメさんはMCが何かリアクションした時に用に動かさない。
と場面ごとに、画が撮れやすいよう台詞を割り振る事になります。

とはいえ、どうせその通りにいかず、シッチャカメッチャカになるので、

アシスタントに「いまスタジオは大変な状況になっております」的なセリフを仕込んでおけば、
クレーンカメラが全体の引き画を撮ってくれて、視聴者にわかりやすくなるので、適宜書いておくと。

クレーンは山田さん?じゃあ大丈夫だ!

とまあ、スタジオ台本は設計図のように書かなくちゃいけないのです。

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