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懐かしのテレビ用原稿用紙。

PC以前は、写真のテレビ用原稿用紙(通称テレ原)に、鉛筆で台本を書きこんでおりました。
下部にはセリフ。上部の余白にはタレントさんの動きを書き、
草稿をFAXで演出に送り、直し指示を受けて修正
OKが出ると製本に出すという流れです。

駆け出しの頃、先輩放送作家さんが「書きすぎて腱鞘炎になった」と仰ってるのを聴いて、んな事あるかい!と思っていましたが、
なるもんです。

番組を多く頂くようになりますと、
年末年始、春秋の改編期には、レギュラーに加えて特番も加わって来ます。
すると、企画書、ロケ台本、スタジオ台本、ナレーション原稿と毎日書かなくてはならずで、
ひどい時は一晩で200枚近く原稿を書くので、そりゃ腱鞘炎にもなります。

昼は会議か打ち合わせ、収録にも顔を出し、
夜は編集所で、原稿を書くという日々が続きます。(家だと寝るから)

夜半にADさんが
「コンビニでなんか買ってきましょうか?」と聞いてくれると

「イカしたお姉ちゃんと眠くならないやばい薬買ってきて!」

「かしこまりです!」
 
「今日はレースクイーンと○醒剤、売り切れてました!」

「ちっくしょー―!」

というマギー一門×コウメ太夫のようなお約束合戦をしたもんです。

そうなると、当然、筆圧がなくなり字がミミズのようにのたくるわけです。
ですので、各制作会社には「解読班」と呼ばれるAD,APさんが、
常にスタンバイしておりまして、
作家から送られてくる汚字原稿を清書していました。

実は、手書き、解読、清書、FAX、印刷という手順が多い分、
昔のほうが〆切に余裕がある制作進行でした。

今はネットのお陰で制作陣のギリギリまで粘る余地が増え、作家の書く時間が削られるうえ、ワードなので誰がどう原稿いじったか分かりにくい事この上ないと。
で、結果コピペの集大成みたいな原稿が採用されちゃう。

手書きのテレ原ならすぐわかるのになあ、って思います。
知らんけど。

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