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美酒鍋の再現

広島で記録した写真を手がかりに、僕はかなり前の事を思い出していた。

 西条で美酒鍋を頂いた後、賀茂鶴酒造さまのお蔵を拝見したり資料館で歴史を学んだりした。



 そして美酒鍋の味を忘れないうちに、まさに今!自宅でその再現をしてみるのだ。

 しかし集中するほどに浮かんでくるのは、宮島で食べた『牡蠣オイル漬 もみじまんじゅう』の味であったりする。



 僕はもう一度、西条駅から広がる蔵の街並みを想い出してみる。

 そう!美酒鍋は蔵元ならではの大胆な『まかない料理』。

 この場合『調味料としての日本酒』というより『日本酒出汁のスープ』といった方が正解に近い。

 さぁもう一度、あの味を想い出してみよう。
 そうだ、美酒鍋を水彩画に喩えてみるのがいい。

 日本酒は作品全体に濃淡であったり、色同士を緩やかにつなぎ合わせる、いわば水のような役割をする。

 『旨味の濃淡』『素材同士のかけはし』
 そんなイメージで僕は、再びニンニクと鶏肉を炒め始める。



 しかし、浮かんできたのは三原駅前で食べた『タコ入もみじまんじゅう』の味だったりした。

 なんか奇抜って、すごいと思った。

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