【ひやおろし】と【秋あがり】
今時期『ひやおろし』や『秋あがり』と記された日本酒が酒屋さんに並んでいる。
『ひやおろし』
『ひや』は春や秋の常温で
『おろし』は(夏越しした)酒蔵の貯蔵タンクのお酒を出して酒質を確認すること。
その昔は、冷蔵環境もなく春までに搾り終えたお酒入りの大桶やタンクを細菌汚染を防ぐべく厳重に封印する。
少しでも管理が良くないと秋に出荷される酒が過熟になっていたり最悪は腐造の危険に晒される。
蔵元にとって、それが何より恐ろしい。
貴重なお米を使用した酒の価値が上がるか下がるのか、緊張感に満ちた勝負の瞬間だ。
結果が良ければ、その酒は『秋あがり』となって晴れて出荷される。それは蔵元にとって大いなる喜び。
そんな酒蔵の緊張感や心意気を想像して伝統の風物詩『ひやおろし』のまろやかな味わいを愉しんで頂きたい。
秋は、杜氏にとって大きな腕の見せどころ。そして日本酒最大の旬なのである。
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