ゲームとことば#77「エメラルドヴィジョン」
昨日4/25に発売したサガシリーズ最新作『サガ エメラルドビヨンド』。
前作『スカーレットグレイス』から約7年ぶりの本作は、エメラルドグリーンをイメージカラーに登場した。
体験版含めまだ数時間しかプレイしていないが、シリーズらしい一筋縄ではいかないシステムと、魔女っ子やメカなど多彩なキャラクターデザインがプレイ意欲を掻き立てる。
発売から間もないため、シナリオのネタバレをせずに感想を述べたい。
本作の特徴的なシステムは、プレイヤーを導く線「エメラルドヴィジョン」と戦闘画面下部に表示される「タイムライン」だろう。
どちらもビジュアルで直感的に把握しやすいシステムだ。緑色なので目にもやさしい気がする。
「エメラルドヴィジョン」はプレイヤーを目的地へと誘導する光の線なのだが、複数あらわれることもあるので、選んで進んでいくというイメージだ。
周回プレイ前提のゲームなのでその都度選択肢を変えて違いを楽しめる。
「タイムライン」はおなじみの「連携」を、視覚的にわかりやすくしてくれるシステム。
「誰にどの技を使わせるかで連携の可否がわかる」というだけでなく、「敵の連携を防ぐために間に割って入り邪魔をする」という使い方もできるのだ。
本作は、これらのシステムによってビジュアルでわかりやすくしよう、という工夫が感じられる。
システムをビジュアルで表現するとプレイヤーは理解しやすいが、やらされている感も出てしまいがち。
わかりやすさと探索感はあちらを立てればこちらが立たず、というトレードオフの関係になってしまうのである。
だが本作のシステムは決して「こうしなさい」という意味で道しるべを出しているのではなく「こっちに行ってみたら?」というスタンスだと感じた。
エメラルドヴィジョンは各キャラのストーリー展開に応じて複数現れるし、タイムラインはあくまで状況説明であって、必ずしも連携をつなげろと言っているわけではない。
システムの複雑すぎる部分をうまくオミットして見た目にわかりやすくしているので、ストレスなく周回プレイできそうだ。
※下記リンクはファミ通.comの記事、「河津神」こと河津秋敏さんのインタビュー。普通は隠すイベントとイベントを結ぶ線をプレイヤーにも見せてしまえ、という開発経緯があったことがわかる。
「エメラルドヴィジョン」は導いてはくれるが、何が待ち受けているのかまでは教えてくれない。
『徒然草』に「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」という言葉があるが、人生の選択肢にも「光の導き」がほしいなと思ったりする。
別に未来が知りたいとかそういうことではない。
結果は潔く受け入れるから、せめてその導きは目に優しいエメラルドグリーンであってほしい。
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