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ゲームとことば#24「ふっ すべての おとこたちは わたしのまえに ひざまづくのよ!!」

イケイケな頃の春麗の勝利セリフ。なかなかの女王様発言である。
最近のストリートファイターだとジュリ辺りがオラついた女性キャラとして有名だが、春麗の性格はマイルドになっている。

当時は唯一の女性キャラであったし、かなり気を張り体を張り、頑張っていたに違いない。
男社会の格ゲー界を勝ち抜くには、肉体だけでなく精神も強靭でなければならないのだろう。
それにしてもすべての男ときたか。

ニンテンドーswitch版「ストリートファイター30th アニバーサリーコレクション」より

ひざまづくって改めてどういう状態だろう。調べてみると。

地面や床などに膝をついて身をかがめる。多く、敬意を表す動作にいう。「神前に―・く」

出典:小学館

とのこと。
つまり戦いに負けたすべての男は春麗の前に敬意を表すように突っ伏さなければならないのだ。
どことなくこの顎にこぶしを添えるポーズも、バイク玉座の上に座る北斗の拳のサウザーを思い出させる。
ちなみに現代仮名遣いでは「ひざま"ず"く」が正しいようだ。

春麗はこのセリフを「ふっ」という嘲笑で始め、エクスクラメーションマークを二つもつける勢いで締めている。
主にベガへの復讐心から生まれた強い思いが、いささかサディスティックに出た名言と言えよう。

春麗はエンディングも好きだ。
父の墓前に報告し、髪を解いて普通の女の子に戻りたいという、いとしさと切なさがあふれた短いエンディング。
今見てみると割とあっさりとしているが、当時は結構感動した記憶がある。
筆者にとって、ゲームのエンディングで心を動かされたのは、この春麗のエンディングが初めてかもしれない。

あれから数十年。
普通の女の子に戻れましたか?

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