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ゲームとことば#28「てくさり団子」

11/6(月)から11/12(日)17:59まで、Nintendo Switch Online加入者限定でSwitch版『天穂のサクナヒメ』が無料プレイできるとのこと。
発売後話題になった作品だったので、これを機にと早速遊んでみた。
まだの方は急ぎましょう。

ストーリーは、諸事情で鬼たちがいる島に流刑になった豊穣神サクナヒメが、一緒に流された5人の人間たちとともに田を耕して米を作ったり、狩りをしたり、鬼を討伐したりするというお話。
家での稲作と外での冒険を自分のタイミングで両立しながらプレイしていくゲームで、アクションRPGでありシミュレーションゲームでもある。
その中でも本作の柱とも言うべき稲作パートが非常に細かくできていて、肥料の配分から水量の調整、脱穀など我が国が古来大事にしてきた知恵と工夫についてゲームをしながら学ぶことができる。

序盤、苦労しながらはじめて米を作るも、収穫量が乏しい1年目は種もみを残さなければという判断に至る。冬場は別の食糧で飢えをしのがなければならないようだ。
その際に出された料理が「てくさり団子」というお団子。
これは彼岸花の球根で作られる、実在する料理らしい。
根はそのままだと強い毒(※)を持つことから「てくさり=手腐り」という名前になったのだそう。(花も毒持ってて触るとかぶれますよね)
球根は何度も水にさらして毒を抜くことで良質なでんぷんが採れ、団子にできるようだ。
不勉強ながらこの団子を初めて知ったのだが、現実でも食糧難の際は食べられたようで、飢饉の恐ろしさや大変な苦労を感じた。

※リンコンという毒があり、大量に摂取すると最悪の場合死に至る。

ゲームでは高飛車なサクナヒメが「毒団子なんか食わすな!」みたいにひと悶着あったりするのだが、そういったいざこざも含め、本作は本当に食べ物の大切さを考えさせられる。
田んぼづくりって小学生の時に体験学習でちょっこと植えたり刈ったりした程度だが、本当に農家の方には頭が下がる思いだ。
それと同時に稲作には、おいしいお米を作る知恵が、田起こしから育苗から随所にちりばめられていて、経験と科学の奥深さに感動を覚える。
一年二年とゲームの中で試行錯誤を繰り返して米を作っていると、普段の食事でもおいしくありがたくご飯を食べられる。本当に素晴らしいゲームだ。

アクションパートも操作性がよく面白い。
同社(マーベラス)の朧村正を思い出すような2D和風アクションで、感覚的に操作でき非常にとっつきやすいと思う。
フリープレイ後は製品版に引継ぎもできるそうなので、ぜひ購入したい。

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