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ゲームとことば#38「ゲームで発見!!たまごっち」

90年後半で爆発的に人気を博し、今なおバリエーションを増して展開している「たまごっち」。
バージョン違いも多く発売され「森で発見~」、「星で発見~」など、舞台やテーマの違いは「~で発見!!たまごっち」と表現されていた。(ちなみに公式サイトは「ネットで発見!!」だ)
私も当時一つ持っていた。あまりこまめに世話をしなかったが、ゲーム内容よりも手に収まるほどよい小ささがなんとなく気に入っていた。
最近のたまごっちは少し形が当時と異なっていて機能も進化しているようだが、私は今でも昔の形のものがほしいと時々思う。

さて、表題はたまごっちのゲームボーイ版のタイトルだ。続編の2も出ている。
このタイトル、そもそも「たまごっち」自体がゲームなんじゃないのか?というのは野暮なツッコミだろうか。
いや、わかっている。
ここでいう「ゲーム」は、「ゲームボーイなどのカートリッジ交換型携帯ゲーム機用ソフトを含む『コンシューマーゲーム』」を指しているのだと。
ジャンルの定義はややこしいのであまり深くつつきたくはないが、とりあえず「ゲーム=コンシューマーゲーム」というまとめ方は一般的に理解されやすいだろう。この連載記事のタイトル(ゲームとことば)だって、そういうつもりで書いている。また、スポーツの試合もゲームというが、それは文脈でわかるだろう。

本作が発売されたのは1997年。
このころのコンシューマーゲームといえば、据え置き機ではファイナルファンタジー7を代表とするスクウェアのPRGがプレイステーションで猛威を振っており、携帯ゲーム機としては前年のポケットモンスターが、ゲームボーイを不死鳥のごとくよみがえらせたころ。

それまでと比べゲーム機の性能も格段に進歩し、複雑な処理や華麗なグラフィック、膨大なボリュームを持つゲームも出てきた。
たまごっちのような電子ゲームはシンプルで(それでも複数の成長パターンなどがありかなり複雑なのだけれど)もはや「ちょっと懐かしい雰囲気」のジャンルに属していたと思う。
なので、ゲームで発見!!とは「ゲーム(コンシューマーゲーム)」になって遊びのバリエーションを出しましたよ、ということなのだろう。

技術の進歩を感じられる最新ゲームの少し視点をずらし、小さく持ち運べてかわいらしさがうけた「たまごっち」。
そこからまた、ゲーム性を複雑にできるコンシューマーゲームに展開するよ、という多面的戦略。
ヒット商品の忙しさよ。

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