良き書店について【奥の階段#3ルミネ横浜】
わたくしは商業施設の奥の方にひっそりとある、階段が好きである。
今回は、ルミネ横浜の奥の階段。
ルミネ横浜の階段はフロアの奥に位置するものの、かなり人の気配を感じる。それは各階段入り口に用意されている休憩用のいすの存在故であろう。都会には休憩スペースが不足している。空いている喫茶店を探すのも一苦労である。人々はとにかく休憩スペースを求めて彷徨い歩いているのである。
横浜駅の有隣堂というと西口側の地下街の有隣堂が有名であるが、もうひとつルミネ横浜にも店舗がある。今は地下のフロアに入っているが以前はもっと上の階であった(たしか6階あたりだった)。やはり上層の階になればなるほど人の流れは悪く、駅通路からのアクセスのよいフロアへ移転したのであろうが、人混みの苦手なわたくしは以前の店舗の雰囲気は落ち着きがあってお気に入りの書店のひとつであった。
わたくしの思う良い書店というものは、店内をふらふらと歩いていて楽しいというのがひとつ条件にあるように思う。(もちろん購入の目的で歩いているのであるが)そのためにはできればワンフロアにて広々とした店舗が好ましい。目的の書籍が定まっている場合には、都会の数フロアにも及ぶ大型の書店もまた良いが、目当てなく歩き回るにはやはり絶え間なく徘徊できるワンフロア型が快い。
以前盛岡に赴いた際にエムズエクスポという書店に立ち寄ったことがある。こちらはわたくし好みのワンフロアタイプ、というかそもそも平屋でとにかく広い。なにかの面積を表すのにサッカーコート何面分という表現があるが、ここはとにかく長方形にだだ広いので、建屋だけを考えればたぶん本当にサッカーができる。ブックスウォーキングには最適だ。
書店の徘徊の醍醐味は全然興味のないジャンルの棚にも迷い込めるということにあると思う。全く何のことかわからない専門書のタイトルを眺めるのも愉しいし、知らない資格の参考書をパラパラとめくらせて頂くのもまた良い。書店では迷子になって未知の入り口を探すべし。
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