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癒しのヌワラエリヤ旅 -鉄道編-

今回、1泊2日でヌワラエリヤにあるヘリタンス ティー ファクトリーに行くことになった。プライベートでヌワラエリヤに行くのは初めてだったので、せっかくならと思い、コロンボフォート駅から電車でヌワラエリヤに向うことにした。

スリランカのヌワラエリヤ、エッラ方面に行く鉄道は通称「紅茶鉄道」と呼ばれており、茶畑の中を進んでいく鉄道に乗りながら見る景色が最高だと言われている。そんな鉄道は現地人だけでなく観光客も多く利用するため、今ではネットでも座席の予約が出来たりもする。
しかし、私が乗りたいと思っていた朝一番のエクスプレス列車は、ネットでも窓口でも予約することが出来なかったため、朝4時に家を出発し、電車が出発する1時間以上前に駅に到着して当日の切符を買おうと試みた。

朝4時半のコロンボフォート駅のチケット売り場。窓口のオープン時間は5時かららしい。誰やねん、4時半からでも切符が買えるって言った奴。(知り合いのドライバー)
ナヌオヤ駅までのセカンドクラスの切符は750ルピー。
言われた通り、5時に窓口はオープンして、無事に切符は購入できた。私は窓口の目の前に立っていたから全然気付かなかったけど、朝5時の時点で切符を買う人の行列が出来ていた。早めに着いててよかった。
わざわざセカンドクラスの切符を購入する人達だけあって、比較的身なりがしっかりしてる人が多いし、ポツンと中に紛れ込んだ外国人に対しても優しい。
駅内の案内表示板。同じ方面に行く超高級観光列車(値段だけ)は5時半。私が乗りたい普通のエクスプレスは5時55分。
コロンボフォートの駅構内。朝5時だけど、全然人がいる。
そして売店も開いてた。朝ごはん用にエラワルロティを購入。100ルピー。さらっとシンハラ語で購入できたことに自分の成長を感じる。
電車の到着を待つ人々。日本みたいに何両目にファーストクラス、セカンドクラス、と記載がない。しかし、分からないからと言ってボーっとしている訳にもいかないので、周りの人に「ここってセカンドクラスだよね?」って聞いて回る。

5時半頃にプラットフォームに鉄道が到着した。しかし、鉄道がまだ完全に停止してないにも関わらず、みんな自分の席を確保するために必死で電車に乗り込もうとする。「とにかく座席を確保するんだ!」という執着が凄いのか、舌打ちと暴言が飛び交う。それはもう、私が今までで聞いてきた舌打ちと暴言を全部かき集めて煮詰めたような空間だった。
さっき切符売り場で優しく微笑んでくれたマダムも、先に切符買いなよって言ってくれたお兄さんも、同じように舌打ちをし、家族に対しては「ナギンナ!(乗りな!)」と叫ぶ姿は、驚きを通り越してドン引きしてしまった。

しかし、私もそうは言ってられない。彼らと同じように座席を確保しなければ、最悪6時間半以上立ちっぱなしになるのだから、無心で座席を確保した。乗り込む最中も、もう何人に舌打ちされたのか分からないレベルだったが、眠たかったからか、正直どうでも良かった。

無事に窓側の座席を確保。その後、家族連れに席を交換してくれと頼まれ、別の車両の通路側の席に移動する。
初の電車切符。

通路側の座席の運命なのか、身体が小さい人間の運命なのか、横で立っている人の立派なお腹が顔に当たっている。立っているのが大変だから、ひじ掛けにもたれたい気持ちは分かるけどねーと思いつつ、けっこう気持ち悪かったので、時々肘でけん制した。こんなことになるなら席交換に応じるんじゃなかったな。

キャンディ駅を過ぎたあたりの1枚。窓側に座っていた人が降りて、スリランカ人の兄弟2人で1つの席に座っている。このお兄さん、妹のコンビが可愛かった。妹はTheワガママな妹な感じで、しょっちゅう言いがかりを付けてはお兄さんにキレていた。それを微笑ましく見ながらお兄さんに「ナンギ タマイネ」と言うと、お兄さんは静かに頷き、妹は「エエー」と反応した。その声も顔も可愛い。
徐々に茶畑が見えてくる

紅茶列車とは言え、ほぼ現地人しか乗っていない鉄道の中でポツンと外国人がいて、さらにシンハラ語も話せるとなると、楽しいこと以上に面倒だと思うことが多かった。
セカンドクラスで比較的お金に余裕がある人達と言えど、外国人に対して「ビザはいくらで取れるの?」「日本で働きたいんだけど、仕事はある?」「電話番号を教えてよ」としつこく聞いてくる人もいる。その上、喋ったから仲良くなった気分になったのか、ひじ掛けに座るようになったり、その家族の男の子が私の座っている座席のフレームに土足で足をかけてくるようになった。流石に足をかけられるのは嫌だったので、やめてよって言おうと男の子と目を合わせると、その子はスッと足を元に戻した。分かってるなら最初からやるなや、と思う気持ちはあったが、これがスリランカ人的な所であることも知っていたから、私は受け流すことにした。
逆に、そんなことは聞かずに、妹の話と農業の話をするような隣の席のお兄さんもいるもんだから、スリランカ人と言っても色んな人間がいるんだな、と感じる。とは言え、片方はめちゃくちゃ馴れ馴れしいスリランカ人家族で、もう片方は5分に1回はお兄ちゃんにキレる妹とその兄、というラインナップだ。普通の日本人からしたら、これを無法地帯と呼ぶのかもしれないが、そんな気持ちを忘れるためにも、ひたすら外を眺める。

どんどん標高が上がってくるので、景色が変わる。
ちなみに、鉄道で窓から身を乗り出すのはやめといた方が良い。この後、彼女はお父さんに「座りなさい」と言われて怒られていた。そして、怒られた腹いせに同じ席にいるお兄さんに当たる妹。
ハットン駅を過ぎたあたりから、ネットでも見るようなきれいな茶畑が広がる景色を見ることが出来た。青空と綺麗な緑の茶畑。涼しい風が気持ち良い。
まもなくヌワラエリヤでパチリ。
ここまで来ると、全然景色が違う。
1時間半ほど遅れて、無事にナヌオヤ駅に到着。電車を降りてすぐに、どこからともなく「どこに行くの?」と話しかけてくる人がいた。たぶんドライバーだと思うけど、一体彼はどうやって駅構内に入ったのだろうか?
私は、知り合いのドライバーの超絶有難い計らいによって、ナヌオヤからホテルまでトゥクトゥクのドライバーを手配してくれたので、それに乗り込む。
ナヌオヤ駅からホテルに向かうまでの景色。茶畑だけでなく、野菜畑も広がる。
こんな綺麗な畝、私でも作ったことない
山の上をどんどん上がって、お目当てのヘリタンス ティー ファクトリーへ向かう。

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