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「ただ集まって、春を待つ」4~6日目

3日目を終えた翌朝、洗面台の鏡を見たら唇にヘルペスが出来ていた。どうりでここ最近ヒリヒリすると感じていたら、そういうことだったのか。2月も下旬に差し掛かろうとしているが、まだまだ寒い日もある。こういう時は自家製の柚子茶を飲むしかない。ついでに、少しでも体をいたわれるように昨年購入したスズメバチ入りの蜂蜜を入れて飲んだ。

4日目

今日から展示も2週目に突入する。天気は曇天でとにかく朝は眠い。ついでに寒くて布団からも出ずらい。

とは言え、時間になれば仕事を始めなければいけないのだから、アラームの音を止めると同時にPCの電源を入れる。月末に近いこともあり、いつもより少し忙しい。ついでに少し面倒な連絡も来て、その対応に追われる。

いつものように仕事をして、いつもの場所で寝起きしていると、aaploitで今日も上演が行われていることが不思議に思う。今までは、上演期間中はずっと会場にいる事が多かったので、こんな状態が新鮮だった。
そんなことを考えながら、お茶休憩をしているとaaploitのオーナーから「お客さんがコタツに入って修論を呼んでいる」という連絡が来た。メッセージの様子からしても恐らく、私の知り合いではないようだ。しかし、1週目に来てくれた人はほとんどが私の知り合いだったので、逆に知り合いじゃない人が来てくれるのは嬉しい。

自宅で仕事をしている日はだいたい夜にシンハラ語のオンラインレッスンを受ける。今日は動詞の完了形を少し復習して、先生と会話の練習をする。

අද උද‌ේ‌ කෑම කෑවද? (今日は朝ごはんを食べましたか?)
කෑව‌ෙ නෑ. (食べていません)
අද නැගිටලා ඊට පස්ස‌ේ මොනවද? (では、今日は起きた後、何をしましたか?)
මම අද නැගිටලා නිදාගනෙ. (私は今日、起きた後寝ました。)

思わず今朝は二度寝をしたことをカミングアウトしたせいか、画面越しの先生は爆笑していた。

5日目

「上演も進めど、仕事はする」今週はそんな3日間である。

今日と明日は外での仕事なのだが、昨日夜更かしをしてしまったせいか、家を出る時間に起床した。久しぶりに朝寝坊をしたので、起きて5分で身支度を済ませ、バタバタと家を出た。

通勤中に聞くK-POPの曲。車の窓から少しづつ変わっていく景色。街中から田舎町に近付くにつれて、少しづつ大地が開けていくような感覚になって、清々しい。今日は晴れたとこもあり、特に気持ちよかった。

休憩中に先週の上演の様子を撮影した写真を見た。知り合いの男性が二人でニコニコしながら手でハートマークを作ってポーズしている写真。もう片手にはそれぞれ韓国風のマカロンを持っている。
何度見ても、この写真に写る二人は楽しそうだぁ、と感じる。まぁこの二人は私の知り合いだし、上演という空間を普通の人よりかは満喫できるのかもしれない。とは言え、手でハートマークを作れるほど、普段からはしゃぐ人達でもない訳で…。そう思うと、これはこれで意味があったのかな?と思えたりする。

夜にはオーナーから今日の上演の様子についてメッセージが来た。今日は、桜がやって来たらしく、その様子はインスタグラムにも投稿されていた。「ただ集まって、春を待つ」という個展タイトルだけに、なんて粋なプレゼントなんだと、感動する。すごいなぁ、本当に観客によって上演が作られている。

6日目

明日は今日みたいに寝坊しない、昨晩はそう誓って早めに寝た。(もちろんアラームもかけた)しかし、結局二度寝をしてしまいバタバタと家を出てしまう。

昨晩から今朝にかけて雪がちらついたのか、仕事場付近は5㎝ほど雪が積もっていた。1月頃の雪は積もってしまうとしばらく溶けないものが多かったが、今日は日中の天気が晴れだったせいもあり、帰宅する頃には雪もほとんど解けていた。

帰宅後、寒さのあまりコタツに直行し、そのまま少し寝てしまう。晩御飯は牛タン。先日、日本に来日したK-POPアイドルも牛タン食べてたなぁ…と思いながら、よく噛んで食べる。歯ごたえがあって美味しい。

夕食も終えて、少しPCで作業をしていたら、知り合いのアーティストからDMが来た。どうやら彼女は私の展示に足を運んでくれたらしく、ガラス扉の詩の一部である「虚構を共に作り出せ」という言葉に痺れました!と感想をくれた。

入り口のガラス扉には1篇の詩が三言語ミックスになった状態で3パターン書かれている。実はそれぞれの言語を3パターン全体を通じて追っていくと、1つの言語で詩の内容を読み取ることが出来る仕組みになっているのだが、先週の観客の様子を見る限り、それを発見している人はいないなぁ…と思っていた。それだけに詩の最後の言葉に対して「痺れた!」と言ってくれたのは嬉しかった。

そうこうしていると、オーナーからも連絡があり、少しばかり電話で話す。今週は先週のようなお花見感はない反面、全く知らない人が足を運んでくれたりしたようだ。さらに有難いことに、この3日間でいくつかの作品と冊子をお迎えしてもらったようで、私自身もビックリする。

気付けば個展の2週目も終了し、残すは最後の1週目だけとなった。ああ、最後の3日間は何が起こるのだろうか?そんな期待とワクワク感がある反面、自分自身も観客として、どうやってこの作品に関わっていくべきなのか、改めて考え直す。

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