大事なアルフォートを食べられる

ここ最近、小分け袋になったアルフォートを日本の人から貰った。スリランカでは中々日本のチョコレートを手に入れることが出来ない。だからこそ、2日に1個ほどのペースで有難くいただいている毎日だ。
それがある日、事件が起きた。残り3～4つぐらい残っているはずのアルフォートが1つしか残っていなかったのだ。

この前、水色のアルフォートばっかり食べていたから、これからは青色のアルフォートを楽しむぞ、と思っていたからこそ、水色のアルフォート1つだけになっている状況は明らかにおかしい。そして、少し考えただけで誰が食べたかは大よそ見当がついた。恐らく、犯人はホストファミリーの娘ちゃん(12歳)である。彼女は前回、両親に隠れてお菓子を食べようとして、私のトイレでお菓子のくずを盛大にまき散らしながら食べた過去がある。何というか、彼女の隠しているつもりが全然隠せていない感じが逆に腹が立つのだが、今回も同じような感じの犯行である。（最早ここまで来ると、こういう事を地でしているのではないか？って思えてくる）
さらに、ホストファザーは甘いものをわざわざ食べないし、ホストマザーは私のご飯やお菓子を食べたかったら「食べていい？」と聞いてくる。そう考えると、きっと犯人は娘ちゃんなのだろうと思えてくるのだ。

ぶっちゃけ私はアルフォートを食べられたことに対して怒っている訳ではない。（まぁ、貴重なアルフォートだから多少は腹が立つのだが）アルフォートを食べられたこと以上に、バレないだろうと思って勝手に食べていたことに腹が立つ。尚且つ、隠れて食べていたのであろう心理がバレバレ過ぎるから余計に腹立たしい。（隠れて食べるなら、もっとちゃんと隠してよって思う）

しかし、彼女の取り巻く状況的を考えるに、隠れて日本人のお菓子を食べてしまう心理も分からないでもない。12歳の娘ちゃんは両親の一人娘で、彼女は事あるごとに両親に呼ばれて、母親の手伝いをしたりすることが日常である。その状況を見るに、まるで子どもが大人で大人が子どもみたいだと思っていた。さらに、ホストマザーの体調がここ最近優れないこともあり、娘ちゃんが簡単な料理（袋麺を使ったヌードルとか）を家族分作る機会が増えていた。私は自分の食べる分を自分で作るだけだったのだが、そういう娘ちゃんの状況を考えるに、多少のフラストレーションを抱えていても全くおかしくないように思う。

そう考えると、むしゃくしゃしてアルフォートを食べちゃう気持ちも分からんでもないなぁ…なんて思う。しかし、隠れて食べたいって思うぐらいの思考の余裕があるのなら、完全犯罪を遂行するか、「食べていい？」って一言聞くか、どっちかにしてほしい。

そして、今一番悩んでいるのが、この私の気持ちを娘ちゃんにどう伝えるのかが問題だった。思春期で両親にも見せたくないことがあるような時期。恐らく、この話を母親や父親の前で話すのは彼女にとって一番良くない。しかし、このまま放っておくのも違う気がする。さてはて、どうやって私のこの気持ちを伝えるべきなのか…。難しい問題である。