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スリランカでの誕生日

先日、スリランカで誕生日を迎えた。外国で自分の誕生日を過ごすのは、人生で初めてのことだったが、スリランカ生活半年の人間にしては、かなり色んな人からお祝いされたと思う。

まず、一番びっくりしたことは、スリランカ人は人の誕生日をよく覚えているということだ。私自身、人の名前や誕生日を覚えることが苦手だった。その為、ホストマザーや同僚にお誕生日を聞かれた時、どうせ忘れると思っていた。さらに、3日前に言ったスケジュールが覚えられない、ホストマザーに至っては私が朝言ったこと夕方には覚えていない等のエピソードもあって、あまり期待していなかった。
しかし、私が冗談でホストマザーに「私の誕生日っていつだったか、覚えている?」と聞くと、ホストマザーはさも当然かのように「覚えているわよ、5月17日でしょ?」と言ってきた。その時、私が朝言ったことは夕方になったら忘れてるのに、きちんと日付まで覚えていて、凄いと思った。
また、同僚のグラフィックミスも1回言った誕生日の日付をしっかりと覚えていて、なんなら5月生まれが多いという話題から、他の人の誕生日の日程まで説明してくれた。彼女もホストマザーほどではないものの、基本的にやるやる詐欺が多い人なので、記憶力はあまり信じていなかったのだが、お誕生日に関しては凄まじい記憶力を発揮している。

そんな驚きから始まったスリランカでのお誕生日は、とにかくテーギ(贈り物)を沢山もらった1日だった。

スリランカのお誕生日の風習では、周りの人間ではなく、本人がケーキを持ってきて周囲の人に配る文化がある。その為、私も前日に近くのケーキ屋さんでバターケーキ1キロを購入し、当日職場に持って行った。

チョコレートケーキとか色々あるんだけど、質より量を選んでバターケーキにした

生徒達に配り始めてしまうと、収拾がつかなくなってしまうので、まずは同僚の講師や上長などに配る。その後、いつも紅茶を飲みに行っている他の部署にも行ってケーキを配った。
ケーキを配っていた時に「5月はブッタと同じ誕生月だから、めちゃくちゃ良いよ!」と褒められたり、お誕生日特有の挨拶なのかハグと頬を付けあう行為を何度もする。
しかし、その日はケーキを配るだけでは終わらず、グラフィックミスがいる教室に行くと、チョコレートケーキと色んなプレゼントが用意してあった。私は「スリランカってお誕生日の人がケーキを配るんでしょ?」とミスに聞くと「私たちもお祝いしたいからケーキを買ってきたのよ」と言われた。なんかそういう所は比較的ゆるいみたいだ。

プレゼント開封タイム

そして夕方からあった日本語クラスでも、教室に入るや否や生徒達から「先生、お誕生日おめでとうございます」と立って言われる。そう言えば、1月ぐらいに「先生、お誕生日はいつですか?」って聞かれて、何気なく答えていた。彼らはそれをちゃんと覚えていたんだなぁ、と感心しながら漢字テストの答案に目を落とす。(それなら漢字の1つや2つ、もう少し覚えられるだろうに。まぁたぶんこれは別問題なんだろう。)

ちゃんと立ってお祝いしてくれる感じが、めちゃくちゃスリランカラマイらしい。

さらに、万国共通だと思っていたバースデーソングは、なんと日本語バージョンがあったらしく、生徒からそのことを教えてもらい、ビックリした。初めて聞く歌だったが、この日のために練習してきてくれたのだと思うと、嬉しい。

日本語クラスの先生や生徒からもケーキを貰い、その日の休憩時間はいつもより盛大なティータイムになった。また、これらのケーキを食べるにはお誕生日の人がケーキを切り分けて、周りの人にケーキを配るらしく、私も生徒一人一人にケーキを渡した。

奥:生徒からのロール 真ん中:日本語クラスの先生から 手前:私のバターケーキ

しかし、お誕生日はこれで終わりではない。前々から「お誕生日会しようね」と誘ってくれていた日本人の友達と晩御飯を食べる予定があったのだ。日本にいた頃は誕生日は基本的に家族と過ごすことが多かった為、そもそも友達にお祝いしてもらうこと自体が初めてで、何とも言えない嬉しさがあった。

そして28のケーキまで登場

ご飯と誕生日プレゼントだけでお腹いっぱいなのに、最後にはしっかり部屋も暗くなってローソクの付いた誕生日ケーキでお祝いまでしてもらい、嬉しい限りだ。

ケーキだけではなく、他にも生徒や先生たちから誕生日プレゼントを沢山もらった。フクロウのペン立てやノート、髪飾り、ピアス等々、お誕生日ってだけでこんなにもお祝いされるなんて、凄いなぁとビックリする。しかし、まだ半年ほどしかいない外国人にしては、本当に色んな人から愛されているのだと実感する。本当にこの愛に恥じないような行いをして行きたいと思うばかりである。

お誕生日祝いでご馳走になったクレープ

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