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初タームの最後の授業

日本に一時帰国する直前に色んな仕事が舞い込むのは、正直日本でもスリランカでも変わらない。
最後に残っていたillustratorの授業は結局、私が一時帰国する直前のギリギリまでやることになった。しかし、ここまで半年授業をやって来て、最後は自分の変化すら感じてしまった。

1日目

朝から胃腸炎でダウンし、授業スタートは明日からとなる。

2日目

最後の授業、やりなれた生徒達だと思っていたのに、初回で授業を行った時以上にやんちゃで治安が基本的に悪い。しかも、お昼時には荷物を取る子がいるそうで、学生が全員出たタイミングで、教室を施錠するルールが出来てた。ヤバ。

映画、スマホ、PCゲームはもちろんのこと、ご飯まで食べちゃう始末だからこそ、正直いつも以上に声を出して「騒がないで」と言う機会が多かった。

3日目

昨日は雨で休みの生徒が多かったが、今日はほとんど集合した様子だった。しかし、慣れきった外国人という存在に舐められっぱなしで、終始大きい声で叫び続ける。

しかも、こちら側が授業をしている最中でも映画を細々と見たりする。正直、そんなに映画が見たいなら、わざわざお金なんか払って職業訓練なんて受けなきゃいいのに。そう思いながら、あまりそういう事も考えずにとりあえず来てるのかな?とか色々考える。

また、ある生徒が友達へのメッセージとしてペンツールを使って書いたのだろう「(授業が)アーサネー」とシンハラ語で書いていた。彼女は友達だけに見せるつもりで書いたみたいで、私と目が合った時は、やばいって顔をしてた。まぁ、でもね。ここはICTクラスなので、それは構わないんですよ。
それよりも、授業中にご飯を食べたり、映画を見たり、「アーサネー」って書いたり、隠れてやってるつもりのことに対しての詰めの甘さが気になる。やるなら、もっとちゃんとやれよ。

4日目

今日は昨日の3分の2ぐらいしか生徒がいなかった。まぁ、若い外国人の授業ってなったら来る必要ないって思うよね。いやぁ、舐められてるなぁーと思いながら授業を始める。

相変わらず超オラオラしながら授業しているせいか、今日は生徒に「アンマワゲー(お母さんみたい)」と言われた。まぁ、これでちょっとでもしっかり授業を受けてくれるならお安いもんですよ。

説明している時にスマホを触って聞いていなかった生徒が後から教えて欲しいと言った時には、あえて「さっき説明したじゃん、聞いてなかったの?」と煽り100%の回答をしてしまう。もう私は日本の時に持っていた優しさんなんて捨てました。

スリランカの管理職のが、下の人たちはどうしようもないから、ちゃんと僕らが管理しなきゃいけないって言ってしまうことも、ちょっとは理解できるよなぁって授業で生徒と格闘しながら思う。

しかし、ここ数日大きい声を出して要所要所で「騒がないで」と言いまくってたせいか、午後のプラクティカルの時間は比較的静かなものだった。なるほど、言えば分かるってやつなのかもしれない。

5日目

しかし、ある程度は授業を用意する側でも頑張れることある。とりあえず練習問題を用意してれば、用意したものはやる(たまにやらない)習性があると気付いたので、午前は一緒に色んな素材やロゴを作る。

午後、教室に戻るとディモ(TA)にラマイ(生徒)が皆で立って話している。なんかちょっとヤバそうな雰囲気だなぁと思って、話を聞いていたら、どうやらクラスの生徒一人が昼休みにお金がなくなったらしい。

(逆に)うぉぉ、きたぁぁぁと思っていながら様子を見ていると、ディモと生徒で解決しようと、時系列で教室に誰がいたとか、皆のカバンをディモが調査したりして、とりあえずお金がどこかにないか探し始めた。
見てて心配になった私は「他の講師を読んでこようか?」とディモに聞くと「私達は小さい子どもじゃないから、講師に言う必要はないわよ」と言った。なんというか、逞しいなぁ…。

結局、取られたであろうお金は見つからず、生徒たちの結論として「お金は持ってこない」というルールを周知して終わった。(結論が極端なのは笑えるが、変に大人が介入するのもおかしいので、それはそれで彼らの決断を見守る)

まとめ

最初は外国人の若い講師ってだけあって、生徒に超舐められた態度を取られていた私だったが、いつもより大きい声を出し「騒がないで」「聞いて」「今から説明するよ」と何度も言ったり、鼻歌を歌う生徒には「何歌ってんの?もっと大きい声で聞かせてよ」と煽り100%の言動を何度もしたせいか、4日目5日目には生徒もかなり大人しく授業を受けるようになった。(映画をこっそり見たりするのは100%辞めさせれてないけど)

スリランカに来る前に「教えるときは声の大きさが大事だぞ~」と教わったのだが、こんなにも分かりやすく結果が出るとは思わなかった。

あとは厳しいのが100%ダメって訳でも、優しいのが100%良いって訳でもないこと。正直、最初は優しすぎて生徒は逆にこの先生(私)なら何しても良いんだって思わせてしまっていた部分があったのだと思う。逆に何度も繰り返し、「騒がないで」と言い続けていると、騒がしくするのは良くないというルールが生徒の中で形成されるので、生徒たちの喋り声が大きくなった時も、私が声を出す前に誰かが「シー」と言うようになったりする。
そういう様子を見ていると「スリランカラマイ、やれば出来るやん」って思ってしまう。(正確に言うと言わないとやらない、言えばやる)

そして同僚のグラフィックミスとは年齢が近い分、生徒たちに舐めらやすいって話を当事者同士として話が出来るのが有難かった。最初は、グラフィックミスの授業も、けっこう言動が厳しいな~とは思っていたが、授業以外の場では生徒たちに優しく接する彼女の姿を見ていたからこそ、自分も授業の中で実践しやすかったのかもしれない。

これにて、今学期の私の持ち授業は全て終了となる。半年間のカリキュラムを通しで経験できたのは、これが初めてだった事もあり、本当に色んな学びがあったし、自分自身も変わったと感じる部分も出てきた。本当に半年って長いようであっという間だったなぁ、と思いながら次の学期、また次の学期がどのように変化していくのか、内心楽しみだ。

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