修正に強いモデリング方法
はじめまして株式会社Synamonの西口です。
Synamonアドベントカレンダーの最後の記事を担当させていただきます。
みなさんはモデリングをしている時にこんなことはないですか?
形は決まってきたけどトポロジが汚くなってきたのでやり直したい
形がズレてるのをわかりつつもめんどくさいので見て見ぬ振りをする
リテイクを食らって大幅に作り直しが必要になった
そんなときは作り途中のものは思い切って捨ててしまって1からやり直しましょう!
今回はやり直しになったときのダメージを最小限に抑えるモデリング方法をご紹介します。マスターすればリテイクが来てやり直しになったときの精神的ダメージも最小にできますよ。
ブーリアンを駆使したモデリング
説明用にサブディビジョンサーフェス(以下SubD)を使ってモンキーレンチを作ってみることにします。作例ではMODOを使っていますが考え方の部分はソフトウェア問わず使えると思います。
手順1.ベースメッシュを作る
ボックスからSubDを使ってベースメッシュを作っていきます。
この段階で一度フリーズしてメッシュを細かく割ります、SubDモデリングでのポリゴン数というものは多すぎても少なすぎてもダメで丁度いいポリゴン数というものがあるんですが、最初から適切なポリゴン数を計算して作っていくのはなかなか大変です。
このタイミングである程度割っておけば後の工程のブーリアン時に迷いが少なくなります。ただしここからはベースメッシュの頂点を移動ツールで動かさないのがポイントです。
手順2.ブーリアン1回目
ブーリアン用のオブジェクトを作成し穴を開けます、自分の場合Solid Drill(Slice)というメッシュに切り込みを入れるタイプでやる事が多いです、その後いらないポリゴンを削除しメッシュをきれいに整えます。
前工程で多めにメッシュを切っておいたことでブーリアン後の直しが比較的楽に行なえます、多く作っておいて後でいらないところを減らす感じです。
手順3.ブーリアン2回目
溝と穴をブーリアンで削ります、モンキーレンチはパーツが通る穴と溝がありますが円柱とボックス2つで表現できそうだったので複数のパーツを組み合わせて穴を開けました、持ち手部分の凹み用の切込みも入れています。
手順3.面取りして仕上げ
ここからさらに細かいパーツ類の作成が必要ですが本体部分が完成したのでひとまず今回はここまでにします。
ここまでで作ったパーツをすべて並べるとこんな感じです。
いわばモンキーレンチのモデリング用設計図といったところでしょうか。
例えば「レンチ全体にもう少し丸みが欲しかった」といった要望が出てきたらベースメッシュの部分まで戻り丸みを付けて再度ブーリアンを適用すれば良いわけです。
まとめ
昔遊びで作ったモデルを今回の記事用に作り直しました。
パーツが残ってたので楽勝でした!と言いたいところですがやはりトポロジの修正等人間の手が入る部分に関してはある程度時間がかかりました。
プロシージャルモデリングを使えばさらに修正時間を短縮することができると思いますが、プロシージャルモデリング自体使いこなすのは簡単では無いので逆に時間がかかることもあり使い所は難しいです、今回のやり方はプロシージャルモデリングのエッセンスを取り入れた手動プロシージャルモデリングという感じですね。
特に固いものを作る時は有効だと思いますのでぜひやってみて下さい!
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