No.242 「共に悩み考える」

『人生には坂がある。上り坂 下り坂 そして 突然やってくるまさかの坂』
よく耳にする言葉であるが、今年2020年は、まさに『まさか』の年だった。

コロナウイルス感染が世界を震撼。
緊急事態宣言の発令。
オリンピックは延期。
全人類が『まさか』に遭遇した。

子供たちにとっても、まさかの連続だった。
一斉休校、オンライン授業、部活動停止、大会中止、相次ぐイベントの見直し。
進級を半年ずらし、9月入学を提案したくなるのも無理はない。

受験生に至っては、どれほどの不安を抱えただろう。いや、受験シーズはこれからが本番。不安は募る。

夢と希望を抱いて入学した大学生は、こんなはずじゃなかったとコロナを恨んだに違いない。

教師も親も同様だ。

子供たちをどう導いていけばいいのか。
どう守ってあげればいいのか。
自分の立場も揺らいでいる最中にあって、この未知との遭遇にお手上げ状態だ。

きっと今大切なのは、教師や親が背伸びして子供たちを正しい方向に導こうとする姿勢ではなく、子供と同じ視線に立って一緒に悩み一緒に考えることではなかろうか。

大人が考えている以上に子供たちはしっかりしている。そして、大人の苦悩を十分に認識している。進むべき道が大人すら分からないことを承知している。

ならば、共に悩み共に考えよう。

子供から大人まで皆で悩み考え、知恵を出し合いながらこの『まさか』を乗り越えていきたいものだ。


2020年12月

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