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つづきものエロ小説(18禁)

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2話以上にまたがるエロ小説は、読みやすいようにこちらにまとめます。
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2024年2月の記事一覧

【官能時代小説】手 籠 め 侍 【1/12】

血 の匂いのする、色好みの下司下郎め! 残忍な裏切り者め、情欲まみれの卑劣漢め! さあ、復讐だ!              ~ハムレット   ■  2本の蝋燭の炎が、暗い宿屋の部屋でたよりなく揺れていた。  揺れるそれぞれの炎の明かりが、向かい合って座る姉弟の顔を気まぐれに撫ぜる。 「姉上、本気なのですか? 父の仇を討つためとはいえ、あのような男に身をまかせるなど……人に知られれば我が春日家の恥。口さがない者はわれら姉弟のことをなんと嘲ることか……」  数えでまだ一

【官能時代小説】手 籠 め 侍 【2/12】

前回【1/12】はこちら ■  闘いは始まった……と思った瞬間に、すべては終わっていた。    蜂屋百十郎は、打刀を抜いてさえいない。  少年武者は両手から血を流し、倒れ、喘いでいる。  彼の刀は、遠く離れた草原の地面に突き立っていた。 「……み、見たか慎之介……あの男の動きを……」  興奮を抑えきれない様子で、紫乃が上ずった声で言う。 「あ、姉上には見えたのですか? ……わたしには何が起こったのかさっぱり……」 「そなた、瞬きでもしたのか?」 「いえ、しっか

【官能時代小説】手 籠 め 侍 【3/12】

前回【2/12】はこちら 初回【1/12】はこちら ■  そして夜。九つの鐘が鳴る頃。  再び、紫乃と慎之介、そして百十郎がその夜を過ごす宿屋。  先程、慎之介と話していた部屋と続きとなっている部屋には、ふた組みの布団が敷かれ、その上に寝巻き姿で洗い髪のままの紫乃が正座していた。  百十郎は薄汚れた服のまま、紫乃の後ろに座している。 「いい匂いだな……無花果みてえな匂いだ……」  紫乃は浴衣の裾をきゅっ、と握り、唇を噛み締めていた。  枕元に灯された行燈の火が、ゆ

【官能時代小説】手 籠 め 侍 【4/12】

前回【3/12】はこちら 初回【1/12】はこちら ■  ぐったりと腹這いに横たわっていた紫乃の躯が、突然、敏捷に浮き上がった。  そして百十郎の脇をすり抜けて障子を開け、全裸のまま前転する。  まさに、山猫の動きだった。  柴乃は隣室の床の間まで転がると、刀掛から打刀を両手で攫む。    その一瞬の動きを百十郎は寝間で胡座をかいたまま、感心したように見つめていた。  自らの枕元に置かれた刀には、触れるどころか目もくれようとせずに。    柴乃の鞘から白刃が滑り出る。

【官能時代小説】手 籠 め 侍 【5/12】

前回【4/12】はこちら 初回【1/12】はこちら ■  饅鰻寺の本堂の離れにある風呂場は思ったとおり暗く、湿気が多く、いたるところが腐っていた。  しかし天井は高く、湯の加減は意外に心地よい。  なにせ、この山奥にある荒れ寺を求めて丸三日、山の中を彷徨きまわっていたのだ。  慎之介の躯は清められ、癒されることを求めていた。 「……ふう……それにしても……」  それにしても、なぜあの薄気味悪い和尚にせよ、あの美貌の小坊主にせよ、単に墓を見せてくれと云うだけの簡単な話

【官能時代小説】手 籠 め 侍 【6/12】

前回【5/12】はこちら 初回【1/12】はこちら ■  その少年と老婆の助太刀に入った浪人は、なかなかの凄腕だった。  風の強い月夜、沿道の高い草原が、ざあ、と音を立てて戦慄く。  人気のない一本道で、百十郎とその浪人が向かい合っていた。  さすがの百十郎も、今宵ばかりは最初から刀の柄に指を掛けている。  たるんだ無精ひげだらけの顔に、今、あの若気た笑みはなかった。 「……拝神武流か……抜かずともわかる。おぬしに相応しい卑しい流派よ」  完璧な間合いをつめなが

【官能時代小説】手 籠 め 侍 【7/12】

前回【6/12】はこちら 初回【1/12】はこちら ■  紫乃は刀を収めず、慎重に百十郎に歩み寄った。  しかし、その視線は百十郎の手元から……  くねくねとうねっている少年の蒼白い尻に吸い寄せられていく。 「なにを……わたしは何をすればっ……」  百十郎が自分に対してまったく殺気を見せていないことを改め、ぱちん、と刀を鞘に収めた。 「この小僧の菊座をかわいがってやれよ……おれがこの前、お前にしてやったみてえによおお…………」  げひひ、と笑う百十郎。  紫乃は

性 接 待 専 用 社 員 ・ リ サ 【前編】

■ 「リサちゃん……だったね?」 「……はい……」 「……さあ……まず……脱いでもらおうか」  通されたのはまあまあいいホテルの最上階、スイートルームだった。  中にいたのはちんちくりんで脂っぽい、40がらみの男。  これでも大手IT企業、ザ・クルールのやり手社長であり、名を藤巻という。  短い髪。ギョロ目。  浅黒い肌が際立つ白いバスローブにスリッパ姿で……手にはブランデーグラスまで持っている。  いかにも、こういう部屋に女を呼びつけそうな男だった。  というか

性 接 待 専 用 社 員 ・ リ サ 【後編】

【前編】はこちら ■  で、また冒頭の藤巻のスイートルーム。  あたしも“グッドフェローズ”の性接待要員としていろいろやってきたけどさあ……ちょっと、この日体験したことは……それにしても…… 「リサた~ん……どこかなあ~……?」  まあまあいいホテルのスイートだったので、隠れるところは何か所かあった。  簡易クロゼットとか、2つあるバスルームとか。  何個かあるベッドの下とか、あるいはテーブルの下とかカーテンの裏とか。  で、あたしは……隠れるというか、ただ部屋の

少 年 少 女 ア オ ハ ル 地 獄 変 【1/5】

■  カーステレオは今時カセットテープをねじ込むタイプの珍しいもので、そこから流れてくる音楽も奇妙だった。  延々と続く激しいギターリフ、安物臭い電子オルガンの音、激しいドラム。  運転席の男と、助手席に座っているその妻(のような女)は楽しそうに曲にあわせて歌っている。 「アイアン・バタフライや。ええ曲やろ。多分、自分らのお父さんお母さんも知らん世代なんやろうなあ……」  運転席の男が後部座席に振り向いて言った。  助手席の妻も後部座席を覗き込む。  夫婦揃って歯を見

少 年 少 女 ア オ ハ ル 地 獄 変 【2/5】

前回【1/5】はこちら ■   「さあ、着いたで。おつかれさん」  男が言ったので、直紀は屈辱的な思い出から我に返った。  山の近くであることは確かだ。  木々が日光を遮断して、昼だというのに薄暗い。  斜面の途中に、ぽつんとその一軒家はあった。  白い壁の日本風の平屋。  雨戸が閉められていて、人の生活の気配はない。  あまり大きくないので、物置かなにかのようだ。  家の横には、恐らくこの珍妙なワゴンを仕舞うのであろう、錆色のトタンの車庫があった。  直紀は

少 年 少 女 ア オ ハ ル 地 獄 変 【3/5】

前回【2/5】はこちら 初回【1/5】はこちら ■  部屋の中が黄色い光で満ちていく。  自分の心臓の音が信じられないくらい大きな音で響いていた。  気が付くと直紀は違う部屋にいた。  さっき居た和室とは違う、一面が白い壁の洋室だ。  やがて直紀は自分が横になっているのに気づいた。  とても広いベッドの上に、顔の右半分をつけて横たわっている。  目の前で何かが動いていた。直紀は目を凝らす。   「よお、大丈夫か?」上から男の声がした。「彼女の方は……えらいええ感じや

少 年 少 女 ア オ ハ ル 地 獄 変 【4/5】

前回【3/5】はこちら 初回【1/5】はこちら ■  あの日、公園で初めてのセックスをして以来、直紀と千晴はまるで取り憑かれたようにお互いの身体を求め合った。  人気が無く、潜り込めそうで、声が漏れ無そうな空間を見つけたら、決まって二人はそこにしけ込み、お互い身体をいじり合う。  ビルの階段の下スペース、公衆便所の個室、ガレージ、体育用具室、その日の作業を終えた工事現場……おおよそ考え得る全ての人気のない場所で、二人はキスをして、身体をまさぐり、可能であるならそのまま

少 年 少 女 ア オ ハ ル 地 獄 変 【5/5】

前回【4/5】はこちら 初回【1/5】はこちら ■  「さて、と…」女がそう言いながら、背後から奇妙な物を取りだす。  それは両端が奇妙な形に膨れた、20センチほどの1本の棒だった。  プラスチック製で、薄いクリーム色をしている。  それが何らかの性具であることは、直紀にもわかった。  しかし、それをどのように使うのかは、想像もつかない。 「……こんなん、知ってる?」  女がその器具を千晴の唇に押しつけた。 「……やっ!」  千晴が慌てて顔を背ける。 「……