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つづきものエロ小説(18禁)

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2話以上にまたがるエロ小説は、読みやすいようにこちらにまとめます。
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2024年1月の記事一覧

インベーダー・フロム・過去 【1/11】

■  わたしはたまに、恥ずかしい夢を見る。  夢の中でわたしは、髪を短く切っていた、二十歳の頃に戻っている。  上はノースリブのピッタリしたTシャツを着て、下にはジーンズを履いている。  狭い、小屋みたいなものの中で、わたしは汗をかきながら誰かを待っている。  待っているのが誰なのかはよくわからない。  なかなか待っている相手が来ないので、わたしはイライラしてくる。  外からは蝉の声が聞こえて、 小屋のトタンの隙間からは夏のきつい日差しが入り込んでいる。  わたし

インベーダー・フロム・過去 【2/11】

前回【1/11】はこちら ■  なんとかいつもの電車には間に合った。  最寄り駅のローカル線から30分、一番近いターミナル駅で乗り換える。  毎朝のことだが、ホームは人でごった返していた。  夫の公一のように、ラッシュを避けて早起きをするような根性のない、わたしと同類の人たち。  わたしは人の波をかき分けて、売店のわきまで進んだ。    ここで毎朝、わたしは電車を待つ。  辺りを見回すと、毎朝同じ顔ぶれに取り囲まれていることに気づく。  たぶんわたしも周りの人々も

インベーダー・フロム・過去 【3/11】

前回【2/11】はこちら 初回【1/11】はこちら ■ 「どうしたの? ……会社休とか、珍しいじゃん」公一は帰ってきて開口一番、そういった。「熱でもあるんじゃない?」  公一が布団の中にいたわたしのおでこを触る。  ちょっと冷たい手だった。 「………ううん。大丈夫…」わたしは先に言った。確かに身体は熱かったが、熱があるわけではない。「ごめんね、今から御飯作るから……」  布団から出ようとするわたしを、公一が制した。 「いいって……具合悪いんだろ? ……おれがなんか

変 態 マ ッ サ ー ジ 師 と 僕 【前編】

■ 「はあ……疲れたな」  入社して半年で、いきなりひとりで出張なんて任されると思ってなかった。  出張先は賑やかさなんかかけらもない寂しい地方の町。  駅前のしけたビジネスホテルが今夜の宿だ。  時刻は夜の10時を過ぎたとこだったかな。  得意先の社長にご飯をごちそうになって、こんな時間になってしまった。 「飲みに行く場所とかもなさそうだし……仕方ないかー……」  駅前に唯一あったコンビニで缶ビールを数本買った。  僕はまだギリ未成年だったけど、店員はいかにもやる

変 態 マ ッ サ ー ジ 師 と 僕 【後編】

【前編】はこちら ■  まだ頭がぼんやりしたまま、言われたとおり仰向けになる。  身体全体がぽかぽかと温かく、とてもいい感じだ。  けど、このおっさんは何か……どこか……変だった。  イヤな予感がした。 「帯、解かせてもらいまっせえ……」 「えっ……えっ……ちょっと……」 「ほな、失礼しまっせえ……」  返事をする暇もなく、しゅる、と帯を解かれる。  ぱっ、と浴衣の前を開かれた。 「あっ……」  古いホテル独特の間接照明のせいで、部屋は薄暗い。  そんななか

で、奥さんいつもどんなふうにナニしとんねん 【1/3】

この物語は、実話に基づいています。 会話の詳細などは西田三郎の創作です。 ■  その日、わたしは参考人聴取で近くの警察署に呼ばれ、聴取室で待たされていた。  ずいぶん待たされてやっと現れたのは、ハゲた小男の刑事。  テレビのサスペンスドラマに出てくる、脇役の刑事ふうだ。   「よし! 犯人は●●に違いない!」  とか言って、主人公の刑事の冷静な判断を否定して、どう考えても間違えた方向に突っ走り、最後に大恥をかくタイプ。  なるほど、刑事とはこんな感じなのかなあ、とわ

で、奥さんいつもどんなふうにナニしとんねん 【2/3】

前回【1/3】はこちら ■  相手が警察官で、ここは警察署だ。  わたしは別に、なにも悪いことはしていない……それでも、刑事の手を振り切って部屋を飛び出せない独特の雰囲気が、この男からも、この部屋の殺風景な景色からも漂っている。  わたしは、むくれて椅子に座り直した。 「美人はむくれた顔も、よろしおまんな~……」  ハゲ刑事が言う。  わたしはむくれっ面もすぐ消去した。  どうすれば、この男を喜ばせずに済ませられるのだろう、と考えたが、なかなかいいアイデアが出て

で、奥さんいつもどんなふうにナニしとんねん 【3/3】

前回【2/3】はこちら 初回【1/3】はこちら ■ 「奥さん、尺八されまっか」 「…………」  わたしは、うつろな目で部屋の汚れた天井を見上げていた。 「ああ、尺八って、ちょっと言葉が古すぎやったかもしれまへんなあ……おしゃぶり、ナメナメ……まあようするに、うまいこと上品に言う表現が出てきまへんけど、ようするにフェラチオのことですわ」 「……オーラル・セックス……って表現もありますよね」自分の声に、生気がない。「で、それ聞いて、何をどうしよう、と思てるんですか?」

必 殺 に し き あ な ご 突 き 【1/5】

■  19世紀末にイギリスの片田舎に、“ばね足ジャック”と呼ばれる謎の怪人が出没したという。  あたしもちらっと本で読んだだけだから、あんまり詳しいことは知らない。  “切り裂きジャック”は有名だけど、“ばね足ジャック”なんて、なんだか名前からして冗談みたいだけど、伝えられているお話はもっと冗談みたいだ。    “ばね足ジャック”は、切り裂きジャックのような殺人鬼じゃない。  “ばね足ジャック”は、何人かの女の人を襲い、レイプしようとして失敗した。  こういうと単に煮

必 殺 に し き あ な ご 突 き 【2/5】

前回【1/5】はこちら ■  翌日の朝、あたしは8時15分に学校の最寄り駅に着くその電車の、前から4両目の中にいた。  そのことを裕子に知られたりしたら、やっぱりあたしはその場で舌を噛んで死んだだろう。 『ああ、あたしっておかしい?…………ねえ、おかしい?』  あたしは頭の中で何度も自分に問い続ける。  そして、すし詰めなこと以外は平和極まりない車内で、ひとり嫌な汗をかいていた。  この車輌の中に、万が一、億が一、あたしの心を読める超能力者が居て、あたしがわざわざ

必 殺 に し き あ な ご 突 き 【3/5】

前回【2/5】はこちら 初回【1/5】はこちら ■  いまだってこときのことを思い出せば……  あたしは舌を噛んで死んでしまいたくなる。  あたしは小心で卑怯で下劣な傍観者であることを選んだ。  老人はだんだん彼女のブラウスの裾をセーターごと上へ上へとたくし上げていく……。  ほんとうにきれいな身体だった……  腰は折れそうなくらい細く、そこから上に伸びる胴は、腋にかけてゆるいカーブを描いている。  おへその周りには、うすい脂肪の膜が見え、かすかな陰影を映し出し

必 殺 に し き あ な ご 突 き 【4/5】

前回【3/5】はこちら 初回【1/5】はこちら ■  あたしはぐったりと動けなくなった彼女を抱きかかえるようにして、次の駅で降りた。  あたしの学校の最寄り駅より二つ手前の駅で、こうなるともう遅刻は確実だったけど、そんなことを考えている場合じゃない。  彼女は全体重をあたしに預けていたんだろけど、その身体はあたしが小さな頃から抱いて寝てる象さんのぬいぐるみのように軽かった。  はた目にあたしたたちは、貧血を起こした女の子とそれを介抱する友達、みたいに見えたかも知れな

必 殺 に し き あ な ご 突 き 【5/5】

前回【4/5】はこちら 初回【1/5】はこちら ■  駅のトイレに人影はなく、あたしはフラフラの彼女をなんとかトイレにかつぎ込んだ。 「み、みず………」  彼女が言うので、洗面台のところまで言って水を出す。  彼女は洗面台に寄りかかり………冷たい水で何度も何度も顔を洗った。    あたしはその背後に立って、なにか彼女に掛けるべき言葉を探していた。  いろいろ考えたけど、やはり今、言える言葉はひとつしかない。  あの電車の中で彼女と老人を取り囲んでいた、好色で品性下劣

ボーイッシュならではの経験【1/5】

■  去年の年末にあたしが体験した話をしよっか。  あたしは見かけがかなり男の子っぽいもんだから、そのせいかお客さんの数は少ないけれど、変態っぽい得意客のきんたまをがっちりと掴んでいる。  世の中広いでしょ。  女を売りにするこーいう世界で、男の子っぽい見かけのあたしを選ぶ奴もいるんだからさ。  あたしにはおっぱいがない。  お尻もない。  背も154センチちょっと、とかなり低い。  やせっぽちで、色は白いけどちょっと眉毛が太くて目つきがきついせいで……よけいに男