わ る い お ま わ り さ ん 【1/6】
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あたしは、ほんとうにどうでも良かったんだけど、お母さんがどうしても、というから仕方なくついていくことにした。
お母さんは昨日からずっと泣き止まない。
人間、死ぬまでにいったいどれくらいの涙を流すことができるのかはわからないけど、もしその一生分の量が決まっているとするのなら……今後の人生でお母さんがどれくらい泣く事ができるか、心配になってくる。
警察署に行くまでのバスの中でも、お母さんは泣き止まなかった。
あたしはとっても恥ずかしかった……バスの乗客の