勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方vol.16「女子サッカークラブはスタートアップだ」

大和シルフィード分析サポート担当の日記

アスリートでも、コーチでも、監督でも、トレーナーでもない僕は、スポーツに関係ない仕事で培ったスキルや知識を活かして、スポーツを分析しています。このコーナーでは、2022年シーズンを分析サポート担当として戦う大和シルフィードのことを書いていきます。


なでしこリーグ2部のクラブの試合を日産スタジアムで開催

今回はこちらのお話を。

プレナスなでしこリーグ2部第10節の大和シルフィード対ヴィアティン三重レディースの試合は日産スタジアムで開催することが決まりました。なお、日産スタジアムでのなでしこリーグの開催は初めてになります。

最近FCバルセロナ・フェミニがチャンピオンズリーグのホームゲームで91,553人を動員するという記録を達成。次のチャンピオンズリーグのボルフスブルク戦のチケットもソールドアウトと男子サッカーと同じかそれ以上の動員が続いています。

今回なぜ日産スタジアムで開催していくのかということだったり、どのくらいの観客数を目指すのか、運営はどうするのか、といったテーマについては社長の大多和さんがnoteに書いてくれるはずなのでお楽しみに。

僕は大和シルフィードのスタッフのひとりでもありますが、フルコミットメントではないので、少し引いた目線でクラブのことを語れる立場にあります。そんな立場の人間として今回の出来事をどう感じたかについて書きたいと思います。

発表されたときは素直に興奮しました。嬉しかったです。珍しく妻と実家の両親に連絡したくらい嬉しかったです。そして、気づいたことがあります。

なでしこリーグ2部のチームだから日産スタジアムで試合をしてはいけない、というルールはどこにもありません。知らず知らずのうちに限界を作ってしまっていたんだなぁと。僕は外の人間として常識を打ち壊す立場にいたはずなのに、常識を打ち壊す取り組みができてなかったんだなぁと反省しました。もっとやらなきゃいけないことがあるなぁと。

今回の件で思い出したのが、女子プロレス団体スターダムの取り組みです。多くのスポーツが2020年以降に観客動員に苦戦するなか、スターダムは破竹の勢いで観客動員を増やしてきました。スターダムは観客が入らないことを承知で、武道館など大規模なアリーナでの興行を仕掛け、興行をステップに動員を増やし、拡大を続けてきました。

木谷オーナーが語っていたのは「どうせ観客が入らないのだから、武道館で興行をやった!という事実を作ることが大事。この事実を基にどんどん広げていけばいい」といったことでした。これは目からウロコでした。

観客は入らなくても「興行をやった」という事実を作ってステップアップする。広い会場であれば普段観たことがないお客様も来てくれる可能性があるので、次は来てくれたお客様に継続して来てもらうための仕掛けを用意する。ここを丁寧にやった結果、集客が出来る団体に成長しました。スター選手も育ち、WWEから凱旋帰国したKAIRIのような選手も出てきて、スターダムを中心に女子プロレスは活況になりつつあります。

今回の日産スタジアムの開催は、スターダムが仕掛けた戦略と同じようなことができるなぁと思いました。もちろんスターダムに比べたらリソースが足りないのは承知していますが、こういうことを仕掛けてくれるチームのサポートができていることが誇らしく感じました。

日産スタジアムでの試合が発表になりましたが、このタイミングで大和シルフィードは2つの発表をしています。1つ目は「Play Academy with Naomi Osaka」からの女性を受けて「Girls Empowerment Program」を開催します。

そして日産自動車と開催した取り組みのレポートも公開されました。こうしたウーマンエンパワーメントに関する取り組みも地道に続けていきます。

日産スタジアム開催のニュースを聞いて一番うれしかったこと

そして今回のニュースが発表されて一番うれしかったことがあります。

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スポーツのコラムにプラスして、日記を書くことにしました。日記には、お会いしている人の話、プロジェクトの話、普段の生活など、表に書けない話を書こうと思います。

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