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【駆け引き】闘技場平均勝率を上げる術

はじめに

前々回、前回と度々闘技場の記事を書いてきました。

大変多くのビューに感謝です。
初めての方はよかったらそちらも読んでみてください。
鍵は内容の目安だけど時系列のがいいかも。

今回は少し前の自分のポストに関して面白い話を思い出したのでその紹介とその方向で書こうかなと書き始めたら話がどんどん広がってしまったので構成を考えてどうにか形になったかなという感じです。


ですがまず最初に注意事項です。
力作の自負がありますが、長いです。一気に一万字超を読んでもらう勇気はありませんでした。【前編】【中編】【後編】といい感じに区切れたので面白いと思ったら続きを期待してください。
(前編は引用記事もあるので物足りないことにはならないはずです)
それと上級者向けといえるか分からないので異端者向けの内容かもしれません。ちょっと何言ってるかわからない部分もあるかもです。
それでもタイトルなりで興味を持って来てくれたと思うので、理論の話も雰囲気で楽しんでもらえたらと思います。
それでは

【前編】レベルK思考と駆け引き

今回のテーマは駆け引きです。
カードゲームやボードゲームでは対人である以上相手との駆け引きの要素が少なからずあると思います。
これがコツだったり楽しさにつながる要因にもなるのですが、ハースストーンでは相手のターンに介入が出来ないので駆け引きの要素は少ないと思われています。しかしゼロではない。
ならば少しでも優位に立つ術があれば、どれほど成績向上に役立つだろうかという話です。
まずは導入。
この話を思い出したのが今回記事を書くに至ったきっかけです。

レベルK思考
という言葉を聞いたことはあるでしょうか、経済学や心理学を学んだ方の中にはご存じの方もいるかもしれません。
それか漫画か何かで知って興味を持った方もいるでしょうか。
心理戦で相手の裏を読むことがありますが、相手も裏の裏を読み、自分もそれを読み裏の裏の裏を・・・となった時の正解はどうなるんだ?と考えたことはありませんか?

↓のリンクがカイジのEカードに例えての説明が分かりやすいので、興味があればご一読ください。(3500字程)
これ前提の話になるのでなんとなくでも理解した上で読んで頂くことを推奨します。一応下に簡単にまとめてます。

簡単にまとめると

純粋に目の前の合理性だけをみて戦略を決めるのがK=0の思考。相手(あるいは自分以外の皆)がK=0で思考していることを読んだ上で、それなら自分はこうした方が得策だと決めるのがK=1の思考。さらに皆がK=1の思考くらいはしてくるだろうと踏んで、さらにその上で自分はどうするか決めるのがK=2の思考というもの。

1997年4月、経済学者リチャード・セーラー提案で英国のFinancial Times紙があるコンテストを行いました。
参加者は0~100の間の整数を1つ選ぶ。
全参加者が選択した数字の平均値に3分の2をかけた値に最も近い数字を書いた人が勝者というもの。
目の前の合理性だけで考えると皆の平均だからだいたい50くらいだろうから2/3は33だなというのがK=0
ということを皆考えるかもしれないから皆の平均が33になってその2/3は22だなというのがK=1
とういことを・・・・・・と限界までつづくと答えが0または1になります。これはK=12相当
誰もがそれ以上有利な選択をできない状態を[ナッシュ均衡]といいます。
そこまで読む人はなかなかいないと思います。実際の勝者は13でこれはK=2に相当するものでした。大部分の人はK=1程度の思考だったということですね。つまり裏の裏をかけば十分であって、裏の裏の裏をかくのは過剰である、ということになります。

といったところで実際にどうハースストーンで生かすのかという話になりますよね。

誘い当て

ここできっかけになったポストの例を紹介します。

後手2T目選択肢はペットを開けるかおとりを貼る

ペットの択は次コインで強そうだが、このターンのパスとハンドばれが弱いかなと。
おとりの場合、今はピックの秘策はおとりが最も警戒されるので今貼ってもスルーされることが多い状況。

しかし無駄に当てることで、相手に爆発の罠?やおとりで当てる意味は?の疑惑と有利交換の誘惑が生まれる

相手の裏目はそのまま爆発の罠かワンダリング(プールにありそうで無い)かクマの罠(あるわけないだろ)でそれこそ最頻のおとりに向かって殴るのが逆に裏目なのになという状況。爆発だったらおいしいくらい。

それでも顔が安定だが、不自然な動きをすると引っかかる事もあるという話

ペットか秘策かの正解はわからないけど秘策を貼って当てないは違う気がしました。
失敗しても次以降リカバリーできそうだからのチャレンジでもあった。

これをレベルK思考に当てはめると、
まず私が秘策を貼って当てないとお互いK=0の思考で順当に相手も顔に来ると思います。
しかし不自然に当てたことで相手は何かあるぞと疑惑が生じる。
K=0の思考で想像すると秘策はおとりが怪しいがわざわざ当てる意味がないので違うと判断し、顔に行くと発動する秘策を避けて有利トレードをしようとミニオンに来る。相手はその方が有利になると踏んで。
しかし私はその裏を読んで、ミニオンに来たらおとり発動で自分が有利になる仕掛け。これがK=1の思考になる。
相手としたら不自然な当て方はおとりを偽装する動きと看破して顔に来ていたらK=2の思考だっただろう。

なるほど。しっかり当てはまります。プレイしてた時は不自然な動きをすると相手もお付き合いしてくれて引っ掛かるくらいの感覚だったけど、しっかり読み勝っているのがわかります。

これ書いてるときに何度もみたからだけど、
おとり貼り当てないで次ペット開けコインミーシャでいい気がしたけど
話に水を差すのでそんな事は無かった。いいね。
実際序盤から4/3でガンガン行けたし。プリ相手だし。これで勝ったし。

Aoe狙い、爆発の罠や炎の護り待ち

時折、爆発の罠や炎の護り待ちや全体除去が得意な奴らが次のaoeで一気に捲るぞというのが見え見えな場面に出会います。
他に動きがないとか、ケアされるのが前提の動きなら良いのですが、
大量展開を待って一掃を狙うならやめたほうがいいです。
十中八九ケアされて負けます。
しかし駆け引きの可能性もあります。

露骨な炎の護り待ち。

なのでこちらもそのまま突っ込むわけにはいかず。。まぁ不利ではないのでどっしり構えるのがセオリー。次トップがキノコ堀りだったので5/3につけて5/2から殴ってやっぱり炎の護りでした。
しかしこの場面もし相手がアイスバリアで堂々とこの動きをしてきたらどうでしょうか?K=1の思考ですね。おそらく引っかかりますがこの場面なら急いでないのもあってこちらは余計なリスクは取らないでしょう。
しかしもしお互いリーサル間際でその駆け引きが仕掛けられたらどうでしょうか?冷静に考えるとミニオンを失うとしても行くしかないのですが、切羽詰まった状況だと正しい判断ができなくなるという効果もあります。
仮に突っ込んでミニオン全滅なら負け濃厚という状況だったら簡単にはいけないですよね。
まぁ実際にはほかの要素(何勝帯かとか間の取り方)で判断しますが。

不自然なトレードをしてきたら駆け引きの始まりです。
なんかaoe狙ってるなってのはよくある駆け引きで、何度も経験があるのではないでしょうか?勝帯が上に行くほど、些細な駆け引きを感じることが増えます。露骨な誘いは減ります。
秘策のような二択の場合、裏の裏は表のように、深読みした場合と、何も考えなかった場合でも結果は同じになります。しかしその過程には迷い方だったり場合分けでプランを練る様子から相手の深度が測れます。
勝帯やそういったプレイングからレベルK思考で相手がどのくらい読んで来るのかを意識しながらプレイ出来ると新たな楽しさや発見があるかもしれません。
うまく駆け引きができれば展開を有利に進めることもでき、勝率に寄与する要素に成りえるので、余裕があったら意識してみるのもよいかもしれません。

漫画紹介

私がレベルK思考の話を知ったきっかけは漫画「今際の国のアリス」で前述の番号選びゲームをモチーフにした美人投票(経済学用語でもあります)ゲームが描かれてたところからでした。このルートで知った人は多そう。

少し自分語りと漫画紹介。
私はデスゲーム物の漫画が好きでいくつも読んでいるのですが、今際の国のアリスはその中でもトップクラスに面白いと思っているので、読んだことが無かったら是非読んでみて下さい。
少年サンデー系、デスゲーム、心理戦、 全18巻 続編も少し。
見てないけどnetflixでドラマ化が少し話題になってたかな。

中編に続く


【中編】情報アドバンテージと心理

ここでは少し話題を変えて勝率が上がる(だろう)テクニックを紹介します。
私も常にやってるわけでもないですし、やったからといって勝率にどれだけ寄与してるかも分かりません。ですが効果には根拠と自信があります。

まずどうしたら勝てるようになると思いますか?
事前に相手のデッキの中身が知れたらとか
もしくは相手のハンドが全て見えていたら勝てるでしょうか。
それなら流石にかなり勝てるとは思いませんか?

ボードアドバンテージ、ハンドアドバンテージを意識することは多いでしょうが情報アドバンテージはどれだけ意識しているでしょうか。
さすがに全てを知るのは不可能ですが、状況によってはハンドの何枚かや相手の残りデッキの傾向を知ることができるかもしれません。
情報に関してはツールがあったほうが有利なことが多いので、HSReplayかFirestoneの使用を推奨します。

①マリガン

ツールがなくても知れるけど、あると便利な基本情報。
人によって気にしてなかったり、何枚変えたかくらいは見たりとそれぞれなんとなくで見てる人が多いのではないでしょうか?
ポイントを押さえて見ることで得られるアドがあるかもしれません。

マナカーブが重要な闘技場でキープをするならヒーローとタイプにも寄りますが、基本的に先手で3枚なら123か234、12α、23αと低マナ+キーカードのキープになると思います。2枚だと低マナの優先度が上がり12か23辺りになると思います。同様に1枚なら1か2が多くなりますが、1,2が多いデッキで強い3をキープということもあるかもしれません。その辺は慣れで。

そうして相手がキープしたカードが見えたとき、納得できるドロップではなかったり、きれいなマナカーブで出てこなかった場合、相手はとりあえずで低マナキープしただけとも思えるので、深く考えないタイプと読めるかもしれません。
マリガン速度も同様に、自分が早めに済んだのにそれより速かったらあまり深く考えないタイプ。考えた自分より遅かったら、熟考タイプと大まかに判断できる可能性があります(その後のプレイテンポと合わせて判断)
熟考タイプは注意。

また、キープしたのにすぐに使われないのはどういう理由があるときでしょうか?
・キープしたカードより強いカードを引いた
・保険用の除去カード
・キーカードやパワーカード
といった理由になると思います。
あまりないですが仮に3枚キープして123ターンでキープしたカードを切らずに1パス2、3は引いたカードを出してきたとします。それが強めのドロップだったなら、おそらく相手のハンドには弱めかドロップじゃない2,3マナが透けて見えることになります。次ターンにキープした4マナが出てきたら2,3マナはより濃厚に(234でキープした可能性から)、もしトップの4マナなら残りの1枚はそれより弱い4マナかキーカードを握っていると仮定できます。
常に理想的な読みにはならないと思いますが、それでも相手のハンドのいくつかがうっすら透けて見えたり、温存してるキープカードが被った序盤のカードなのかキーカードを握っているかのヒントがあるだけでも戦いやすくなると思いませんか?

これは理想と想像を重ねた話なので具体的な方法を提案すると
・相手のマリガンキープの枚数を確認する
・キープ枚数に合わせてマナカーブ、カードを想像する
キープしたカードを全て確認するまで意識しておく
特に3番目が重要で、最後まで意識を置いておくことで、相手が握ったり迷ったりから見えてくる事があります。また答え合わせにもなるので精度も上がっていきます。

相手全キープ
1,2と順番に出してきたが3Tヒロパ

これで3ドロップではなく3以下の除去か夜半狼(濃厚)か4ドロップ(薄い)の想定ができる。

6ターン目ヒロパとトップシャーク

夜半狼を恐れていたのにこの動き、これで4ドロップでもなく3以下の除去とほぼほぼ確定できる。ここからずっと1枚透けてるようなもん。

やっとお披露目。なるほどね。

というように相手の1枚が透けてるだけでも優位に進めることができました。

ちなみに後攻の場合は
4枚  2234、1334、1244、223α、133α、
3枚  223、133、124、22α、123
2枚  22、33、12、13、23
1枚  1、2、3、α
といった辺りがベースになります。
これらは自分のキープ目安でもあります。

②出し順

プレイヤーには基本的に優先度が高いカードから出す癖というか習性があります。どういう事かというと特に終盤の耐える場面でよく見られるのですが、相手はハンドに次両方使う予定の挑発と、除去や打点を持っているとします。
その使用順で先に挑発を出したらヘルスを守りたいという意識が高く、除去や打点が先なら攻める意識が残ってるという読みになるという話です。
これはそのターンにやることを全て決めてから動く熟考タイプ以外の多くの人に該当しやすく、また熟考タイプでも意識してないと心理的にはそうなりやすいものです。
なぜかと言うとヘルスを守りたい時に挑発を後にして勘違いで出せなかったというミス。誰しも一度は経験がある事でしょう。そしてそのショックと共にミスの反省から自然と優先するカードを先に出す癖というのはできてしまいます。習性というか正しい反応といえるのですが、それを逆手に取る人もいるということです。
どちらも出せるのに挑発が先なら、守りたい意識が高く回復に自信がなさそうだなとか、除去や顔打点が先なら攻め気があるからまだワンチャン狙っているなと警戒することができます。
最近のメイジならグランドフィナーレを使う前のターンに他の動きもするにしてもエレメンタルから出したりとか。
終盤以外でもこの傾向はあるので、相手の特に最初に使うカードを意識することで相手の狙いが見えてくることがあります。
先ドローや先発見も対応を探しているか選択肢を増やそうとしてるかは間の取り方がヒントになりえるので苦しそうに見つけたaoeには強気で再展開したり相手の嫌がる動きを狙えるとよいですね。

③不合理な動き

カードによっては強いけど少し予備動作が見えるものがあります。
相手がそれを無理目に狙ってくると不自然だったり不合理な動きをします。
今の環境で例を挙げると
・メイジのグランドフィナーレ
前ターンの動きもそうですが、マナが余っているのにシンセサイズやスイーツサイクロンの中身を温存する動きとか。
・デモハンの夜半狼
マナがずれても端から切ってきたり、そしてその先に温存キープや事前予習したものがあったならとか。
などは強いですがわかりやすい動きですね。
・ドルイドのレアストラーザ
ドラゴンドローとマナ加速に積極的。
・デスナイトのクライマックスデスDIE爆発
死体消費を優先する。
といった、強力なレジェンドに寄せたデッキ構築とプレイングも普段と違うカードや動きをするときがあります。
このように何かを狙っていたら、大なり小なりそのサインが見えることがあるのでデッキの傾向やプレイングからこれ有りそうだなというのを常に意識しておくと、逆算して相手の一歩先手をとれるかもしれません。

これらは少し意識するだけで得られる情報です。

相手も人間なので必ずそう動く訳でもないですし、状況によっても変わってきます。大事なのは相手をよく観察すること。触っているカード、出し順、間の取り方等様々なことから情報は得られます。

またこれらの手法、特に出し順とマリガンのテクはゲームに、盤面に、相手のハンドに【集中】するという副次的効果があります。
前提であり勝つために重要な事ではあるけど、あまり意識はされない要素です。手法を意識することで自然とプレイに集中出来るのでテクの効果と合わせてかなりの寄与があると思っています。

是非実践してみて下さい。
これらの情報アドが実感できるようになったら次のステップです。

後編に続く


【後編】情報と心理と駆け引き

さて前編では駆け引きについて中編では情報アドバンテージについてやってきましたが、後編ではそれらの集大成といった感じになります。

その前に
中編で扱った情報アドバンテージの効果は得られましたでしょうか?
すぐに実感出来ることでもないかもしれませんが
少しでも価値を感じたのなら

逆にその情報を相手に渡していませんか?

自分が得られるなら相手も得られます。
マリガンはどうしようもないですが、行動が定まっていないけどとりあえずで動き始めていませんか?そういう時も大体優先順になりますよね。
勝帯が上がってギリギリの勝負が増えると、見ている人は見ています。多分
そしてそれが勝負を分ける差になるかもしれません。

注意ポイントをいくつか紹介します。

自分が渡している情報
①出し順
これは中編で紹介したプレイヤーの癖ですから、知ってさえいれば適当に出せばいいだけです。というよりは、そのターンプレイするカードを予め想定してから使い始める癖をつける方が大事です。とりあえずで動き始めると、後からこっちの方がよかったという明らかなミスも増えますし、前述したように優先順で出しやすいので読みやすくなります。
初めは面倒でも慣れれば気にならなくなるので手段としては推奨します。

②ハンドと矢印
これは初歩的ですがミニオンを出そうと握っている動きや呪文のあて先の矢印は見えるので対象を選ぶ何かがあるなとバレます。また自分の盤面や相手の盤面をなぞるのも何か数えてるなとなるので、読まれます。必要以上にハンドや盤面に触るのは控え、使うものは想定してあまり迷いも見せない方がよいでしょう。

③間の取り方
あまり気にされづらいと思うのですが、序盤に出すものがなかったり、出せるのが1枚しかないときに、即ターン終了や即出し終了をするとそれしかないと言っているようなものです。キープ情報と合わせるとやや透けます。また、発見の即ピックとか当たりを引いたと言ってますし、押してるときはまだしも受けている時に迷いのない切り方からの即ターン終了とかも次以降なんとかできる準備があるように見えます。

マナ的にもだがストーンセンチネルに対してジャガーノート、ターンエンドが早すぎた。
なので上から踏まずに徒弟に聖盾を付けます。(案の定爆ガメ)

というようにカードの切り方、間の取り方だけでも多くの情報が読み取れてしまいます。それがどの程度勝負に影響するかはわかりませんが不利になる要素になりえるなら極力減らしたいものです。
毎ターンロープを出してbotのように一定のリズムでプレイしろとは言いませんが、常に一呼吸置いてプレイできるとミスも減ってよいかもしれません。序盤は相手のマリガン予想やプレイ展望に少し時間を使ってみるのもおすすめです。

ここまで出来てやっと下準備完了です。最初に戻ります。

改めて今回のテーマは駆け引き

前編、中編、後編と様々な事をお伝えしたと思います。
ここまでの知識で出来ることが色々と増えたのではないでしょうか。
するとどうなるかというと駆け引きの引き出しも増えているはずです。
秘策の読み合いだけが駆け引きではありません。

出し順とレベルK思考

少しおさらいもかねて
プレイヤーは基本的に優先度が高いものから出す癖というか習性がある。
特にピンチの際にその傾向が強く、その動き方からハンドやデッキの中身が読まれる可能性があるという話。
これはK=1の思考になります。  (レベルK思考は前編で)
もし上の勝帯や相手のプレイングから、出し順からも読んできそうだなと思ったらK=2の思考で駆け引きを仕掛けることができるかもしれません。
相手が読んでくるなら逆に勘違いさせるという狙いです。
前の話をなぞるとギリギリの状況で挑発と除去と打点を握っていて次出すものは挑発と除去で変わらないが、打点を隠して相手の動きと次の引きでワンチャンあるかもしれない場面。あえてすぐに挑発を置いて守りたいアピールをしつつ、やや迷ったふりをして除去を切るという動き方。
相手には(守りたくて必死やな、少しでもこっちの打点削るんも健気やなぁ)とこちらが困り気味で弱気に見え、無理やりリーサルを探す動きまではしない判断(結果論ここが分かれ目になる可能性)に誘導できるかもしれません。
もし押せ押せで除去を先に切って余ったマナで挑発を置くという気持ち強気な順番なら(こいつ打点計算して除去しとるな…次リーサルの算段でもあるんか…もしかしてこっち次無理にでもリーサル探さんとまずいんか…)と。
同じ動きでも受ける印象は違ってくると思います。
慣れてないとあからさま過ぎたり不自然さが出てしまうので、演技力というか相手にどう見られてるかを意識しながら行うといいでしょう。
意識して回数を重ねると上手くなった気がします。

こんな風にうまく駆け引きが仕掛けられる状況になることも中々ないかもしれません。しかしトレードとは基本的にプレイングですが同じ当て方でも
多くの情報や駆け引きを含んでいると思っています。

これは12勝をかけたハンターミラーの死闘です。
中盤ハントレス2連打からネズミの王と中盤から押され気味の展開を乗り越えてのトップ勝負突入

相手ヘルス9でこちらは12。殴ってるこの7点を顔に行っていたら次にヒロパで勝ちが見えていたが、嫌な予感と次ターンの盤面でもぎり足りてる判断での処理。

相手のハンドは達成済のピエロだったので処理じゃなきゃ負けていた。
神回避だけど、相手の間の取り方から余裕というか何かを読み取ったと思います。
その後少し進み相手6こっち11で秘策はおとり作戦

この場面、相手は盤面でリーサルだったが私は探検竜、ポチャドラ、ヒロパとスムーズな動きでさも秘策で耐えれてるかのような駆け引きを仕掛けます(凍結、爆発なら耐えてるように見える)

迷いを見せたらばれてた可能性もあった。相手は迷いつつも追跡術からアップルバウムが見えたのもありトレードに来てくれた。
その後2ターントップ勝負をし最後はシャーベットショップを引かれ惜しくも敗北。何度もピンチを乗り越えチャンスも作れた名勝負だったと思う。
よかったらリプレイを是非。終盤のトップ勝負からのボードがまさに天秤。というようにこのレベルだと細かい駆け引きが効いてくるという話でした。

デッキリストを見ても弱くはないけどゆうて凡といった印象

とても12勝デッキ(してないのだが)には見えない。パワーがないからこそ、ここまで細い綱を渡ってこれた要因として駆け引きを駆使したか、ただただ運がよかったのか。これは上出来な例ですが、駆け引きによって3勝が4勝に7勝が8勝になることが増えれば成績に寄与している実感も増すことでしょう。

まとめの前に

ところで
相手が触っているカードが光ったり持ち上がったり、矢印が見えたりは何のためにある?これ必要か?と思ったことはありませんか?実際相手には見えなくても機能的には問題なく思います。

Blizzardという会社がデジタルカードゲームが一般的ではなかった時代に
どのようなアプローチでTCGをデジタルに落とし込んでいったかということです。ゲーム性の要素をどこまで取り込むかという話の中で駆け引きの必要性と情報開示の観点からこの様になったのかもしれません。それかいきなり結果だけ見えてもビジュアル的に味気ないからかもしれません。デジタルだからこそしっかり相手が存在することを示したかったのかもしれません。

そんなこんなで相手を見れるというより感じられる部分
今回紹介した以外にも使える要素はいくつもあります(エモートとか)
私は冒頭でハースストーンは相手のターンに介入出来ないので駆け引きの要素は少ないと思われていると言いましたが、前編、中編、後編と読んで印象は変わりましたでしょうか。
ハースストーンのシステムで見えている相手の動きの全てが情報で、
ほとんどが駆け引きだと思っています。
相手の迷い方や切り方や間の取り方を見たり、相手も見ているかも知れないから、たまにフェイク的に間をとったり、発見で迷ったふりをしたりもできます。そんな意識でやってると、あっ相手今引っかかったなとか、苦しそうだなとか、不自然なトレードしたから何か狙ってるなという相手の考えが何となく見えてきます。
何気ない挙動から何かしらの情報を得たり、駆け引きで相手を多少なりともコントロールが出来れば勝率に寄与できる部分が多くなるのではないかなと思っています。

まとめ

私の中では
対ゲームがプレイング要素(技術)、対人が駆け引き要素(心理的技術)
プレイングは正解がある、駆け引きは正解はない(結果論はある)
なのでピックはプレイング(技術)。マリガンもプレイング(技術)。
トレードにはプレイング(技術)と駆け引き(心理的技術)の両方が必要と思っています。
プレイングには正解があるので、上手くなれば勝ちに直接寄与します。
駆け引きには正解がないので、上手くなっても勝ちに直接は寄与しないかもしれません。

駆け引きは相手とのコミュニケーションであり、正しいプレイングという共通認識を前提として成り立っているものと思っています。なので、相手の違和感というのも正しい(だろう)動きを知っているからこそ感じられるのであり、そういう意味では中、上級者向けと言っても過言ではないかもしれません。今回の内容を意識するのことも大事ですが、基本的なプレイング、
トレードの重要性を軽んじないように注意は必要です。
駆け引きだけでどうにかなることは少ないです。
不合理が合理に勝つことは1%もありません。

私の中でも今回の内容が上級者向けなのか異端者向けなのかの疑問はあります。結果が正義かもしれませんが。
今はコスパやタイパのように労力の割にいい手法や即効性のある裏技を求める傾向にあると思います。しかしこの情報社会で誰も知らない抜け道などなかなか無いでしょう。今回の内容も既存の情報の組合せですし程度はどうあれやってる人はいると思います。
闘技場でも使うカードは変わるけど、ピックやトレードと言った要素が大事なのは変わっていません。やれることが限られてる中でこういった方向の
技術を追求してみるのも一つの道ではないでしょうか。
突き詰めた先にまた新たな道が開けるかもしれません。
そしていつの世もそういう道を見つけるのは異端者です。

対戦相手が必ず回線負けする方法の模索も一つの道かもしれません。
自分にはできないので。。もし見つけたらご一報ください。

                                                                                            fin        

あとがき

お疲れ様でした。
これだけの長文を読んでいただきありがとうございました。
長くなったので前中後編に分けましたがいかがだったでしょうか。
初めはレベルK思考の話と今際の国のアリスの紹介のつもりだったのですが、書いていく内にこんなことになってしまいました。
1万字超でしたがちゃんと読める内容になっているかが心配です。
私としては全体の流れや読みやすさ、序盤で駆け引きは少ないと思われている、として後編で再度問う展開やちゃんと結論やオチに持っていく構成とかいろいろ考えて書いたつもりです。
この構成というのが長文ならではで難しくもあり考えてて楽しい部分でもありました。(内容はそれに合わせて後から合わせた部分もあり)
この量を書ききったのは満足感と達成感があります。
後は内容の共感や承認欲と睡眠欲を満たしたいとこです。
何だこの妄想はと思った方も少なくないかもしれません。
本気のメタ戦術です。
私がそれなりの時間を闘技場に費やして考えた技術や戦術です。
説明に使うスクショも書きながらあれ使えそうだなとすぐに見つけられる程度には身についています。
ここまで読んで少しでもなるほど、有りかもとか面白い、興味深いという感想を持っていただけたら幸いです。
そこから新たな技術や発見が生まれることを期待します。

今回の内容は構築でも使えることもあるでしょうし他ゲーや日常にも応用が効くこともあるかもしれません。
趣味や興味もつなげていくと新たなアイデアだったり発見があるものと思っています。
何事も引用と応用です。

また興味深い話に絡めて何か思いついたら書くかもしれません。
そんなんで今後も闘技場を中心に楽しんでいきたいと思っていますので
お気軽にXとかで絡んでください。
闘技場人口とランキング挑戦者が増えることを願っています。。


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