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【闘技場研究会】          ワイルドプールの発見について②

「ウィズバンのワークショップ環境」

はじめに

今回は前回の最後にやり残した検証をしたくなったのでその話。
こちらからの方は前回記事から読んでください。

テーマは引き続きワイルドプールの発見てどうなっている?

前回の検証で発見の確率がいじられているのではないかという仮説がたったので、発見の仕様を確認して元々そういう設定だとか、なにかの条件でそうなっている可能性がないかを洗い直してきました。
結論としてはそういったものはなく、指定された条件(あれば)のクラスカードと中立カードで構成され、中立カードとクラスカードは均等な割合で選択されます。といった感じで認識外の情報は特にありませんでした。

・ヒーローのラグナロスで中立の発見をするとランダムなクラスとして使用されるというトリビアはありましたが。。

また昔からやっている人はご存じだと思いますが、Patch15.2(2019/09/11)以前は自ヒーローのクラスカードは中立のカードに対し4倍の確率で出現する仕様でした。クラスと中立が1:4だったので同じくらいになるように調整されていたようです。その後発見の指定範囲が狭くなるにつれて、一部のプールでよくないことが増えた為この4倍の仕様がなくなったという経緯があります。

ここからわかるのは発見の出現率は調整できるということです。

そして前シーズンから始まった、全ての拡張版のカードが含まれ、発見もワイルドプールになる環境。
これを決めた際にテストプレイか何かで発見弱くね?となって、
クラスと中立の調整じゃ呪文発見に対応できない。。となって、
スタンワイルドの出現率調整に至ったのでは?という妄想まではしました。

前回のおさらいと現在の仮説

前回のメイジの検証を振り返ってみると、2マナ発見のデータでは2マナプールの総数と割合はスタンとワイルド(スタン以外を指すものとします)で 60:241≒約1:4でしたが、集計では1:1.33とプール比の約3倍スタンのカードが出ていました。しかしこれはサンプルサイズが7回の21枚分しかなかったので、心もとないとしつつも最初の基準としました。

今回の裏テーマとして、どれだけのサンプルサイズがあれば(私の主観で)信用に足るデータになるのかというのも探りたいと思っています。

続いてメイジの呪文発見のデータについて、スタンとワイルドの比は
40:106≒約1:2.65です。追記したデータも合わせた集計では
約1:1.2という結果で、プール比の約2.21倍スタンのカードが出ていました。
サンプルサイズは44回の132枚分と2マナの6倍以上はありますが、
総数分には届いていない量なので2マナよりは精度はありそうだがまだ足りないかなといった印象でした。
それでも両方の検証でプール比よりスタンのカードが出ている説を後押しする結果が出たと思いますし、2マナ発見のデータも参考にしつつもより精度の高い呪文発見のデータから、
ワイルドプールの発見確率は調整されており、スタンダードのカードがワイルドのカードの約2倍近く出やすくなっているのではないか。
という仮説に行き着きました。実際に調整されてたとしても2倍出やすいというのはしっくり来るというメタ読みもあります。
提示されないカードについては、疑わしい候補はいるものの、個別の視点だと明らかにサンプルが足りず保留となっています。

今回の内容はデモハンの発見の検証です。

新たなデータによって仮説の補強になるか、反例を示すかでより深い分析になればと思っています。
データとしてはシーズン44で使用したデモハンの予習と悪魔発見に着目しました。
デモハンは勝率のトップグループにいたので優先度が高く、勝ちやすいので試合数も多く、また悪魔発見のカードも多かったのでとてもサンプルがありました。なのでまとめるのは少し大変でした…が慣れてきたのでながら作業で数時間といったところです。

イリダン党の予習

まずは予習による異端発見から。
数字はスタン:ワイルドの枚数

19:8
16:11
17:7

異端のプールは
ワイルドで22枚、スタンダードは10枚なので
スタンとワイルド(スタン以外)の比は
10:12≒1:1.2になります。

提示回数は26回なので78枚。プールが狭いので総数の4倍に近いデータを集計するとスタンとワイルドの内訳は52:26だったので2:1という結果になりました。1:1.2に対して2:1となりプール比の約2.4倍出ている結果に。この結果もスタンがワイルドの約2倍出ているといえる範囲内に収まっているのではないでしょうか。

また個別にも着目してみます。
一番気になる夜半狼について。
プール全体が22枚なのでそこから3枚提示した時の確率は13.6%。26回での期待値は3.5回の所、数えてみると26回のうち5回提示されています。個別のカウントではサンプルが少なく誤差の範囲かもしれませんが期待以上の数字です。スタンが多く出るなら妥当な結果ともいえますが、13%が20%になっている事を知っているかで6ターン目以前に使う判断に変化があるかもしれません。これだけでもなかなか有用な情報ではないでしょうか。

悪魔発見

次にメインの悪魔発見について。
この環境、新カードのウィンドウショッパーやブースターボックスで2枚発見やネザーウォーカーがおり、やたらと悪魔が発見できます。またウィンドウショッパーは自身も悪魔の為、発見からも出ますしブースターボックスも予習や呪文発見から引けます。そして当たりも多いので悪魔発見が勝率を支えていると言ってよいでしょう。平均しても1試合に1回以上発見しており、多いと6回している試合もありました。
ということでサンプルサイズも多く128回分384枚のデータがありました。

22:26
17:31
15:33
16:32
10:38
14:34
17:31
12:36

分析する視点だとまとまった素データにワクワクしましたが、冷静になるとちょっと量に引いてます。。

悪魔のプールは
ワイルドの中立が31枚、クラスカードが37枚
スタンダードの中立が2枚、クラスカードが10枚
ワイルドから出ていないレガシーの中立1枚とクラス3枚を引いて、
新参デモハンの4枚(バトルフィーンドは被り)も引いて
スタンとワイルド(スタン以外)の比は12:48≒1:4になります。

提示回数は128回なので384枚。スタンとワイルドの内訳は
123:261だったので1:2.12という結果になりました。
1:4に対して約1:2.12となり約1.89倍という結果に。
これも2倍に近い数字を示しています。

結論は後でまとめるとして、これだけのサンプルがあると見方によっていろいろな発見があるかもしれないと思いました。

総数60に対し384枚見えているので単純に平均すると1枚当たり6.4回見る計算になります。その上でいくつか個別に注目してみました。

・未発売マグゼリドン12回
新カード、スタン、クラス、レジェ
・謎の監視者12回
新カード、スタン、中立、レア
・多重面の音楽体9回
スタン、中立、レジェ
・深淵のザイラグ9回
ワイルド、クラス、レジェ、超大型
・ウィンドウショッパー7回
新カード、スタン、クラス、エピ
・憤怒のプリーステス7回
ワイルド、クラス、レア
・ヴォイドハウンド6回
ワイルド、クラス、エピ
・旧マグゼリドン4回
ワイルド、中立、レジェ
・卓上インプ4回
ワイルド、中立、コモン
・路上のトリックスター3回
ワイルド、中立、コモン、大洞窟の被りが影響するか

というように、様々な条件で抜き出してみると、結構明確に差がありました。この抜き出しでスタンとワイルドだけでなく、クラスと中立でもクラスカードが出やすい疑惑が浮上しました。レアリティの影響は薄そうかも。
クラスと中立の分け方で全体を見直してみると、プールはどちらも30枚で1:1でした。384枚の内訳は中立158:クラス226≒1:1.45と
約1,5倍近くクラスカードが出ていました。
スタンクラスとワイルド中立ならおそらく約3倍差になるとも思われます。

もちろん同条件(ワイルド、クラス、コモン)で11枚と3枚のようにブレか他の理由かのような例もありましたが、全体の傾向としてスタン補正と共にクラス補正もあるのではという仮説も立てられそうです。

裏テーマの検証とまとめ

一通りの検証が終わったところで裏テーマのどれだけのサンプルサイズがあれば(私の主観で)信用に足るデータになるのかの確認をしつつまとめに入っていきます。
前回と今回の検証、サンプルサイズと結果で見比べてみると、
メイジ2マナ発見検証は総数301に対して21で約7%のサンプルサイズ
結果はプール比約1:4に対して1:1.33となり約3倍出ている結果に
メイジ呪文発見検証は総数146に対して132で約90%のサンプルサイズ
結果はプール比約1:2.65に対して1:1.2となり約2.21倍出ている結果
デモハン予習発見検証は総数22に対して78で約354%のサンプルサイズ
結果はプール比約1:1.2に対して2:1となり約2.4倍出ている結果に
デモハン悪魔発見検証は総数60に対して384で約640%のサンプルサイズ
結果はプール比約1:4に対して1:2.12となり約1.89倍出ている結果に

こうしてみるとサンプルサイズだけでなくサンプル数を重ねることで精度が増すというかより立体的な情報になると実感します。
そして仮説の通り2倍辺りがちょうどよく思えます。
それに一番近いのがやはりというかデモハンの悪魔発見検証で、次にメイジの呪文発見検証が続きました。調べた感覚としてはサンプルサイズは200%~300%(総数の2~3倍)はほしいかなといった印象です。
しかし100%弱のサンプルでも、なかなかに方向性はつかめる印象もあるので、個人のデータでも今回のように何かを見つける手掛かりになりうると思いました。
今回の検証では仮説を補強する結果を示せたと思います。
改めて検証で補強された仮説をまとめると
闘技場のワイルドプールの発見確率は調整されており、スタンダードのカードがワイルドのカードの約2倍出やすくなっている。またクラスカードも中立の約1.5倍出やすくなっている。
とします。

※それでもあくまで一個人の数十試合分のデータでしかない点と、私の主観によるバイアスが掛かった分析によるものという点を念頭に参考程度の情報と思ってください。

情報の効果

仮に今回の仮説が事実だったとして、それを既知かどうかでどんな影響があるでしょうか。
そりゃあより精度が高い情報があるに越したことはないという前置きをした上で、この情報を知ったからといって何が変わるんだという意見もあるかもしれません。
今の発見は特に特定のカードを狙えるわけではないので、結局は提示された3枚からより高いパフォーマンスのものを選ぶという事象に変わりはないので、結果にはなにも影響はしない。という考え方もあるかもしれません。

変わる要素と言ったら夜半狼のところで書いたように、使うタイミングや、あれかあれが来ればという想定時の精度修正。
またデッキのピック時も含め、(全ての発見が弱い訳ではないと)個別に発見カードの評価に修正が入る。
といった辺りでしょうか。
今後の研究余地としておきます。。

あとがき

いかがだったでしょうか。
内容に関してはなかなか自信があり、これを気にして検証した人は少ないと思うので独自の情報と言ってもよいのではないでしょうか。

今回に限らずですが私の記事はかじった程度の知識をベースに、正しい情報よりも読んで面白いと思える内容にしたがる癖があるので、確証バイアスだったり自分でも内容に歪みがあるとは思っています。だからといって全くの出鱈目を言ってるつもりもないので、面白さ、興味深さ、有用性をそれとなく感じていただけたらと思います。
今回みたいな分析や考察は趣味ですが、【HS闘技場研究会】は闘技場平均勝率を上げる知識や情報になればいいなと思ってます。
#HS闘技場研究会のタグで情報とか意見を求めたりもするので反応があると嬉しいです。目撃情報とか一人でできることには限界があるので。。

また今回有料部分にしたのはこの機能を使ってみたかったからです。
料金は最低にするか最高にするか迷ったくらいどうでもいいので、今後もお金を取ろうとは(取れるとも)考えていません。
拡散すれば無料というのが続きを読みたいという意思がわかっていいかなと興味深かったので試しにやってみました。
誰にも読まれないのが一番寂しいので、今後も様子を見ながらいろいろ試したいと思います。
そんなに書くことがあればいいのですが…

また興味深い話に絡めて何か思いついたら書くかもしれません。
そんなんで今後も闘技場を中心に楽しんでいきたいと思っていますので
お気軽にXとかで絡んでください。
闘技場人口とランキング挑戦者が増えることを願っています。。


追記  5/14 ブームの爆々博覧会 パッチノート公開

5月15日に、進行中の闘技場の挑戦は期限切れになり、新たな闘技場シーズンが始まります。
「闘技場」のルールとドラフトプールは、「ブームの爆々博覧会」のカードがプールに追加されるだけで、ほぼ現状のままです。ただし、ランダム生成および発見のプールは更新され、「灰に舞う降魔の狩人」以降のカードのみが含まれるようになります。

とあったことで、発見プールの調整の確信度が上がりました。
予想以上に運営が闘技場での発見やランダムによるゲーム性とバランスを気にしていたんだとも思いました。

さて実際どんな変化があるでしょうか。
そのまま受け取れば、古い弱いカードが消えて発見強化されるなぁと思いますがそうではないと思います。
今のままなら今回見つけた
スタンダードのカードがワイルドのカードの約2倍出やすくなっている。
またクラスカードも中立の約1.5倍出やすくなっている。
があるので古い中立が減るだけになるデモハンとデスナイトの強化にしかなりません。
そんな調整をするでしょうか。(しないとも一概には言えませんが)
現状を考えるとデモハンの発見やデスナイトの発見は目に余る部分があるのでおそらくその辺を意識した調整になるはずです(メタ読み)

とするとプールの絶対数を調整するならば出現率を(恐らくフラットに)戻してバランスを取るのではと考えるとしっくりきます。
初期ヒーローは同じかやや強いくらいでデモハンとデスナイトを弱めることができるからです。
なぜかというと。。

灰に舞う降魔の狩人以降で区切っているのがポイントですね。
基本的に古い弱めなカードを排除する目的ですが、デモハンやデスナイトにとってはクラスカードは消えないで中立の弱いカードだけが消えることになります。それだと強化にしかならないのですが、確率フラットがポイントで
わかりやすい例を出すとデモハンの異端発見。
降魔以降なので異端プールに変化はないと思いますが、同じプールで出現率がフラットになっていたら夜半狼は出づらくなるということです。
悪魔やアンデッドにしても古い中立が減ってもプールからスタンが出づらければトータルでは弱くなると思います。

まとめると
・元々出現率は調整されていた(スタンとクラスが出やすい)
・既にデスナイトと特にデモハンの発見が強い
・調整をそのまま受け取れば恩恵が多いのもその二人
・ピックプールの調整ほぼなしと発見の調整を明言した
から考えると
発見の出現率フラットでデモハンとデスナイトの相対的弱体調整という結論になります。
そして発見やランダムは比較的ましなカードは増えるけど以前よりスタンが出づらいと思われるのでより柔軟な対応が必要になると予想されます。

運営の思考をトレースするとS44から10周年記念特別な闘技場ヒャッハー
➡発見どうする?全部でよくねw
➡あこれやばいわ、ごみしか出ないw
➡じゃあ確率いじるか。スタン2倍でレガシーは消しとこw➡リリース
➡スタンの割合が多いと有利じゃね、デモハンいかんw
➡新しめでプール区切って等倍ならどうだ←今多分ここ

まあ実際はやってみないと(やっても)わからない部分なので新環境を楽しみにします。
今回の内容から、運営もバランス調整の試行錯誤をしているなといった印象を受けますね。

この研究や予想が当たっていれば面白いし少しは役立つかなと思います。
話としてはしっくりくるのでそうであってほしいな。
また何か新しい研究や発見があれば書きたいものです。


ここからは余談ですが前回調整入れた割に変動が少なかったので今回サイレント調整はあるかもしれません。デモハンとデスナイトは発見で調整するにしてもシャーマンが明らかに強い新カードも追加で手がつけられなくなります。
星に願いをを第一候補として、いくつかの出現率は調整される(べき)と思います。



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