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【特撮の話】「機界戦隊ゼンカイジャー 素顔の戦士たち公演」が今までで一番良かった

毎年この時期になると、絶対に足を運ぶのが、東京ドームシティ。
スーパー戦隊が最終回を迎える2~3月の期間に、演じているご本人がシアターGロッソに登場する、いわゆる「素顔の戦士たち公演」に行くことが恒例行事となってます。

過去、「手裏剣戦隊ニンニンジャー」以降、チケットが取れなかった「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」と、コロナ禍で中止になってしまった「騎士竜戦隊リュウソウジャー」以外は見に行っていますが、今回の「機界戦隊ゼンカイジャー」はこれまでの公演の中でもダントツに面白い、多幸感に溢れた公演になっていました。

ちなみに3/21(月祝)で千秋楽です。配信もあるので是非。
ネタバレを含むので、これから見る方は見たあとに読んでください。

明るく楽しく時にカオスなゼンカイジャー

本編の方でもカオスな展開が目立ち、公式に「ゼンカイ脳」という言葉が生まれるほど混沌としつつも、徹底的に明るく作られたゼンカイジャーの作風がシアターGロッソでも炸裂。

本公演では「ステージワルド」という敵が登場し、敵の術中に陥れられたゼンカイジャー一行が、用意されたステージの中で役を演じる、というスペシャルな内容が展開されました。

ロミオとジュリエット、新選組の池田屋事件、バトル・ロワイアルをオマージュした学園モノと様々な展開の中でキャラクターが動きます。

顔出しの俳優たちは一日に何公演もやるのでおそらく毎公演違うのであろうアドリブがふんだんに含まれた、本人たちが楽しんで演じているのが伝わってきて、こちらも楽しくなってきます。

キカイノイドの4人もそれぞれの個性がよく出た演技でした。特に、上記画像のガオーンの階段落ちは着ぐるみでこれができるのかと思うぐらい迫力がすごかったです。

本家の声優が出演

基本的に、ヒーローショーにおいては顔出しの公演であったとしても、変身後の声や着ぐるみキャラクターの声が本家と同じになるということはなく、劇場内のスタッフ等が担当することがほとんどでした。
5人中4人が人間でないゼンカイジャーにおいて、非人間のキャラクターにおけるアイデンティティが声優にあるといっても過言ではないのですが、なんと今回はオリジナルキャストが担当してくれるとの嬉しいニュースが。

実際に見てみると、本編さながらのアドリブの応酬。決して予定調和の中で繰り出されているのではなく、生きたキャラクター達がそれぞれの個を持って話し、動き、戦う姿に、着ぐるみのキャラクターで初めて「本物がそこにいる」と思いました。

シアターGロッソ初のロボ戦

戦隊メンバーがそのまま合体してロボになるのが特徴的なゼンカイジャー。
その特徴がよく出ていたのが、シアターGロッソ初のロボ戦です。

戦隊スーツに比べてロボは非常に重厚感が強く、目の前でロボが動く感動は言葉にできません。さらに陸戦に特化したゼンカイオージュラガオーンと比べて空戦が可能なゼンカイオーブルマジーンはワイヤーによって飛行する演出が!重厚感あるロボの飛行は圧巻。ロボ戦がメインとも言える戦隊モノなので、今作以降の戦隊でも続けていってほしいですね。

過去戦隊の要素

過去の戦隊の要素がふんだんに含まれたゼンカイジャーですが、本公演でもいくつかの過去戦隊要素が見られました。

まず、今作オリジナルの敵「サタンクローズ」

既視感のある見た目だな、と思いましたが、形状がまるっきり「星獣戦隊ギンガマン」の追加戦士「黒騎士」です。武器まで一緒なので、まず間違いないかと。子供ウケというよりは、一緒に来たお父さんが喜ぶ要素かな、と思います。

そして、「太陽戦隊サンバルカン」の登場。

過去の戦隊を呼び出す能力を持つステイシーザーが呼び出した過去の戦隊。
重厚感の強いゼンカイジャーに比べてシンプルながら躍動感の強いサンバルカンは動きがド派手です。個人的には生で画像左のバルシャークのポーズが見れたことに感動です。

オリジナル展開!ツーカイフリント登場

顔出しキャストの中では唯一変身しない、フリント・ゴールドツイカー。
本編中では体が入れ替わってツーカイザーに変身する描写がありましたが、なんと本公演ではオリジナル戦士「ツーカイフリント」に変身!

兄ゾックスのゴールドに対して妹のフリントはシルバー。
変身後の動きもフリントのキャラクター性を生かした明るく派手めなアクションが繰り広げられていました。

オリジナルのスーツを作ったからには、以後のVシネマや他戦隊への客演も期待してしまうのがファンの性。最終回を迎えたあとでも活躍の機会があるんじゃないかと思わせてくれる素敵な要素でした。

終演後のフリートーク

本編はフリントを含めた8人でゼンリョクゼンカイキャノンを放ち、サタンクローズを撃破して終了。ダンスタイムを終えて終演後はフリートーク。

いつもなら司会のお姉さんが一人ずつ話を振って感想を言っていく時間なのですが、ゾックスが急に「イケメンなことを言うしりとりをしよう」と言い出し急にしりとりタイムに。

言い出しっぺのゾックスを煽るフリント。自分から言いだしておきながらややウケのゾックス。イケメンなセリフが全然出てこない介人。アンカーとして気持ちよく決めてくれるステイシー。

キャラクターと本人の素がいい具合いに混ざりあった状態で展開されるトークに、それぞれの人柄を感じられて満足。本人たちも工夫して観客も自分たちも楽しい時間をすごせるようにしてくれているのが嬉しく感じられました。

ということで、公演の出来は大満足。本当に行ってよかったと思います。

ドンブラザーズも楽しみだけど少々不安

来年も行くと思うので軽く話をしておくと、現在放送中の「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」も楽しみですが、ポスターを見るとちょっとだけ不安が…。

ドンブラザーズは5人中2人がフルCGとなっているかなり挑戦的な作風なのですが、シアターGロッソではスーツになっているのです。

本編中でも、時折スーツや人形での描写が入ること、アバターチェンジで過去戦隊に変身することが、CGを極力使わないようにして予算を削減する苦肉の策のように見えて、今の所個人的には不満が募るポイント。

ただストーリー自体は井上敏樹脚本の味がこれでもかというくらい出ていて非常に楽しく見れています。良い部分がうまくヒーローショーにも反映されることを楽しみにして、来年に備えたいですね。



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