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【お絵描き18】柴犬の時間とボクの時間

柴犬Y01号とアニメを観たんだ。Y01号は最近「ごはん」「おやつ」に加えて「サブスク」という言葉を覚えた。

そのアニメは、1000年以上寿命があるエルフという種族の主人公が、寿命100年に満たない人間達と旅をする話で、種族の寿命によって感じる時間の長さの違いと、それによる事象への感応の差異が話のキモとなっている(のだと思う)


ボクはそれを見て、昔読んだ『ゾウの時間ネズミの時間』という本を思い出したんだ。哺乳類の生涯の心拍数はほぼ一定で、100年生きるゾウだって、数年しか生きないネズミだって、それは同等に約20億回と決まっている。もし彼らの時間感覚が拍動や呼吸の回数に基づいているのだとしたら、ネズミはゾウのことを途方もない長生きだなと思いつつ、自身はその数年という生涯を短いなどとは思わないのだろう。

またこうも考えられる。人間用語で言う悟りや達観が、生きた年月ではなくて、生涯を通して生老病死に向き合って生まれる境地だとしたら、ネズミは数年程度の生涯を目まぐるしいスピードで生き、感じ、それらを通して(ゾウから見たら)あっという間にその境地に達して最期を迎えるのではないか。


いま。ボクのヒザの上でボクの手をペロペロしているY01号は、まもなく1歳になるやんちゃなボーイだけど。彼はこれからどんどん成長して、彼の種族としての意識や精神は、いずれ無駄に長生きしている人間のボクを追い越して行くのだろうか。

たぶんボクとY01号の友情はこれからも変わらないけれど。いずれ必ず来る彼の悟りや達観の時とその先にあるものを想像すると、彼の日々の成長は嬉しいのだけど、今からとても恐ろしいんだ。

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