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【食|麺】冷やし中華2 コンビニエンスな出会い

その2

昔のボクバージョンなら見向きもしなかったであろう、美味しさの予感すらさせないビジュアル。

それでも、こんな出会いもありか?なんて彼女の手を牽いてしまったのは、日付が変わる直前ですらなお蒸し暑い、少し寂しい今年の夏の訪れがそうさせたのか。

セブンイレブン 夏の涼み ミニ冷し中華

特に好きでもない女なら乱暴に欲だけ充たせて終わらせればいいものを。小心者故、とりあえず及第点はもらうべく勤しむ前戯。そんな感じで不器用なボクなりに丁寧に具材を並べてみる。

しかしその行為は欲の昇まりを促すどころか、深夜の薄暗いリビングで独り、チマチマ具材どもと戯れる虚しい男の姿を浮き彫りにしてしまう。

意味ねぇな、などと独りごちながら冷蔵庫からビールをとりだして気分転換を図るも、あらゆる恋愛が冷静さを持った瞬間終わって行くように、美しくもない盛りつけを前に、既に甘い欲望すら感じない。

あとはただ呆然と乾いて行く麺や具材を眺めながら、ひたすらビールを飲み続けるしかなかった。

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