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【食|麺】冷やし中華5 素面では異性と向き合えないワタシ

その5

前回恐ろしい勘違いで「冷やし生ラーメン」なる別なオンナを抱いてしまいそうになったのだが。後日のボクはまた懲りずにトラウマの克服に忙しんでいた。

ところで営業マンの昼食はコーヒーと煙草と決まっているのだが。今日は昼跨ぎの後輩の営業同行。昼を食べさせないわけには行くまいと、手近な中華屋にエスコートすることに。

しばしメニューを眺めながらも、視界の端にチラチラ入るオススメ「七目冷し麺」の文字。早々に決断する後輩に、なんとなく吊られてしまう情けないボク。夏の名残の冷やし中華である。

福新楼@外苑前 七目冷し麺 醤油味


中華屋のメニューで五目は良く目にするが、七目は豪勢である。錦糸卵、メンマ、煮椎茸、キウリ、蒸し鶏、チャーシュー。なんか六目のような感じがするが、まぁそんなことは良い。なによりも今おかれている状況、つまり冷やし中華と対峙したボクが素面なのである。

デートはお酒を飲みに行くものだと信じて疑わず、それを長年実践して育ってきたボク。相手が彼女(冷やし中華)であろうと例外は認められない。

後輩に動揺を悟られまいと、ことさら平静を装いながら「なかなか豪華だな」などと独りごちて食べ始めてみるが、その時ボクの心を占めていたのは、既に食後の一服に対する切望だけであった。

ビール無くしてどうやって冷やし中華を攻略したらよいのか、今のボクには見当もつかない。

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