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【映画感想】アニメ制作を映画化!謎の胸熱展開に注意!

■鑑賞日

令和4年3月5月27日 

■映画名

ハケンアニメ!

■概要

公務員出身という異例の経歴をもつ新米監督が、ワンクール(約3週間分の番組枠)の中でもっとも売れたアニメ(覇権アニメ)を目指して奮闘するお仕事映画です。
アニメ制作現場をベースに、アニメを制作するにあたってのバタバタ感、人間ドラマをエンターテインメント要素多めで表現しています。

■徒然なるままに

◎全体として

全体的に丁寧に作られていて、エンターテインメントとして完成度が高いと感じました。特に終盤の展開は、お約束が好きな人間にはたまらない仕様になっています。アニメ好きな人はより深く楽しめるのではないかと思います。ただ、アニメ制作にあこがれを持っている人は、あくまで映画ということを忘れずに。
ちなみに、この作品はまったくノーマークでした。(笑)知り合いに面白そう!と勧められて、なんとなく時間があったので観に行きました。はっきりって、ダークホースなのではないかと思われます。おすすめです。アニメという作品が、日本を代表する文化として完全に受け入れられているという証拠なのかな?と感慨深い思いです。以下、トピックをいくつか掲載します。

◎主人公の成長物語と謎の熱い展開

作品としての大筋は、主人公の成長劇です。一つのアニメを制作するにあたり、新米監督の主人公が成長していくわけです。様々な困難にぶつかりながらも、仲間と信頼関係を結び、ライバルとの邂逅などを経て、良い作品を完成させていく。簡単に言ってしまえば王道です。
謎の熱い展開になりますので、その手の展開が好きな人は必ず引き込まれるかと思います。
なかでも、前半と後半に同じようなカット、シーンを多数入れ、主人公の思い、仲間との関係性の変化をわかりやく表現しています。なにやら感動してしまいました。

◎面白そうな劇中アニメ

作品の性質上、劇中アニメが2本出てきます。その劇中アニメがとても面白そうでした。特に主人公側の制作アニメは実際に観たいくらいです。もしかしたら、実際に放送されるかも?と思うほどにしっかりとした設定が作られていそうです。また、作画も綺麗に仕上がっていて、クオリティ高そうです。しっかりと声優まで登場しますし。しかし、演出の都合上、エンディングまで描いてしまっており、このままでは民放放送はできなそうです。笑

◎有名アニメの名台詞が多数登場

自分がわかっただけでも、かなりあります。てか、惜しげもなく作品名も出しています。エヴァンゲリオンだけでもいくつか引用されていて、風呂場のシーンで「風呂は心の洗濯」発言出ました。ただ、全体的に古い作品が多かった気がしますけど・・・わざと?今の若い人とか、ベルダンディといって、「あぁ女神様」を思い出す人は多いのだろうか??

◎アニメ制作という仕事

良くも悪くも、アニメを制作するということの大変さを表現しています。出資元企業からの圧力、監督の自由にできないストーリー、スタッフと監督の軋轢や意識の違い等などです。もちろんお金の問題なども取り上げています。円盤(いわゆるブルーレイディスク)の売り上げの重要性、監督の意向を無視した多方面への営業展開など、ありそうだなということが散りばめられています。それらを乗り越え、スタッフが一丸となって良いアニメを創っていくという展開に心が躍るわけです。これを観たら、アニメ制作に絡んだ仕事をしたくなります。笑
もちろん、現実はそう甘くないことはわかっています。こんなハッピーエンドは極稀でしょう。それでも、この映画を観てアニメ制作に携わりたいと思う人は増えるのではないかなと思いますし、そうあってもらいたいと思います。

◎こういう作品が作られた本当の意味

この作品を観て、楽しさだけでなく危うさも感じてしまいました。昨今の日本は、アニメ制作者が中国に奪われつつあります。単純に給料が違いすぎるのが原因とも。一昔前では、賃金の安い中国に日本が依頼していたアニメ制作の下請けは、真逆になりつつあります。それほどまでに中国と日本でアニメ制作にかける資金に差があります。
アニメ制作の現場を(真実を交えながらも)美しく描くことで雇用を促進、正当化しようとしているのではないかと、偏見に満ちた考えをもってしまいました。って、考えすぎですかね。苦

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