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父をたずねて三千里

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連載小説 「父をたずねて三千里」.
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記事一覧

【連載小説】 父をたずねて三千里・最終話 

最低な父親だった。 21歳の父は、20歳の母と3歳の私をおいて バイクの事故で死んだ。 今年、…

きゅう
2か月前
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【連載小説】 父をたずねて三千里⑨ 〜父の夢〜

「ケイちゃんが最低なやつだってことにしたら、死んでしまったことも諦められる」 母は、言っ…

きゅう
2か月前
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【連載小説】 父をたずねて三千里⑧ 〜母の嘘〜

とても悲しい夢を見た気がする。 孤独な人、 大きな背中を丸めてじっとしている。 その背中を…

きゅう
2か月前
4

【連載小説】 父をたずねて三千里⑦ 〜父の父〜

22時になった。 高橋さんは、21:30をラストオーダーにして、22時にはきっちり店を閉めた。 「…

きゅう
3か月前
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【連載小説】 父をたずねて三千里⑥ 〜高橋さんと思い出〜

「私に会ったことがある……」 私は息を吐くようにかすかな声で、 ほとんど独り言のように呟…

きゅう
3か月前
1

【連載小説】 父をたずねて三千里⑤ 〜父の親友〜

父の日記は、最後のページを残して 唐突に終わった。 はぁーー っと長いため息をつく。 なん…

きゅう
3か月前
4

【連載小説】 父をたずねて三千里④ 〜父の苦悩〜

12月4日 文子が妊娠したかもしれない。 昨日、文子が産婦人科で調べてもらったらしい。 ゴムしなかったことなんか一度もないのに。 なんでだ? 俺は、どうすればいいんだ。 文子も俺も、まだどうしようもなく子供だ。 俺には、何ができる? いや、そもそも子供を育てるのは、絶対に無理だ。 でも、文子は? 文子はどうしたいんだろう。 いや、だから! 子供を産む選択肢なんて、まずないんだ!! 子供を育てれない。 中絶しか、ないんだ。 12月6日 文子が中絶したくない、と言ってきかない。

【連載小説】 父をたずねて三千里③ 〜父の日記〜

ドアを開けた瞬間、 知るはずのない父の匂いがした。 父の部屋は、本当に何も手が入っていな…

きゅう
3か月前
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【連載小説】 父をたずねて三千里②    〜祖母の後悔〜

大学が冬休みに入った。 周りの人たちは、実家に帰ったり、友達と遊んだり、楽しい休みが始ま…

きゅう
3か月前
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【連載小説】 父をたずねて三千里① 〜父の墓参り〜

最低な父親だった。 21歳の父は、20歳の母と3歳の私をおいて バイクの事故で死んだ。 今年、…

きゅう
4か月前
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