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「冒険」を考える、という冒険について

新型コロナウイルスの影響で、子どもたちや若者たちが「息ぐるしい」と感じるのは、マスクのせいだけじゃなく、感染防止のための公衆衛生習慣が、道徳的規範(モラル)にまで格上げされた影響なのではないか。

日本医師会が合言葉として発信した「うつさない、うつらない」というメッセージは、「他人に迷惑をかけちゃいけない」という意識と行動様式を植えつけた。この「他人に迷惑をかけちゃいけない」ということが私たちの行動をしばり、窮屈にしている「息ぐるしさ」の確信犯だと思う。ようするに、「冒険」ができない、「冒険」しにくい世の中になってしまった。

子ども期や若者期は、「他人に迷惑をかけてナンボ」という大切な時期である。トライ&エラーを繰り返しながら、生身の身体で世界を感じ、そうやって世界を理解していく。そういうときに「冒険」を奪ってしまったら、子どもや若者たちは、いったいどうやって世界を把握したらよいのだろうか?

「学校に行かない」「仕事をやめる」
「友だちとケンカする」「家を出る(旅に出る)」
などなど、後先も考えずに未知の世界に飛び出していくこれらの行動は、大人たちを心配させたり不安にさせたりするけれど、子どもたちや若者たちにとってはイチかバチかの「冒険」でもある。自分をしばりつけるものから逃れ、自由をもとめる「冒険」は、自分自身が「生きてる」ということを確認するギリギリの身体表現ともいえるのではないか。

わたし自身も「冒険」からたくさんのことを学んできた。就職活動もしないで海外に飛び出したり、わけもわからずNPOを立ち上げたり、前に進んだり、立ち止まったり、ひきこもったり、同世代の友だちとはだいぶ異なる世界を、世間からもかなりズレた道をあゆんできた。

そして、おとなになった今でも、わたしは「冒険」を続けたいと思っている。「冒険」でしか理解できない世界、「冒険」でしかアップデートできないものが、やっぱりあるから。

「他人に迷惑をかけちゃいけない」という同調圧力に抗して、子どもや若者たちの世界に「冒険」を取り戻そう。

子どもや若者たちがやることなすことを、いちいち心配するおとなではなく、世界を理解する「冒険」としてあたたかく見守っていきたい。

だれもが「冒険」できる、自由な場をつくっていきたい。

#8月31日の夜に #ユースワーク #StillYouthWork

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