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大切な何かを忘れた気がする。大切な何かを失った気がする。大切な何かをしないまま、死んでしまうような気がする。大切なものを、ずっとずっと掴むことができない気がする。
何かを覚えている。何かをしなければいけないとわかっている。そう思おうとするわたしを、わたしは受け入れられない。
考えなくてもいい時間が好きで、星を見る。
雲の流れ、海の波。ゆっくりと回る大地を、ただ見ている。
それら一つ一つを眺めていると、それに合わせて自分の中の時間も動いていくように思う。星が太陽の光を受け止めて、オレンジ色に光る。その間は時間が止まっているように思う。
望遠鏡から顔を上げたとき、あまりにもぼやけた世界に戸惑う。
目はちゃんと光を集めないで、ただ物の色と雰囲気だけを感覚する。
思いきり字を大きくして、日記に言葉を打ち込む。
星について書くつもりだったが、何を書けばいいのかわからなくなる。
書くために星を見ているわけではないのだから、そうかもしれない。
でも、星はあまりにも綺麗でその綺麗さを言葉にすることはできない。
今日はゆっくりと呼吸をしているようだった。太陽の光が柔らかい春の空気に溶けていた。暖かくなると、星の輪郭も柔らかくなる気がする。
本来なら、ここから見る星には季節などない。星を望遠鏡で見ると、そこには春夏秋冬が一つの丸の中に収まることになる。だから、きっとここから見る星には時間がない。というのは本当なのだ。
地球の上に立っているから、時間が流れている。星から見た地球には、きっと時間は流れていない。惑星の上に立って、明日の太陽の光を待っているから、私たちには時間が流れる。
星がもう少し接近したら、時間のない世界にわたしもいきたい。
最後までお読みくださりありがとうございます。書くことについて書くこと、とても楽しいので毎日続けていきたいと思います!