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福島のいま

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『福島のいま』として、これまで双葉郡を取材して撮影した写真を公開していきます。 公の報道では、「こんなところが復興しました」というニュースが中心で、未だ復興できていない場所は完…
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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その11 六国から富岡へ そしてホットスポット】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  熊町地区を過ぎ、大熊から富岡町へ。周囲にはかつて店舗などがあったと思われる更地があり、どこも砂利が敷かれ除染済み。道沿いの線量は概ね1.0μSv/h前後だった。この数値は普通に考えれば震災前の25倍でとんでもないものなのだが、3.6μSv/hなんて場所を歩いてきてしまうと感覚は完全に麻痺してしまう。  六国から県道36号、小野

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その10 熊町地区】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  熊町地区は、六国を歩いていたらいきなり現れた。そんな印象の場所だ。広大な荒野を南下した後に突然町が現れる。ここはかつては六国沿いにバリケードが並ぶ「バリケード通り」で、原発事故の象徴的な場所だった。しかし、2021年11月30日に特定復興再生拠点区域に追加指定されて以降、バリケードは撤去され、除染、解体が進んだ。  六国を南下

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その9 帰還困難区域の荒野】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  三角屋交差点より六国へと入る。今では六国を歩くこともだいぶ慣れてきたが、最初は随分と勇気が要った。今もここを歩くときは必ずマスクをする。帰還困難区域でありながら徒歩でも通れるというのは、それだけ除染をしましたということなのだろうが、そんな簡単に下がるものではないことはこれまでの経験でよくわかっている。それに、福島県内は3.8μS

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その8 線量計をぶら下げた女性に声をかけられる】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  太陽光発電所になってしまった大熊中学校跡地のある高台から、南へと坂を下る。大熊中学校の近くには東電の寮が2つ、小入野寮と妙見寮があった。妙見寮だけが解体され、今は小入野寮が残っている。双葉でも、いくつか東電の寮は残っているが、いずれ除染をして使うつもりなのだろうか。一般の家や公共施設など、浜通りでは様々な建物が次々と解体されかつ

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その7 大熊中学は太陽光発電所となった】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  大野駅からさほど離れてない場所に「未除染の場所」はある。避難指示解除されており、誰でも行くことは可能だ。大野駅前に完成予定の集合住宅に子連れの家族が住んだとして、その子がここに来ないとも限らない。6.0μSv/hもあるこの場所を、一体、行政はどうするつもりだろうか。まずは避難指示解除ありき、それはおかしいのではないかと思う。

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その6 すっかり何もなくなった大野駅前】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  前日、2月3日の富岡以北での積算線量は、2時間ほど屋内にいたこともあり、約7時間強で1.65μSvと非常に低かった。双葉の前田地区は山寄りの場所を除けば比較的線量が低めなのはわかっていたが、ここまで下がっているとは思わなかった。ただ、それでも1時間平均では0.2μSv/hを上回り、首都圏よりは2〜3倍は高い。  2日目の2月4

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その5 双葉駅西住宅】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  双葉駅前の駅西住宅を目の前にして、工事のために進むことが出来ないことが判明した時、僕は怒りの感情に任せて、帰還した田中さんに向けメッセージを送り、予定より少し遅れる旨を伝えていた。これまで歩いた道を逆戻りし、せんだん通りを通って駅へ向かう。  せんだん通りの新山城址前には、かつてのアパートらしき長屋がある。ここは立入規制緩和や

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その4 双葉中学と繋がらない道】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  更地だらけになった前田地区を抜け、双葉中学校の手前の住宅地へ。ここはまだ未見だったので、行きたいと思っていた。事前にGoogleマップで確認していたが、やはり実際に行くとほとんどの家屋が解体され、3軒しか残っていなかった。一部、ずらっと太陽光パネルが並んでいた。少し高い位置に設置してあったが、高さ的にこの下で何か作ったりすること

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その3 熊野神社】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  熊野神社へ向かう。  双葉町水沢の帰還困難区域スレスレにある熊野神社は、とても小さな神社だ。特にインフォメーションもなく、一体どれだけの歴史があるのかもわからない。至って平凡な神社だ。ただ帰還困難区域スレスレにあるというだけで初めて訪れたのが2021年2月。その時は双葉南小からGoogleマップを頼りに歩いてきた。熊野神社とい

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その2 更地だらけの前田地区】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  数軒残った家を眺めながら、双葉町前田地区を歩く。この地区を歩くのは3年ぶりか。それ以降は、レンタサイクルで来たことが2回ほど。このエリアの空間線量は、双葉駅の北側に比べればそれほど高くはない。概ね0.2〜0.6μSv/hといったところだ。尤も、その先の水沢や山田といった場所は線量が高く、今も帰還困難区域だ。双葉町で避難指示解除さ

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【2024年2月、双葉、大熊、富岡取材その1 双葉町前田地区へ】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜  2024年最初の浜通り取材。いつものようにいわきを拠点にする。9:18にいわき駅前についてから、コインロッカーに荷物を預け、10:25発の双葉行きの特急ひたちを待つ(双葉に行ける鈍行列車は12:17までない)。これまではいわき以北で線量計をオンにしていたが、今回から富岡以北へと変更する(いわき〜富岡間で特に高線量な場所はないため)。  1

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【2023年12月、小良ヶ浜取材その5 原発事故を記録に残す】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  柴犬を連れた男性が走り去ったあと、遠くの海を少し眺めてから、とりあえず来た道を戻り始めた。さっき歩いたよりは少し冷静に周囲を眺める。あちこちに更地と、卒塔婆のような解体番号の書かれた札が立つ。23年11月30日に一部避難指示解除になったが、それに合わせてかなり急ピッチで除染解体を進めたようだ。  放射線量は海から離れるにつれ徐々

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【福島を歩く】

福島を歩く 絵になる風景を探す 歩く そこまでの道程 天気 気温 風景 その場の空気 撮影する 画面には刻まれない シャッターと同時に心に刻む 空気を刻む 何かを感じる 自然の楽園 空を真っ赤に染めろ 都市とつながる福島 愚かな人間を見つめるモノたち 心に刻み感じたものを画面にぶつける 努めて冷静に あえて俯瞰しながら 普遍性を求めて しかし心は熱く 刻まれた熱量が 込められた熱量が噴出する 噴出した熱は見た人に伝わり 何か語りたくなる 語り出す それを聞いて ま

【2023年12月、小良ヶ浜取材その4 大熊の帰還困難区域との境で】

「有料」とありますが、基本的に全て無料で読めます。今後の取材、制作活動のために、カンパできる方はよろしくお願いします。 〜〜〜〜〜 <続き>  赤坂神社を抜け、さらに海の方へ向かう。地図を見る限り、大熊町との境までは行けるはずだ。  県道251号、小良ヶ浜野上線の周囲には、解体途中の家や、バリケードで封鎖されたままの家屋、そして更地が並ぶ。どこも道路以外は「帰還困難区域」だ。解体作業員は、本来ならば個人線量計を身につけて被曝防護した上で作業しなければならなはずだが、その

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