不連続な球体

あつい雲のうえで揺蕩う光の線が、雲間を通り地にそそぐ。ゆらぐこと。自律的に駆動している。

ぼくは旅にでる。だれか別のからだで考える必要がある。からだは刻々とかわる。動くものはしずかになる。巡礼。時空をこえて、からだを失ったひとを思う。アルジェリアの民兵。コンゴの呪術師。血が乾き、灰色になる。

旅する。すこしずつ死んでいくということ。すこしずつ、灰に近づく。気づかないまま、土地から土地へ変質する精神。小道をとおり、淡い感受性を光にかざす。貝殻の海。太陽の色。

七年いきるということ。一日が不連続であることを知ること。七年旅をするということ。朝ベーコンとたまごを焼くということ。滅びた国の地図を眺める。黄色いブランコがゆれている。明日と昨日。

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