美的感覚を鍛える方法
先日知人と話していたときに「これからは美的感覚がだいじになる」と言ったら、「美的感覚はどのように鍛えるのか?」と聞かれた。それで、ぼく自身はよく「美的感覚がすぐれている」と褒められるけれど、それは気がつくと身についていたため、鍛えようと思ったことがなかった——ということに気がついた。
しかしながら、それは必ずしも「生まれつき備わっていた」というわけでもないことは自覚している。なんらかの形で後天的に身についたのだ。そこで今回は「美的感覚を身につける方法」をあらためて考えてみたい。
1.美しいものを無意識に摂取する
ぼくが美的感覚を身につける上で一番役に立ったのは、多分これだ。母親が美しい工芸品が好きだったので、家の中にたくさんあった。幼いぼくはそれらを無意識に見ていたのだが、その中で自然と美的感覚が養われていった。
後年、この方法をスティーヴ・ジョブズが意図的に採り入れていることを知った。彼は、自分の家に美しい家具しか置かないようにしていた。そうやって美的感覚を養っていたのだ。
この方法だと、美的感覚は身体に染み込んでいくように育まれる。長年続けていると、やがて理屈ではなく感性で、瞬時に美しいかどうかを見抜けるようになる。つまり、反射神経的な美的感覚が養われるのだ。
2.美しい自然に触れる
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