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『君たちはどう生きるか』の「下の世界」は何を描いているのか?

『君たちはどう生きるか』はシンプルな映画だ。だからこそ、めちゃくちゃエグくて面白い。

まず、下の世界の「我ヲ學ブ者ハ死ス」の我とは「資本論」(あるいはマルクス)のことである。そのため「学ぶ者」とは共産主義者のことで、「共産主義を学ぶと死ぬ」ということを言っている。実際、その後に共産主義国は崩壊する。

眞人は、ペリカン(組合員)たちの群れにむりやり「資本論」を学ばせられそうになるが、すんでのところで若きキリコに助けられる。このキリコこそパクさん(高畑勲監督)である。

パクさんは、眞人を救っただけではなく、いろんなことを教えてくれる。取り分け魚のさばき方を教えてくれるが、これは「映画のさばき方」のことだ。そうなると、さばかれている魚は『太陽の王子 ホルスの大冒険』ということになる。

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