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生きづらさの正体

「生きづらさ」というのは今、日本の大きな社会問題だろう。先進諸国には共通するのかもしれない。なぜ、生きづらいのか?

それは概ね孤独が理由だと思う。孤独だから、生きづらい。なぜ孤独かというと、人々が個人主義を強めているからだ。個人を尊重するようになったからだ。その対価として、人とのつながりが希薄になった。だから、生きづらさが増しているのだ。

ぼくも、生きづらい。ただ、ぼく自身は子供の頃から生きづらかったから、慣れているといえば慣れている。孤独を癒やすには、なんといっても「物語」がいい。物語に耽溺して、その中に浸っていると、人と接しなくとも寂しくない。

本当は小説を読むのがいいのだが、もちろん映画やドラマを見るのでもいい。それに飽きたら自分で物語を作ってもいいだろう。ぼく自身の経験からいっても、自分で物語を作るのが一番の孤独解消法である。

ぼく自身が最も孤独だった29歳のときに、ぼくは『エースの系譜』という小説を書いた。これを書いたから生き延びられたというのはある。だから、この小説はぼくにとって命の恩人だ。

それから四半世紀が経過した。今はありがたいことに家族がいるのだが、それでも子供はやがて巣立っていき、妻はぼく以上の個人原理主義者なので、再び孤独になる日がくる。また、この記事を読まれているあなたも、多かれ少なかれ孤独を抱えているはずだ。

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