見出し画像

課題文の読み方・1/800エスキス導入

僕(=ビーナスの乳首)のエスキスは1/800です。
これは僕が製図2年目(H30・プール)の試験直前まで本当にエスキスが出来なくて、悩みに悩んで8月ごろ「2ちゃんねる」の人に教わったやり方です。だから師匠ということになりますね。
その「ねらー」の師匠曰く、
「チビコマとか1/1000、ブロックプランは無意味だからやらない。いきなり1/800でエスキスする。1/800でプランがほぼ終わるから、1/400でちょこっと確認して終わり」
とのことでした。そしてこうも言ってました。
「理論は、1/800の倍が1/400、その倍が提出図面。だから無駄が無い」
と。
非常に理にかなっているなと感じ、これを練習し始めました。

1/800エスキスをするには、課題文の読み方を少し弄る必要があります。
ビーナスの乳首式エスキスは、

①課題文の読み方(チェック共)
②ビーナスの乳首式ヘリアキ
③1/800

がワンセットです。
いずれかだけでも出来ますが、効果が1/3ずつになってしまう。
なのでセットで考えてください。
たぶん予備校で教わる、試算とかそういうのが一瞬で終わる
これに慣れると予備校のやり方には戻れないので、そこは要覚悟です。

なお、1/800エスキスにはこのテンプレートが最適です。
1/400の目盛りがついているので、倍読みです。すぐ慣れます。
1/200で42mまで🆗なので、作図時も有効です。

👇「目次」ってなってますが、これを「読む順・マークしていく順」と読み替えてください。
下記再掲もしますが重要なのでここでも書いておきます👇
「要求室」のチェックは一番最後ですよ!! ずーーっとスルーね!!
なお、ビーナスの乳首式マークの仕方は➡️別note①
👆僕のやり方は、ほとんどマークしない、超淡泊メソッドです👆


まずは主文を読む

裁判でもなんでも、いちばん大切なのは主文です。
課題文で言えば、A2問題用紙の左上「Ⅰ.設計条件」の直下です。
ここに出てくるのはだいたい、「誰がこの建物を利用するか」です。
室名が出てくることもあります。
R5なら、「企画展示スペース等」です。VIPならぬ、ベリー・インポータント・ルーム(=VIR)でしょうか。

ここで閑話休題。
例えば予備校で課題を毎週解いていってるうちに忘れがちになるんですが、
「僕(or わたし)は、今年の試験で、いったいなんの建物を設計するのか」
これが抜けていく人がいます。
これは地味に、盲点です。

たとえばR5なら、“図書室のあるコミセン”では無いんです。
ここを勘違いする人が多い。
R4なら“多目的ホールを併設するオフィスビル”では、無い。
このエッセンスを「分かってるか、否か」は、エスキスの細部にまで影響を及ぼすから、しっかり確認しておく。
予備校は、毎週毎に難しくなる課題を解くことだけ・知識を詰め込むことだけに特化していくので、方向がずれていくんですね。

なお、R3は本試験当日にここにいきなり「賃貸集合住宅」って文言が入ったのです。さらにこの年は外構の要求が鬼だった(ただし標準解答例は受験生に忖度したものとなったと読む(➡️別note_R3本試験について)。👈※後日UPします
R5は端的に「図書館」だし、R4は「事務所ビル」なんですね。
「そんなの分かってる」と思いきや、ここがスコッと抜けがちで、実はものすごく重要でして。

⭐️⭐️⭐️
「第3者(=採点者)が図面をパッと見て、◯◯(計画する建物。例えば図書館)に、見えるかどうか」
この試験は、実はこれにかかっています。

じゃあどうしろと? となるんだけれど、それは学科受かった後の2カ月ちょいで、長期なら半年以上かけて練習できるので、それほど難しくないです。
まあ、そういう講師に当たれば、ですけど(ここが難しい。運だし)。
ヒントは、👆に書いてますけどね。
要は、「設計製図」だってこと。「製図」じゃありません。
国交省から出ている、この試験の題名をいま一度確かめてみてください。

            👇 👇 👇
そうです、この試験は、「設計製図の試験」なんです。
設計とは、まずは利用者のために、次に管理のために、成り立つものです。
目線がまず、利用者へ。次に管理や設備などのしやすさ。
設計者のやりいいようにしてよいものでは無い。
僕はずっと、こう思っています。

ちょっと話が逸れたので戻します。

(続き〜)
ですから、試験当日の11時すぎ、貴方が計画する建物名に、マークなりアンダーラインを引いてみてください👇
これはね、この世のものとは思えない緊張を強いられる本試験で、「心を落ち着ける」効果もあるので試してみて欲しい。きっと気が引き締まるはず👇

R4は「事務所ビル」でした
初心に帰るつもりでここにマーク or アンダーライン

主文直下特記を読んで、チェック✅する

R3から、主文直下に
「計画に当たっては、特に、次のことが求められている。」
の文言が入るようになりました。
ここに主題が出てきているはずで、これが試験元の最大の意思だと思ってよい。
これを読み落とすと、将棋に例えれば飛車角落ちで藤井クンと戦う、みたいな構図になる。極めて不利。

  • R3なら住戸A、住戸B、そしてテナント部門の属性。

  • R4なら屋上庭園とシェアオフィス。

  • そしてR5なら、読書空間の自然採光。

それぞれの年の解説は、だいたいは僕のX(旧Twitter)にて本試験考察ポストをご覧になってもらえれば分かるのでここには書きませんが、この主文直下特記を無視してのエスキスは自殺行為です。課題を貫く、メーンストリームだと思ってください。

※僕は当noteでは、本試験課題の正解を追っていこうなどという愚行はしませんので、プランについて詳しくは書きません。
この試験に正解は無いのでね、プラン論はあまり意味が無い。
試験元には、彼ら的に理想の図面があるはずだけど、実際は提出された図面で採点せざるを得ないから、です。
👆ふまえ、今年(R5)僕は「読書空間の自然採光」、つまり窓面積の増大が試験元のテーマになっているのではないかと過去ポストにて読みましたが、ユープラ検証していたら、そのように階高を上げた図面がほぼ見られなかったので、ここを不問にしてくると考えています。

※R5、R4、R3の考察です👇👇


「1.敷地及び周辺条件」 を読む

言うまでも無く、建蔽率とか容積率とかをチェック✅。
マーカー使おうがアンダーラインだろうがお任せします。
試験元は時々、ここに“いつもと違う”ものを入れてくるので要注意。
(でも大した情報は無いでしょう、いつも)

1/800では、👆とは別に、重要なものがあります。
敷地図です。
敷地を確認したら、その足でエスキス用紙の左上に、1/800で転記する。
のちのエスキスも入れちゃってるけど、こんなかんじ👇👇

これはR3。圧倒的に外構が難しかった年
ちなみに1/800では、この敷地図でエスキスする

僕はフリクション使って👆敷地境界線を青、👆道路を赤でやってます。
歩道もちゃんと書く。情報はすべて書く。そう、すべてです。
方位も書く。植栽の切れ間もかなり正確に、書く。
周囲の建築物は、その用途はもちろん階数とかも出てれば、書く。
駅に繋がってる道路ならそれも、書く。
とにかくぜんぶ、書く。

慣れれば、方眼1マスが4mとかって、すぐできるようになります。

「2.建築物」 を読む
※「要求室等」は読まないでスルーする

※要求室等は読まない
大事なのでもう一度書きます。
要求室等は、読まない。スルーする。

これは、情報過多になるのを防ぐ狙いと、要求室を最初にマークしてしまうと、中途半端な情報で無意識に頭の中でプランを始めちゃうからです。
例外;特段抜きを発見したら、そこだけは頭に入れて、次にいく。
👇

左はR2、右がR1延期組の本試験。
「特段抜き」があったら、いちおう気にはして次に進む。
「要求室」は今は読まないよ!!

次に、計画建物が何階建てかをチェックする。
1/800は、ここも重要。
敷地図の直上でも直下でもいいから、断面ポンチ絵を描く👇

これはR4。最上階に屋上庭園が来るから、
7階建てと6階建てで検討している。
このイメージがあるのと無いのとでは、メンタルの消耗度合いが全然違う

それと、EVの情報がどこかで出てきたら、👇こんな感じでエスキス用紙に書く。EVの台数不備は確実に落ちるので。

なんとなく、利用者と管理で大きさを変えとく

「3.その他の施設等」 を読む

ここは駐車場とか屋上庭園とかです。
庭園とかで階指定があれば、今しがた書いたエスキス用紙の断面ポンチ絵に入れ込む。
そして車🅿️の台数や駐輪場🅱️🅿️を確認したら、エスキス用紙にこんな風に書いてみてください。
なぜこんなことをするかと言うと、エスキス中にいつもビジュアルイメージで(台数とかを)確認できるようにするためです。

HPとふつうの🅿️はサイズを変えること
🅱️🅿️は台数が分かればよい


1/800では、駐車場はめちゃくちゃ重要です。

ここで、貴方のエスキス用紙を見てみてください。
驚くことが起きてると思います。
エスキス用紙に1/800の敷地図(もちろん道路も横断歩道も)が書いてあって、クルマをなんとなくクルマっぽく書いた時、外構計画の方向性がある程度、見え始めたはず(この為にビジュアルイメージで車🚙を書いておく)。
利用者🅿️はこの辺かな、とか。管理🅿️はこっちかな、とか。
横断歩道もエスキス用紙に書くから、🅱️🅿️はここだろう、とか。
もちろん要求室を読まないと最終的な配置はできないんだけど、
敷地と道路付けを客観的に捉えた時の、駐車場🅿️の配置」がなんとなく、出来ちゃうんです。
そして1/800でやるということは、“正確な寸法で計画ができる”ということなので、すでにこの時点でプランの始まりなんです。

試しにR5本試験で、利用者🅿️が2台(うち1台HP)だとして、かつ西メーン道路だとして、西道路境界線からヘリアキ6mで、👆👆エスキス用紙にすでに書いてある1/800敷地図に、駐車場を書いてみてください。
1/400の倍読みなので目盛りは3ですよ?
そしたら、X方向に5、6、5、つまり駐車場+車路+駐車場を書いてみてください。1/400の倍読みなので目盛りは2.5、3、2.5ですよ?

🅿はもちろん、🅱️🅿️も正確に出せる。
エスキスにいっても、大きな室はもちろん、階段EV、DS、EPSまではっきり正確に出せる。
2.5mの廊下だって、1.5奥行きの収納だって、正確に出せる。

どうです?
立派な外構が、正確なオン・スケールで、試験開始恐らく20分とかで、書けたんじゃないですか?

👇👇重要なことを書いておきます👇👇

「この試験は、外構で決まる」

R1本試験は、10月本日程も12月延期組も、外構で決着がついてます。
この試験は、外構=駐車場🅿️で決まるんです
R3もR4も同じです(R2はイマイチよく分からないんですけど)。
ユープラのDATA取れば、👆これはすぐ分かります。

「4.留意事項」 を読む

ここは、「経済性」とかの ある/無し くらい。
設備機器の更新・搬出入はほとんどの年で問われるので、もう試験元としてはマストなのでしょう。
最近は、ここに防火区画のinfoが入ることが多いのでチェック✅。

次に、Ⅱの「要求図書」にいくけど、
「1.要求図面」と「2.面積表」は飛ばす👉⭐️⭐️重要⭐️⭐️👉「3.計画の要点等」にいく

ビーナスの乳首式エスキスのキモのひとつが、ここ。
ある程度の早い段階で、要点をチェックする


でもやり方はちょっと、変わってます👇
⚫︎要点の設問の中身はまだ、読まない
 具体的な“室名”や、例えば“屋上テラス”とか、それだけを紫マークする
 その具体的な内容や意味は、考えない
※なお、その室名等にマークを引き通さない。「ピッ」とマークするだけ。
👇👇👇👇👇👇

これは僕のR1延期組の本試験課題用紙

👆👆👆👆👆
と同時に、「要求室」(または「その他の施設」などの箇所)に、
同じく紫マークを付ける
※なお、要求室の特記事項などもまだ、読まなくて良い。

これでなにをしているかって、
「試験元が見たい項目=主役の室の、主観にとらわれないピックアップ」
です。
単語だけ追ったんです。先入観抜きで。

※「防火設備等の凡例」のチェックは、お任せします。

戻って、「1.要求図面」「2.面積表」をチェック✅する

大したことは書いて無いですよね、いつも。
ただし「1.要求図面」は、線の引き方があるので➡️別note②

ここまでやって最後に、「要求室」を読む

やっと「要求室」です。
で、ここで、貴方の課題文を見てみてください。
驚くことが起きてると思います(Re;)
「要求室」の室名のところに、先ほど「計画の要点」をチェックした時に付けた🟣紫マーカー🟣が、いくつか入ってるはずです。

↖️実際はこの時点では室の部分にだけ紫🟣マークされてる状態

そう、この🟣紫マーカー🟣が多く付いている室が、その課題の、主役です。
試験元がいちばん見たい室が、これです。
ふまえ、なんなら、これらの室以外は、雑魚です。どうでもいい。

このR1延期組試験なら、多目的ホールに3つ、カフェに2つ、市民アトリエ/吹抜け/ショップにそれぞれ一つずつ、紫🟣が付いています。
多目的ホールはしかも、要求室の最上段にいるから、これをミスると大ダメージなんだなだってわかると思います。

さてここから「要求室」チェック✅ですが、この「要求室」を最後に読むことの効能とともにエスキス手法と併用して下記するので、よく読んでください。

  • 主役の室が分かっているから、特記事項を読む時に、
    集中する、シビアになる、慎重になる

  • 敷地図、外部要因をエスキス用紙に転記した経験から、より深く理解した上で読んでいくので、極めて有機的に読み取りができる

  • “捨て室”(=どうでもいい室)が分かる。

課題文読み込みのラストに要求室を読むことで、情報の漏れ・抜けがなく、フレッシュな状態でエスキスに入れます。
「要求室」について、僕の言葉で諧謔的に書けば、
「どうせイヤーーーなことたくさん書いてあるんだから、最後に読む笑」
って表現になります。

で、要求室はテキトーにチェックしていってよいですが、基本的なルールは➡️別note①の「要求室」へ
あとやたら滅多にカラフルマーク、だけはやめた方がいい。色んな意味で。
マークすると、抜けますよ。
これ不思議だけど真実なり(➡️別note_マーキングすると抜ける)。

エスキス手法との併用

この要求室を読み取っていく過程で、面積計算をします。
ビーナスの乳首式だと、「右と左」という表現になります。
やってみましょう👇

これは課題文に直接、書いていきます
「要求室」欄の右に、単純に、室の面積を書きます。
会議室は人数×2、レストラン系はとりあえず人数×2.5、カフェは人数×2で、㎡にしてください。
そうしたら要求室の「床面積」の右あたりにその数字を書きます。
なお部門を隔てる部分で線を引きますが、引き通さないこと(➡️別note②)。

部門ごとに合計面積を出して、その数字を◯で囲ってください。
数字が出たら(例えば1,000㎡とか)、今度は要求室表の左、「室名等」の左あたりに、1.4倍した数字を書いて、◯で囲ってください。
左は「実」です。じつ、と読みます。計画するのに必要な、実床面積です。

👇👇ここから有料です👇👇

ここから先は

1,352字 / 1画像

¥ 900

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?