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雑誌やコミックの大型銘柄が発売されるも、前年比95.2%の結果に:店頭売上前年比調査 2021年6月【日販調べ】

日販の「店頭売上前年比調査(6月期)」が発表されました。

これは当年・前年ともに売上データが取得できている店舗を集計対象としたもの。6月は1,638店のデータをもとに作成されています(5月は1,664店)。

前年比 構成比

構成比

6月期の店頭POS売上前年比は95.2%(昨年102.6%)。緊急事態宣言が続いたこと、前年は「鬼滅の刃」が既刊を含めて大きく売れていた影響などで厳しい数字となりました。

月の前半は、コミックの大型タイトルの新刊が発売された影響もあり好調でしたが、月末に向かうにつれて数字が落ち込みました。

ジャンル別 前年比・構成比

続いて、ジャンル別の調査結果を細かく見ていきます。

ジャンル別

雑誌

雑誌は前年比99.3%(昨年85.2%)。

週刊誌は3か月連続での前年超えとなっていますが、昨年はこの時期に刊行中止があり、数字が落ち込んでいた影響を受けています。

「隔週刊 Gメン'75 DVDコレクション」が好調に推移したほか、月末になって発売された「GLOW」(付録:DEAN & DELUCA レジかご買物バッグ+ストラップ付き保冷ボトルケース)が売上を牽引。また「会社四季報」も非常に良い売行きを見せています。

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書籍

書籍は前年比91.0%(昨年99.9%)。

学参のみが前年超えとなっています。学参は前月までの傾向と変わらず、TOEICの参考書が売上を牽引しています。TOEICは、昨年度の上半期はテストの中止が相次ぎました。その影響を受け、下半期以降の受験者数が増加しています。

総記の落ち込みが大きくなっていますが、これは例年4~5月にピークを迎える辞典の販売が、昨年は6月以降にずれ込んだことによる影響です。

コミック

コミックは前年比100.0%(昨年130.3%)。

「呪術廻戦」「ONE PIECE」「SPY×FAMILY」と初版100万部超えのジャンプコミックスが一斉に発売になり、「進撃の巨人」が最終巻の発売を迎えるという話題だらけの6月。残念ながら、昨年の「鬼滅の刃」の勢いには及ばず、前年を割り込む数字となりました。

202106売上前年比c

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7月に入って、夏休みと、東京2020オリンピック・パラリンピックの開幕が近づいてきました。また、新型コロナウイルスも感染再拡大の気配が濃厚になっています。未体験の出来事が続きそうな夏商戦は、どういったものになるのでしょうか。

(日販 流通改革推進部 パートナーズ推進課 古幡瑞穂)

前年の「鬼滅の刃」や巣ごもり需要拡大により、前年比92.4%の結果に:店頭売上前年比調査 2021年5月【日販調べ】

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