守る力_2

守る力。

今日、勤め先の児童館に看護師の人たちがやってきて、応急処置と救命救護の講習をしてくれた。

館内で起こりうる事態を想定して、そのとき、どう動く? とシミュレーションをしたり、AEDの機械の使い方を教わったり、胸骨圧迫と人工呼吸のしかたを教わったりした。

人工呼吸はその昔、車の免許をとったときにやったような記憶がある。けれど、それ以外ははじめて聞くことばかりだった。

応急処置や救命救護は、人生における「守り」の部分を担う。
もしかしたら一生使わないかもしれないし、使わないで終わる人生の方がいい、とも言えるかもしれない。

だから、ぼくは「守り」の話に関心を示したことはなかった。
ドラクエでも、防具より先に武器を買いたがった。

でも、今回は違った。「ガチで使う」と思っているときの学びは、興味のないときとはまるで違う。知らないことに危機感を感じたし「これはものすごく大事だ」と思った。

それに、もしかしたら無駄になるかもしれないようなことを、真剣なまなざしで学んでいる同僚たちを見ていて、とても頼もしく感じた。話し合いをしながら、ぼくたち全員が児童館の子どもたちの親になったような錯覚をおぼえた。

リスクを想定し、そのとき、どう対処するか。
そういうことを責任逃れではなく、本気で他者を守るために学んだのは、恥ずかしながら人生初だったと思う。

そして、こうした「守り」についてよく知っていて、いざとなったときに動ける「シロウト」は、目立たないけれど、とんでもなく貴重な存在だと思った。

そういう「シロウト」がいる集団は、強い。

いつも華やかでイケイケに見えるけれど、大変なときにまったく役に立たない大人ばかりなら、そのコミュニティは本当はよわっちいのだ。鮮やかな花を咲かせてはいるけれど、根っこはひょろひょろの植物みたいに。

ぼくは今日、知らないことをいくつも教わって「ディフェンスって大事だったんだな」と心から思った。それはこの社会において「大人」の役をやる気にならないと、入ってこない情報だったんだと思う。

41歳になって、ようやくお子様セットの旗がとれた、といったところかもしれない。遅かったけどねー。

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