前進開始。

うつ伏せから本格的に「前に進む」ようになってきた。最初はトカゲのように左右に体をよじって進むのかと思っていたら、そうではなくて、腕の力で強引に前進している。しかも段々速くなってきている。

ギターなど楽器の習得において、できなかったプレイがいつの間にかできていることがあるが、赤ちゃんの前進はまさにそんな感じ。数日前までは「その手の使い方だとまだ先かな」と思っていたし、仮に教えることができたとしてもどこをどうしたものやらという状態だったけれど、そこからいきなりできるようになった。

「前進できるようにしたい」などとは考えず、目標設定もせず、ただひたすら心と体の赴くままに動いていたら、いつの間にか「壁」をこえて、できるようになっていた。赤ちゃんだけでなく、僕たち大人にもそういう成長のしかたができる領域は残っていないだろうか。あったらめちゃくちゃうれしいなあ。

そんな赤ちゃんは、生まれて二度目の寿司屋に行った。前回はずっと寝ていたけれど、今日は起きていて、お皿などに手を伸ばす。まだ離乳食の段階なので食べられるものはなく、はじめて食べたのはおしぼりの袋だった。

その前に行った家具店では、案内をしてくれたスタッフさんにニッコリ微笑みかけて、ハートを撃ち抜いていた。０歳児ながら、外出するたび幸せを振りまいている様子に、つくづく感心している。